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玖
弾が尽き。刃砕け、魔力が切れて尚、少年だった『塔』は恐怖と狂気の声をあげ続けていた。
「殺してくれッ 殺してくれッ 殺してくれっ 」少年の叫びは命への執着を削っていく。それほどの力があった。
いつしか私たちは狂ったように折れた剣を手に、殺し合いを演じていた。
殺しても。殺しても。死んでも死んでも。"私"たちは蘇り、また殺しあう。
「お前とはいつかやりたいと思ってたぜ」「拙者もな」
"彼"と"組長"が剣を交わす。
鋭い突きが"彼"に入ったかと思えば、蘇った"彼"が爆弾を投げる。
斬撃が"彼"を両断したかと思えば、"彼"もまた奇怪な剣技で"組長"の脚を切り払う。
"委員長"と"呪術師"は通じ合う点が多いらしく、逆に戦いも激しい。
"私"と"彼女"もまた激しく撃ち合う。
殺してくれと誰かが呟く。誰も生きたいと思わない。
死のみが娯楽で死のみが愉悦。つかのまの死は眠りのように心地よく、殺しあう生は只空しい。
誰がそうしたのかは。覚えていない。
気がついたとき、私たちはこの結論に達していた。
「お前を殺すことは出来ないが、お前の代わりに死んでやろう」
その一言を告げたとき。『塔』は大きく揺れた。




