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水の勇者の冒険は終わった・・・  作者: マサ
第1章 地の底で
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第13話 クロスディアの過去

今回は説明回の上、長いです。

マサシは気絶中・・・・・・


「まさか・・・・・・単独の力で闇の衣を持つ魔物を倒してしまうなんて信じられません・・・なのです。」


案内妖精はマサシの体内から出てきた。

辺りは邪気は全くないが、念のため為、自身の(あわ)い光で周囲を照らし、警戒するルプであった。


その時、SBスライムゾンビの死体から青い光の玉が浮遊した。


ルプは特に警戒をするわけでもなく、青い光の玉に話掛けた。


「・・・・・・貴方が魔物化していたなんて、信じたく無い事態みたいなのですね。」


青い光の玉は、半透明の青い鎧を(まと)った老騎士の姿になり、土下座をしていた。


(もう)し開きも御座いません。甘んじて如何(いか)なる罰も受けましょう・・・

クロスディア世界管理神・女神フィリア様。」


ルプは困ったような笑顔を浮かべた。

「また、その名で呼ばれる日が来るとは思いませんでしたわ・・・・・もう、その名で呼ばれる資格が無いのに・・・・・なのです。」


老騎士は慌てて立ち上がった。

「そんなこと御座いませんぞ!あの時、あの小僧が貴方様の忠告を無視しなければ、今でも管理神の座に着いていた(はず)ですぞ!!」


ルプはふるふると顔を横に振った。

「あれはわたくしの判断ミスなのです・・・・・

まさか、当時の勇者が助けた魔族の子供が恐るべき才能を秘めている事は解っていたが、よもや『闇の衣』を発現出来るほどの才が在る事を見抜けなかったわたくしの落ち度なのです。



確かに強大な才が目覚めぬようにその子供を戦いに参加させないように当時の勇者に忠告をしましたが、聞き入れて(もら)え無い事は解っていました。あれは覚悟を問う為の忠告だったのです。



しかし、あの時、真に才能を見抜けて要れば、強引にでもわたくしの手元に置いて、その才能を制御下に置く指導をする方法もあったのに・・・・・わたくしは勇者パーティーに危ないけど、強力な人材が入ったと浮かれていたのです。



そのせいで、邪教徒の儀式で世界中の邪気がその心身共に未熟な子供に集約し、『闇の衣』を(まと)った史上最強の魔王を誕生させてしまったなのです。



その魔王との戦いで勇者の恋人・親友・戦友・仲間をうしない、わたくしの配下であった当時の四大精霊王・当時の竜王も滅びてしまいました。



その当時の『水』の精霊王は貴方の娘でしたね。元『水』の精霊王 八首水蛇(エイトヘッド・ヒュドラ)ネークス・・・・・



貴方もわたくしを恨んでいるのでしょう?娘を犠牲にした不甲斐(ふがい)ない管理神だと!・・・・・・・なのです。」



「いいえ、滅相も御座いませんぞ!

あの時の判断がなければ、クロスディアは滅びていたはずですぞ!



娘も本望だったのでしょうぞ!!

娘の最後のテレパシーで『フィリア様に仕えた事を誇りに思う』と送信して来ましたぞ!」



「・・・・・・そうですか・・・・・なのです。」



「不甲斐ないのは当時の勇者の小僧ですぞ!仲間達を犠牲にしたことに耐え切れず、ただ感情のままに勇者の力を暴走させて世界を滅ばそうとしたんですぞ!



イヤ、それだけでは無く、四大精霊王が空位になった事で世界の壁が薄くなって、暴走した勇者の力が他の異世界に影響を(およ)ばして、(いく)つかの世界は滅びましたぞ・・・・・



それを貴方様は力の大半を使い、暴走した勇者の力を止め、その寛大なる心で勇者の魂を元の世界に戻したのですぞ!



本来なら、勇者の力を暴走させて幾つもの世界を滅ばした罪で神々の罰を小僧に与えるはずが、貴方様が身代わりとなり、世界管理神の座から下ろされ、クロスディアの()まわしき古代の力と勇者暴走時に滅びた世界達が残した危険な力を押し付けられたのですぞ!」



「あの勇者暴走の件はわたくしに責任がありますなのです・・・・・・・勇者は大切な者達を失うという罰を既に受けていたのです。



勇者が勇者としての記憶を失い、元の世界で平和に暮らすことに、誰であろうと文句を言わせる気は御座いませんなのです!



だから、わたくしは危険な古代の力と異世界の危険な遺産を管理する案内妖精に身を落とした事を後悔していないなのです!!」



「そのようにお考えていらっしゃるのならば、ワシからは何も申すことは御座いませんぞ。」



「そう言って、貰えるのはありがたいなのです。


それではわたくしが管理神だった話はもういいなのです。その後、クロスディアがどうなったか説明して貰えますか?マサシさんの話ではわたくしが管理神をしていた頃とかなり違うようなのです。」



「はっ!それではご説明しますぞ!

まず、先の勇者暴走の件を受けまして、神々は再発防止策としてクロスディアの勇者に授ける力を削減することになりましたぞ。



その関係で、召喚は管理神が行わずにクロスディアの住人が行い、管理神はそのフォローをすることになりましたぞ。その代償として勇者召喚中は管理神が眠りにつき、世界を支える事に集中することになりましたぞ!



勇者の質が落ちた分、量で補う事になったので、依然は200年に一度の割合だったのですが、50年に一度の割合で複数同時召喚になりましたぞ。



人数がおりますが、質が落ちた事をフォロー出来ずに、この300年は邪気を浄化するのでは無く、封印して先送りしているのが現状でございますぞ。」



「!?・・・そんな事をすれば、邪気は圧縮され、『闇の衣』を纏った魔物が産まれて・・・

ネークス・・・・・そういうことなのですか?」



「はい・・・・・もう手遅れでございますぞ!邪気封印は限界に近く、封印内は『闇の衣』を纏う魔物であふれかえっておりますぞ!



そんなクロスディアから逃げ出した先代世界管理神は、元は花の精霊女王で前回の勇者報酬を利用して、500年は縛られる管理神から逃げ出したのですぞ。



その後、一番力を残していた夢の精霊女王が就任し、現在に至りますぞ!」



「そして、貴方はこの現状を打破するために邪気に有効な『泡』の力を宿したマサシさんを召喚する手筈を整えたなのですね。」


「ご慧眼恐れいります!ちなみに30歳なのは現在のクロスディアの召喚では生気が落ち始めた時期でなければ、条件をクリア出来なかったからですぞ!



しかし、手筈を整えた後、あの女狐・玉藻(たまも)がワシを()め、ワシを邪気封印を補強する為の生け贄にしたのですぞ!



そして、邪気封印内で魔物化してしまいましたぞ。『水』の精霊王に復帰したワシが空位になった事でさらにクロスディアは危機に陥ったのですぞ!



フィリア様!状況は予断を許さないのですぞ!マサシ殿には悪いが『生け贄になって貰い、クロスディアを救って貰いましょうぞ!ってか?』」


「「!?」」


ありがとうございます。

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