漆
6話7話をまとめて投稿してしまったので、分けておきます。
「ちぇすと~~~~~~~~~~! 」
「ちょわは~~!!! 」「ほわぁたぁ!!!!! 」
襲い来る住人を退けながら私達は『塔』を登る。
ちなみに、他の『世界』の『塔』は悪意のある守護者ぞろい、罠ぞろいらしいのだが。
先ほどの魔物たちの『拳』を翻訳するとこうなる。
『ようこそ! "撲殺委員会"へっ! 』
『私達は皆様の来訪を歓迎しますっ! 』『ぜひ、美しい景色と愉しいひと時を堪能くださいっ! 』
……この世界は魔物たちでさえ気さくらしい。
悪気があろうがなかろうが、魔物の力で殴りかかれば人間など即死する。
"私"たちは隊列をしっかり組み、"彼女"の銃を用いた先制攻撃、"委員長"の斥候、"彼"の防護魔法、"組長"の近接、"私"の回復術(使えるらしい)。と役目をしっかり分担して『塔』を登っていく。
"委員長"の『拳』は私達の『情報』に干渉することで傷を癒したりも出来るらしい。強いだけではなく頼りになる。
『いい剣だったぜ……。 今度、俺と……酒でも呑まないか』
……魔物とはいえ、善良な心のある者を攻撃するのは忍びないが、この世界の『神』に直訴すれば良いとの事。
「そうすれば。どうなる? 」"私"の質問に。
「訴えた者は、この世界のルールを変えることが出来る 」"彼"はそういった。
「ただし、その『願い』をいえるのはこの世界の者だけだ」
"彼女"は補足説明する。
「そして、『願い』を叶えたものは、『世界』を出て、
『冒険者』になるのが定めじゃ」
私は"委員長"の誠実そうな顔を見て切ない気分になった。
そんな私に、彼は笑って殴りかかった。
『問題ない。冒険者になって、広い『世界』を見てみたかった(以下略)』
やっぱり、この世界はいい世界だけど、困った世界だ。
"私"は魔物より、おいしい料理より、"委員長"の熱い想いのこもった一撃でおなかいっぱいだった。
本日の更新は6話7話をまとめて投稿してしまいました(今気がついた)。
分割しておきます。