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異世界冒険奇譚 月狂の歌  作者: 鴉野 兄貴
第一章。てのひらのなかの銀河
2/65

『世界』のハザマの砂上船

 『開かない……』

開かないヒラカナイヒラカナイ。


 ……未来ガ……開カナイ。

半狂乱でノブを引く。

開ケ開ケ開ケ!! ワタシの未来がヒラカナイ!!


 ワタシ?

そして気がついた。


 ……私……?

誰?



 私……。だれ……。

ひっくり返して言ってみる。


 だれが……私。

面白い。意味が通じない。


 ワタシダレ? ダレワタシ?

面白い。ワカラナイ。マッタクワカラナイヨ。


 ―――ワカラナイヨ!!―――

大粒の涙が溢れ出す。


 ―――アアアアアアァァァッッッ!!! ―――

拳を扉に打ちつけた。叩く。叩く。血が出るまで叩く。


 ―――血?……チ……? ―――

気が付いた。自分の服にこびりつく、大量の乾いた血に。


―――ああアアアアアアぁぁぁぁッッッッ!!!! ――――


 喉の奥からうめく声。獣の声。

ハハハハハハッ……。アタシの声。


 “ドン! ドン! ドン! ビシッ! ビシッ!! ビシッッ!!! ”

扉を叩く音、血が飛び散る音。……アタシの音。

『アハッ……? ……アハははッハはッハはッはは? 』


 涙。血。飛び散る汗。

アタシ。あたし。私。これが。わたし。

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