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愛が罪になる世界
「……新しい世界についたみたい」
"彼女"が呟いた。"私"は息を呑む。
なんだこれは。
灰色の空。薄汚い建物。建物。建物。
びゅうびゅうと吹き荒れる風。風。その風は身体の調子を狂わせる。
「どれが『塔』なんだ? 」
人がいる世界ならばどの世界でも『神』の住まう『塔』がある筈だが。
「どれがどれやらわからんのぅ」
"組長"が諦めたように苦笑した。
『電車』はその塔の間(驚くことに空中にある橋の上を『電車』は通っている)を縫うように進む。
全ての建物が天を突くような塔。塔。それが全て。
私達は建物が生み出す強烈な吹き降ろしに震え。
「窓を閉めよう」そういって窓を閉める。
……『拳で語る世界』は暖かかったのに(むしろ暑かったが)。
「あの建物が『神殿』かのう」
"組長"さんが誰彼といわずに呟いた。
"私"たちを乗せた『電車』はゆっくりと、ゆっくりと、天にかかる橋を通りながら、
天にかかる橋がその中央にのびている奇妙な、巨大な建物に飲み込まれて行った。
再開です。




