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異世界冒険奇譚 月狂の歌  作者: 鴉野 兄貴
第二章。"委員長"との出会い

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25/65

第二章。『"委員長"との出会い』了

 がたん ごとん がたん ごとん

不思議な音。


「きたようじゃな」「みんなっ! 俺がいなくても元気でっ! 」

「もちろんだっ?! 」「なにっ! 無事でいろよっ?!!」「絶対、絶対、私忘れませんっ! 」

時の狭間を流離う"私"達は寿命はあるが、外見上老いることはない。

そして、"私"達より、彼らは早く老い、滅んでいく。事実上の今生の別れ。


 波間から二本の鉄の棒が延びてくる。その棒の間にすーと延びて現れる木の棒の支え。

……馬にも引かれていないのに、大きな箱が凄い勢いでこちらにやってくる。

前方に丸く光る物体。箱の周囲には透明な窓がたくさん。


がたん ごとん がたん ごとん


 ぷしゅー。

中に人がいないにも関わらず、勝手に大きな箱の扉が開いた。


 「これが」「電車。じゃな」電車?

「次の『世界』に連れて行ってくれる」なるほど。


……"私”達は電車に一人づつ乗り込む。扉が勝手に閉まった。


 「次の駅は『愛が罪になる世界』『愛が罪になる世界』」びくっ。

「ああ。ロクオンソウチっていうカラクリだ。気にするな」そうなのか。


 「さようならっ!!!!!!!!!!!! 」

「さようならっ!!!!!!!! 」「また、あいましょう!!! 」

「みんなっ!!! いってくるよっ!!!!!!! 」

「すごく、愉しかったですっ!! この世界に住みたかったですっ!!! 」

"私"の偽らざる気持ち。ただ、この『世界』は"私"の『世界』ではなかっただけ。


 『電車』は「れーる」と呼ばれる鉄の線二本(下には枕木というものがある)を進む。

青い青い海を進み、青い青い空の下、白い白い雲から流れる素敵な風と共に。


 遠くでかもめが飛んでいる。

"彼"は電車の車中から釣り糸を垂らし、"彼女"は銃の整備をし、

"組長"は『さぼてんが塩気にやられはせんか』と余計な心配をしている。


 ふと振り返ると、正面に"委員長"の輝くような笑顔があった。

男性が相手なのにどきっとしてしまう。


「君の名前、聞いてなかったね」……。


 「"私"は"私"さ」

名前は。まだない。


(第二章。『委員長との出会い』了)

次回予告。

電車は巨大な建物、「駅ビル」に吸い込まれていく。

"私"たちはもう一つの魔法、『科学』が支配する世界にたどり着いた。

そこでは女性は殺され、男性は"神"によって生み出されるという。

次回。『愛が罪になる世界~機械世界の"呪術師"~』。ご期待ください。

(書き終わるまで完結設定です。今月末までには書き上げます。すんません)

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