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異世界冒険奇譚 月狂の歌  作者: 鴉野 兄貴
第二章。"委員長"との出会い

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拳(こぶし)で語る世界

『拳で語る世界』「撲殺委員会の島」


季候 極めて温暖 冬場でも泳げる。

政治形態 直接民主主義

特記事項 一般人の武装は法律で禁止。素手の戦闘術が発展。

     『独自の言語』能力を住民すべてが持つ。


『世界』の規模 縦横10キロメートルに満たない小さな島と周辺の海。

特産品 サトウキビ、およびその酒。蛇味線じゃみせん

 「船」がずるずるぎしぎしと不吉な音を立てている。

「どうしたっ?! 」「流砂?? 」

砂が大きく渦を巻き、私たちの船を飲み込もうとしている。


 「あはは。だんながた。気になさらず」

船長さんは朗らかに微笑んだ。

「次の世界への『扉』のようです」


 『扉』の渦の中に自ら進んでいく私たちの船。

その渦の真ん中に、青い青い海と、珊瑚礁、楽器を鳴らして踊る陽気な人々の姿が見える。


 「わぁ……」"私"が歓声を上げると、"組長"さんが肩を抱いてくれた。

「役得 役得じゃ」という言葉が少々気になったが。


 砂上船はゆっくりと渦の中心の『蜃気楼』に触れる。

優しい光が私たちを包み。そして。光が破裂した。


 気がつくと。

私たちは不思議な神殿の中にいた。


 「ここ……は? 」

私が小首をかしげていると"組長"さんが「『神殿』じゃ」と応えた。

「ゲートがある神殿さ。大抵の世界にはある。

祠程度のしょっぱいのしかない『世界』は下手に飛ぶと帰りの神殿を見つけるのに苦労するがね」

"彼"も無事。あとは。

「"私"もいるわよ」無表情な女性。"彼女"もいたようだ。


 「異世界からのさすらいびと達よ。我らが世界にようこそ」

僧侶の服を身にまとった青年が私たちに礼をする。


 「どうも」"私"もお辞儀をした。

「警告しておきます」「「「「?? 」」」


 神官だか僧侶だかわからない青年は苦笑いした。

「外を出たら、絶対、傷薬の準備を」

「「「は? 」」」"私"たちは、この言葉の意味を。文字通り『痛感』することになる。


 「綺麗な国だな」

「ほぅ~わたぁぁっぁぁっ??!! 」 ??


ぼか。


 「! な?! 」"彼"が剣を抜こうとする。

が、それより早く襲撃者の一撃が"彼"の足元を薙いだ。


 銃を構える"彼女"はマガジンがいつの間にか抜かれたことを知り驚愕する。

「しんせ……"組長"さんが『組員さんたち』を召喚ぶ前に、組長さんの顎に華麗なアッパーカットが決まる。


 悶絶する"私"たちの脳裏に、「ようこそ。我らの国! 『撲殺委員会の島』へ! 」という『言葉』が流れた。

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