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死ねない怪物の私は、もう祈らない~私の心はもう死にました。なのにどうしてあなたは私を探しているのですか?~  作者: 紫乃てふ


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北で起きている事

【ネトコン14参加中です✨】

いつもお読みいただきありがとうございます!

リアクション・ブックマークをいただき本当にありがとうございます。

いつもいつも本当に励みになっています。


 特に精霊たちからの問いかけもなく。

 平和な日々が続いていたある日の夕食時だった。


「そういえば先日、急に国王陛下が教会にいらっしゃったんですよ」

「そう……」

 ミケの言葉に、私は淡々と返す。


 女神ティア様と会った直後は、どうにかしなければと思っていた。

 でも、平和な日々が続く中で、段々と今までの自分の気持ちを考えるようになった。

 だって私は、国王陛下の事が好きだと思っていた。

 それこそ、私の力を使い果たしてでもあの方を守りたいと強く思うほどに……。


 ――でもそれは幻想だった。


 私は、別に国王陛下の事なんて好きではなかったのだ。

 ティア様が言っていたではないか……。

 アウラム様の神力は、人の負の感情に作用するのだと。

 だから、国王陛下の事を話されてもそうなのかとしか思えなかった。

 なのに、ミミケは私の反応を気にしていないようで一人で話し続けている。


「エリス王妃殿下ともとても仲がよさそうでしたよ」

「それは、国にとっていいことだわ。そういえば、結局エリス王妃殿下のご懐妊はどうなったの?」

 ふと疑問に思ったので聞くと、ミケは力なく横に首を振った。

「それが、ただの貧血だったそうです」

「そうなの……早くお世継ぎが生まれればいいのに」

 運ばれてきた食事を食べながら、ご飯ってこんなに味がしなかったかしらと考える。

 パンのぱさぱさした食感は分かるのに、どんな味なのかが分からない。

 私が思わず首を傾げていると、ミケが心配そうに駆け寄ってくる。


「聖女様、どうされました?」

 優しく私の背中を撫でてくれるその手の温かさに涙が出てくる。

「どうしたのかしら……今日は体調が悪いのかも知れないわ」

 私がそう言うとミケは私に毛布をかける。

 こんなものこの部屋にはなかったので驚く。

「聖女様が風邪などひかれてはいけませんから……。ちゃんと朝、交代前に回収します。だから今日はこれにくるまっていてください」

 そう言って、私を誘導すると毛布でくるんでから鎖を巻く。

 ここにきて、初めて背中に柔らかい感触を感じる。

 嬉しくなって微笑むとミケも優しく微笑み返してくれる。


「西の件もありましたし、聖女様はお疲れなのですよ。ゆっくり休んでください」

 そういうミケの声を聞いていると段々眠くなってきて……私は眠りについた。


 夢の中……私は聖力を流していないはずなのに国王陛下がそこに立っていた。

 そして、私の身体はいつの間にか小さな子どもになっていた。


「ルル。会えてよかったよ」

「へいか? おつかれですか?」

 少しやつれた様子の国王陛下に声を掛けると力なく微笑まれる。

「聞いてくれ、多分教会は何かを隠しているんだ……」

「そうなのですか?」

「あぁ……この間久しぶりに図書館に行ったら神が増えていた」

「ふえる? かみさまがですか?」

「あぁ……アウラム様という名前だ」

「アウラムさま……」

 私は、思わぬ神の名前に驚いて殿下を見つめる。


「ルルは知っているのかい?」

「ティアさまからききました」

「そうか……ティア様がご存じなら本当に神なのだろうな」

「アウラムさまがどうしたんですか?」

「どうって訳ではないんだが……どこを探してもそんな神がいたという記録がないんだ」

 ティア様の事を陰から支えていたというのが、事実なら記録に残っていなくても不思議ではない。

 でも、いきなり髪が増えるなんてことふつうあり得ないと思うのよね。

 私が、色々考えていると目の前にいる殿下が大きなため息を吐いた。


「それと同時に北部の万年氷が溶け始めるし……問題が山積みだよ」

 北部の万年氷……溶けているなんて知らない。

 それこそ私の回りは一時期、妖精たちに溢れていたけれど今は静かだ。

 それは、何も問題が起きていないからだと思っていたけれど……もしかして身動きが取れなくなってる?


 それぞれの精霊たちは、あくまで独立した存在らしい。

 彼らを統べているのは、ティア様だからティア様の聖力を継承した私は、彼らの存在を借りて浄化ができるという仕組みらしい。

 首を傾げながら考えていると陛下が私を心配そうに見ている。


「何か聞いているかい?ルル」

「いえ……まんねんごおりは、ひどいじょうたいですか?」

「どうだろうな。俺の信頼できるエピという学者を調査に行かせているから……大丈夫だと思う」

 エピ……というのは、この前の青年のことだろう。

「すこし、きたのうごきをみておきますね」

「あぁ……もしなにか手伝えそうなら教えてほしい」

「わかりました」

 それだけ伝えると私の意識が浮上し始める。


 目を開けると、いつの間にか毛布はなくなっていた。

 体調の不調は感じないので、ゆっくりと北の方へ聖力を巡らせてみる。

 万年氷というのを探していると、人影のようなものが見えた。

 もしや……エピ?

 そう思って意識を集中させるけれど、彼は雪の中で倒れていた。

 その周りには、たくさんの精霊がいる。

 私が聖力を彼らの方へ伸ばすと、雪の精霊が私に気がついた。


『レウシア! 大変なの。急に雪崩が起きて、この人死んじゃうわ』

 近づいてきた精霊の言葉を聞いて、私は慌ててエピに聖力を流す。

 浄化と同じ……彼を守るのだ。

 青白い顔の彼に聖力を熱にして、温める。

 私がそうしていると、雪の精霊たちは雪のドームを作った。

 雪でできているのに少し暖かくなったのか……震えていた彼の身体の震えが少し和らぐ。

 ただ、私と精霊たちとでは彼を運ぶことはできない。

 悩んでいるとそこに騎士の一団が現れた。


 それは、アストン様率いる王家の騎士たちだった。


最後までお読みいただきありがとうございます!

本作は「ネトコン14」エントリー作品です。

少しでも「気になる」と思っていただけたら、ページ下の評価やブクマ登録をしていただけると、執筆の励みになります!

明日も更新しますので、またお会いしましょう!

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