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異世界冒険奇譚 月狂の歌  作者: 鴉野 兄貴
第五章。終末を司るもの

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弾が尽き。刃砕け、魔力が切れて尚、少年だった『塔』は恐怖と狂気の声をあげ続けていた。

「殺してくれッ 殺してくれッ 殺してくれっ 」少年の叫びは命への執着を削っていく。それほどの力があった。


 いつしか私たちは狂ったように折れた剣を手に、殺し合いを演じていた。

殺しても。殺しても。死んでも死んでも。"私"たちは蘇り、また殺しあう。


「お前とはいつかやりたいと思ってたぜ」「拙者もな」

"彼"と"組長"が剣を交わす。


鋭い突きが"彼"に入ったかと思えば、蘇った"彼"が爆弾を投げる。

斬撃が"彼"を両断したかと思えば、"彼"もまた奇怪な剣技で"組長"の脚を切り払う。


 "委員長"と"呪術師"は通じ合う点が多いらしく、逆に戦いも激しい。

"私"と"彼女"もまた激しく撃ち合う。


 殺してくれと誰かが呟く。誰も生きたいと思わない。

死のみが娯楽で死のみが愉悦。つかのまの死は眠りのように心地よく、殺しあう生は只空しい。


 誰がそうしたのかは。覚えていない。

気がついたとき、私たちはこの結論に達していた。

「お前を殺すことは出来ないが、お前の代わりに死んでやろう」


その一言を告げたとき。『塔』は大きく揺れた。

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