私だけ止まったまま
ネトコン14開始日に投稿が大幅に遅れてしまい申し訳ありませんでした。
話の内容がまとまらな過ぎて、書き直しをし続けていました。
少しでも面白かったと思ってもらえたら嬉しいです。
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あの夢のあと……陛下は、自身の味方を固め始めた。
主に、カドモス様と賢者様が中心になって、人材が選抜されていった。
そのおかげで、今まで見たこと無いような人たちが、役職に就き始めていた。
そして西の領主は、処分されたらしい。
久しぶりに西の様子を探ったら、領主が変わっていて驚いた。
湖の精霊たちが言うには、結構な小競り合いがあったらしいけれど、アストン様が制圧をしたらしい。
結局その人たちは、地下牢にいるらしいのだけど……、私よりは地上に近いらしい。
それを城の妖精たちに聞いたときに、自分が一体どこまで地下に入れられているのか……想像もしたくない。
というか、教皇猊下も王妃エリス様も良く文句を言う為だけに、ここまで下りてきたなと変なところに感心すらしてしまう。
聖力をただ流して過ごす日々にももう慣れてきた。
陛下ももう大丈夫そうだし、私はこの国の一部になれたらいい。
そんな風に最近は思い始めていた。
だって、私が祈らない方が陛下にとっていい方向に進んでいる気がするのだから。
私は、あの日から何回繰り返しても陛下の為に祈り続けた。
それは、ただの忠誠心だと思っていたの。
でも、多分違った。
私の祈りで陛下を守っている事が誇りに思う。
私が一番陛下の近くにいるんだと思っていた。
そう、きっとあの頃のあの気持ちは……確かに『愛』だった。
だけれど、私の『愛』は陛下を幸せにできなかった。
それどころかどんどん不幸にしてしまっていた。
カドモス様以外の人間全員が、陛下を裏切ったこともある。
彼の為にたくさんの命が散っていった。
それでも、私は陛下だけでも生き残ってほしいと思っていた……。
なのに、毎回絶望の中にいる陛下の幸せを祈ったそのあとに、陛下は死んでしまった。
毎回……毎回……。
それでも、いつか祈っていたら陛下が私に気が付いて、ここから救ってくれると思っていた。
最初は、純粋に陛下の為に祈っていたのに……。
繰り返すうちに私には、陛下しかいなくなった。
私の心の支えは、陛下だけだった。
実は、夢に入ることを思いついたことはあった。
でも、勇気がなかった。
だって、私の事を忘れていたらそんな悲しいことはないし……私が私じゃなくなりそうだったから。
でも、前々回……私は繰り返し過ぎたからなのか。
死ぬことさえ許されない、人ではないモノ……『怪物』になっていた。
だから、前回も今回も陛下の事を諦めた。
だって、『怪物』の私が陛下の横に並べるわけがないのだから……。
それに、どんなに待っても陛下は私の事を助けに来てはくれないのだ。
王妃エリス様を『聖女』と信じて愛していた。
そういえば、子どもがいたときもあったな。
すぐに死んじゃったけど……なんでなんだろう?
まぁ、私には関係ないよね。
平和な日々が続く中で、私はこんなことばかりずっと考えていた。
そんなある日、いつも通りミケが夕食を持って来た。
「いただきます」
「そういえば、聖女様聞いてください。王妃様がご懐妊の兆候があるらしいですよ」
「そう……おめでたいことね」
以前の私なら取り乱していたのだろうけど、淡々と私はミケに返事していた。
お世継ぎが生まれるのはいいことだ。
だけれど、毒を持って殺そうとした男との子ども?
ふと、そんなことを考えてしまう。
「でも、変な噂があるんですよ。その……父親は陛下以外の人じゃないかって」
「そうなの? それが本当なら大変なことだけれど、あまりそういうことを言ってはダメよ。不敬罪に問われるわよ」
ミケにそれだけ伝えるけれど、本当に陛下の子なのかは怪しいと思う。
それに、そのご懐妊自体が本当なのか?
「兆候という事は、王妃様も大事な時期でしょう。ストレスなく健やかに過ごされるといいわね」
「大丈夫じゃないですかね? 少し前までは陛下よりも我が物顔で城を歩き回ってるって聞きましたし」
「そう……」
私は、夕食を済ませるとすぐ横になる。
ミケは慣れた手つきで鎖を巻き付けていく。
「もう手慣れたものね」
私が、そう言うと辛そうな表情をするミケ。
「作業としては、慣れましたが……。今でもこんな扱いは許せないです。陛下はどうしてこんなことを!」
最後まできっちりとやり切った後に、悔しそうにつぶやく言葉に疑問を持つ。
「陛下がなんで関係あるの?」
これまで繰り返してきて分かったことが、少しだけある。
その中の一つ、陛下は私が地下に居ることを知らない。
だって、知っていたら王妃エリスを聖女だなんて思わないでしょう?
私の純粋な疑問に、ミケは驚いたような顔をする。
「だって……陛下のご命令でここにいらっしゃるんですよね。陛下一人じゃないですけど、陛下と王妃様と教皇猊下の命令だって聞きました」
ミケが言った言葉に疑問が浮かぶ……。
「陛下は関係ないわよ。そうじゃないとおかしいでしょう? この国の聖女は、王妃エリス様っていう事になっているのだから」
私がそう伝えると、ミケはしばらく考えるようなしぐさを見せる。
「陛下は知っていて、国民を騙しているんですよね! 教会で聖騎士の先輩からそう聞きました」
……純粋もここまでくると本当に悪用されないか心配になるな。
「残念ながらそれはないわ。だって、陛下は、私を訪ねに来たこともないですもの」
それに、夢の中の私を見ても動揺しなかった。
もし、私をこの地下に閉じ込めている犯人なら、夢の中に幼児の姿でも私が出てきたら怯えるだろう。
だって、私はこの世界で唯一魔法を使えるのだから。
まぁ、攻撃は出来ないのだけれど、今となってはそれも本当かあやしい。
何とかミケを宥めて今日の夜は、ゆっくり眠れると思っていた。
思っていたのだけれど、思惑は色々なところで渦巻いていたらしい。
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