どーも、ゴーレム馬車です
前回のあらすじ
主人公 チンピラに絡まれ退治する
どーも、チンピラに絡まれたオッサンです。
神官長というか、キサラ法国全体があんな感じだったら行きたくないね。神様に誓えば正義みたいな考えはどうかと思うよ。前の世界では宗教に入っていなかったからよく分からないけどさ。
「ケンさん、ケンさん」
「うん?なに?」
「先程のキサラ法国のことだけど、言い忘れていたことがあるわ。人間が多い国の全てアテナ教が存在しているの。帝国にもあったでしょ?神殿が。あの神殿はアテナ教なのよ」
「へぇー、この世界で一番の宗教なの?」
「たぶんそうだと思う」
「神殿勢力が強力になると面倒だな。キサラ法国独自の情報網が構築されてそう。帝国の神殿を調査すれば良かったかも」
「他の人間の国にも神殿がありそうだから、そこで調査すればいいわ。今は目先のことを考えましょう?ね?」
「そうだね。もう周囲には人がいないみたいだし、馬型ゴーレムの馬車に切り替えて移動しようかな」
容量が特大のマジックバックから馬車を取り出し、ユリさんにお願いして馬型ゴーレムの首辺りにある水晶に魔力を込めてもらう。ユリさん曰く、魔力付与に感覚が似ているらしい。
「私の魔力をたっぷり注いだから燃費が悪くなければかなりの距離を移動出来るはず」
「爺ちゃん、よくこんなの開発したなー。スゴい技術力だと思うな」
「元が優秀な帝王だから出来た芸当ね。エルフの国ではとても再現出来ないわ」
「そうだよね。馬車の構造自体、この世界では斬新かもしれない。車輪だけじゃなくてサスペンションもしっかりとしているし、通常の馬車よりは揺れは少ないかな。室内の椅子も凝っているし、窓もある。文句のつけようがない」
「魔力の質力を上げれば速度も上がる...こんな技術があるなんて。発明家になれたかもしれないのに狂ってしまって残念ね」
馬車に乗り込んだ俺とユリさん。どのゴーレムにも共通していることは、魔力を注いだ者の命令を聞くと説明書に書いてある。日本語の説明書まで用意するなんて、自慢の一品だったのかな。馬車の外装は、帝国の紋章が入っておらず黒一色で角が丸くなっており空気抵抗を和らげる働きをするらしい。
ゴトッ、ゴロロロ
「う、動いた!!スゲー!」
「ケンさん、楽しそうね。ふふふ、可愛い」
「平地だけしか使えないのは残念…」
「仕方ないわよ。それより何処に向かっているのかしら?」
「あれ?言ってなかったっけ?サツキ公国だよ」
「まあ!大移動じゃないの!どうしてサツキ公国にしたの?」
「海の幸を食べたいのと海を見ながらボーッと過ごしたいから。最大な理由は、戦争や内乱がないからかな」
「海の幸...それは食べてみたい。私、海の食材を知らないから」
「確か、エルフの国は海に面してないっけ?尚更楽しみにしているといいよ!」
「ふふっ、そうね。楽しみにしているわ。それに、ケンさんと2人きりで海が見える部屋で過ごすのも良いわね。ムフフフフフ、良いわ!解放的になった2人は愛を確かめるように身体を重ね合う!イケるっ!!」
「別の部屋をとるから...ぐへっ」
鳩尾にユリさんの拳が入りむせる。見えなかったぞ、今の右腕の動き。
「ケンさん?ダメですよ、変なことを言っては。もし、そのような事をしたら...扉を破壊して無理矢理しますよ?」
「あははは、冗談だよ!ユリさん。身体を重ね合うかは置いといて、ちゃんと同じ部屋にするから」
「分かればよろしい。それで、最大の理由である戦争や内乱がないというのは本当ですか?」
「観測的希望だから、正直分からない。そう考えて置かないと、何処も行かなくなる」
「それは、そうですが...また一波乱ありそうな気がするのは私だけかしら?」
「やめて!言わないで!薄々感じているんだよ。巻き込まれ体質ってことを。前の世界でもそうだったし...」
「うふふっ。やっぱり何か起きそうね。次は何が待っているのかしら」
「あーーー。聞こえない、聞こえない」
「もう!子供じゃあるまいし、しっかりして!」
はぁー、疲れもピークだし考えが悪い方へ行っているのかも。少し寝たいなー。
「ユリさん、御者お願いしてもいい?眠くて眠くて。3時間ほどしたら起きるから、その後交代するよ」
「分かったわ。交代して私が起きたら、帝王について詳しく教えてね」
「そうだった。その話をするよ。ふぁーあ。後はよろしくー」
俺はふかふかの椅子の上ですぐに寝てしまう。
次回 ユリと神龍




