第3話
もう何もいうまい…
我が文才のなさに絶望した…
軽い自己紹介を終え、談笑していた菜々美と良子だったが
アナウンスが聞こえると、
ベットに横たわりながらヘッドギアを被り、
「「ログイン!」」
とゲームにログインしていった。
ログインした菜々美であったが、なにもない真っ白な空間に投げ出されていた、
「えっとぉ…まずはログインしてから…左手を…下に振るんだっけ…?あれ?出ない…」
…先ほど説明を受けていたのにすでにわからなくなっていた…
すると、
「ようこそペルソナオンラインへ」
と、仮面をかぶったアバターとともに女性の機械音が聞こえてきた
「まずはキャラクター設定画面表示いたします。」
と言い終えたと同時に菜々美の目の前にスクリーンが出てきた。
おぉ…という小さなつぶやきとともにスクリーンを食い入るように見る菜々美、
「まず、このペルソナオンラインでは性別の変更、および身長の10cm以上の変更はできませんので御
了承ください、また、βテストでは顔の変更などはまだ実装されておりませんのでできません」
と仮面のアバターが説明していた…のだが…
「おぉ~髪の色変えられるんだぁ~、金髪にしてみよっかなぁ~っ!」
と全く聞いちゃいない菜々美、
「なおこの区画では種族はエルフ固定となっております、ご了承ください」
と説明を終えると、
「えぇ~っ固定なの!?」
とどうやらそこは聞こえていたらしい菜々美は悲鳴に近い声を上げた。
どうやら施設によって選べる種族が違うようだ。
しばらくして、
「よぉ~し、できたぁ~」
と我ながら会心の出来なりぃ~と声をあげてガッツポーズ、
顔かたちは変更できないので会心の出来もなにもないはずなのだが
本人は満足そうであった。
菜々美のアバターは、
ただ黒髪の部分を金髪にし、
目の色をアクアマリンのような薄い水色にした耳の長いエルフのようだ。
アバターの設定を終えると同時に、
「それでは、真名を入力後、キャラネームを入力してください」
と説明を受け、
真名ってなに?という顔をしながら、
あぁ~、自分の名前ね!という勘違いを起こし菜々美と入力した。
満足そうに、次はキャラネームかぁ…っとぼやきながら手をあごに持っていき考え込む、
しばらく考え込むと、
あ~ど~しよ~と今度は頭を抱え出し、
もうこれでいいやっ!っと、文字を打ち込んだ。
すると仮面のアバターは、
「キャラクターの設定はこれでよろしいですか?」
と、無機質な声で聞いてくる、
するとスクリーンにY/Nというスクリーンが出てきた。
菜々美はYのほうを指で押し、
「それでは、貴方のペルソナで神を打倒することを祈ります、ご武運を」
という冒険の始まりのありきたりな言葉を聞き、
どこまでも無機質な声を背に菜々美は
いってきまぁ~す!
という元気な声をあげて目の前の色が変わるのを自覚していった…
しばらくたち
「ん…むぅ…」
という声とともに目を開け…
「おおぉ~!?」
という歓声を上げた。
目を開けたところに目に入ってきたのは巨大な樹、小高い山になっているのか少し遠くに周りも木々が生
茂っており森となっていた。
そして遥か遠くには、ここからでも解るほどの巨大な城が見える。
うわぁ~とかすっごぉ~い!など別の人の声が聞こえてきた、
どうやら他の人たちもログインしてきたようである。
すると
「あれ?ナナミ…?」
という声が聞こえてきた。
尖った耳と蒼いサラサラしてそうな髪をたなびかせ髪より薄い蒼の瞳の女性が近づいてきた。
ど~こかで聞いたようなぁ…と考える菜々美に
「さっき話してたじゃないっ、私だよ?良子だよ~?」
と軽く笑いながら教えてくれた。
「えぇ~っ!?良子…さん?うっそぉ~!全然違う…」
と驚きを隠せないようで良子の顔に両手を出し…
ふにっ!と両頬をつまむ、
…かなり失礼である
いひゃい~いひゃい~
と声を上げたので手を離すがいまだに驚きがおさまらない様子だった。
そこで髪の長さと色を変えたんだよ~
と教えると、
あぁなるほど…確かに面影が…っと少し納得したようで、その後疑問をぶつけた、
「あれ?髪の長さって変えられるの?」
と不思議そうに聞くと、
「アバター作るとき説明受けてたでしょ…?」
聞いてなかったんだ…と、少しあきれるように菜々美を見た。
しょうがないじゃん…と少しほほを膨らませる。
「ところで、キャラネームはなんていうの?私はケーネってつけたんだ!…奈々美はなんて名前にした
の?」
可愛いでしょっ?とそれが素なのだろう、
快活に聞いた。
「私はねぇ~、…スンナにしたよ~」
ほんの少しもったいつけながら、だけど、少し恥ずかしいっと言うようにケーネに教える。
その後、
2人はチュートリアルクエストを受注し、
とりあえず丸腰じゃいかんよね~ということで武器屋に向かった。
「ねね、ケーネは何の武器を使う予定なの?」
と興味津々というような表情で聞いた
「え~…、私はエルフ使うつもりじゃないからなぁ…最初の一日はエルフだから次の日の人間で遊ぶつもりー」
と自分はまだいいという意向を示した。
それに対しスンナは
「私はエルフ気に入っちゃったからこのままでいいかな~…、変更って任意でしょ?」
と手に取った弓をいじりながら質問をする。
「うん 任意だよ~、でも変更するときは種族ごとに定員があるからもしかしたら変えられないかもねぇ、
そのときはエルフにするつもりだよ」
と楽しそうに小ぶりな剣を振っていた。
おかしな点やここはこうしたほうがいいよーなどありましたら
感想でお願いします