第二章。『"委員長"との出会い』了
がたん ごとん がたん ごとん
不思議な音。
「きたようじゃな」「みんなっ! 俺がいなくても元気でっ! 」
「もちろんだっ?! 」「なにっ! 無事でいろよっ?!!」「絶対、絶対、私忘れませんっ! 」
時の狭間を流離う"私"達は寿命はあるが、外見上老いることはない。
そして、"私"達より、彼らは早く老い、滅んでいく。事実上の今生の別れ。
波間から二本の鉄の棒が延びてくる。その棒の間にすーと延びて現れる木の棒の支え。
……馬にも引かれていないのに、大きな箱が凄い勢いでこちらにやってくる。
前方に丸く光る物体。箱の周囲には透明な窓がたくさん。
がたん ごとん がたん ごとん
ぷしゅー。
中に人がいないにも関わらず、勝手に大きな箱の扉が開いた。
「これが」「電車。じゃな」電車?
「次の『世界』に連れて行ってくれる」なるほど。
……"私”達は電車に一人づつ乗り込む。扉が勝手に閉まった。
「次の駅は『愛が罪になる世界』『愛が罪になる世界』」びくっ。
「ああ。ロクオンソウチっていうカラクリだ。気にするな」そうなのか。
「さようならっ!!!!!!!!!!!! 」
「さようならっ!!!!!!!! 」「また、あいましょう!!! 」
「みんなっ!!! いってくるよっ!!!!!!! 」
「すごく、愉しかったですっ!! この世界に住みたかったですっ!!! 」
"私"の偽らざる気持ち。ただ、この『世界』は"私"の『世界』ではなかっただけ。
『電車』は「れーる」と呼ばれる鉄の線二本(下には枕木というものがある)を進む。
青い青い海を進み、青い青い空の下、白い白い雲から流れる素敵な風と共に。
遠くでかもめが飛んでいる。
"彼"は電車の車中から釣り糸を垂らし、"彼女"は銃の整備をし、
"組長"は『さぼてんが塩気にやられはせんか』と余計な心配をしている。
ふと振り返ると、正面に"委員長"の輝くような笑顔があった。
男性が相手なのにどきっとしてしまう。
「君の名前、聞いてなかったね」……。
「"私"は"私"さ」
名前は。まだない。
(第二章。『委員長との出会い』了)
次回予告。
電車は巨大な建物、「駅ビル」に吸い込まれていく。
"私"たちはもう一つの魔法、『科学』が支配する世界にたどり着いた。
そこでは女性は殺され、男性は"神"によって生み出されるという。
次回。『愛が罪になる世界~機械世界の"呪術師"~』。ご期待ください。
(書き終わるまで完結設定です。今月末までには書き上げます。すんません)




