どーも、終結です
前回のあらすじ
主人公 帝王の正体を暴く
どーも、憑依魔術を食らったオッサンです。
爺ちゃんの自作自演だったなんて、初めは分からなかった。でも、次第に日記の存在自体を疑っていき導き出した答えが当たった。隠し部屋の存在が今まで発見されなかったこと、地下から地上に繋がる道、地上には使用されていない倉庫。思い当たる節が幾つもあり、これ茶番じゃね?って思うようになった。うん?俺が今いるところ?それは...
『随分、早い再会ね。ケンさん』
「リンさん。本当、それな!出来ればこんな手段を使いたくなかったけど、これしか思いつかなかったんだ」
『私の夫が何かやっていると思ったら、ケンさんと話していたのね。それで?今回は何をしたのかしら?」
「ユリさんの目を通して見ていたんじゃないの?」
『あの子が龍眼化しないと見えないのよ。今はハッキリと見えるけど...夫が楽しいそうね』
「憑依で思い当たることって言ったら、ユリさんだからね。まさか本当に出来るとは思っていなかったけど」
『憑依?私がユリちゃんに乗り移ることかしら?』
「そうそう、それ!シャロンに聞いたら、憑依には魂に干渉するらしいじゃん?俺にはその辺りさっぱり分からないけどさ」
『ええ、その通りよ。魂に干渉というより、魂そのものが入れ替わるわ。ただし、それが可能なのはケンさんがよく見ているスマホ?に表記されているレベルが関係していて、レベル差がないと入れ替わることが出来ないはずよ』
「俺とタダノ・ヒトシとのレベルは、おそらく近いはず。だから、シャロンに代わってもらった。シャロンのやつ、上手くやってくれよ」
『ふふ、その辺りは問題ないわ。久しぶりの現世に出れて嬉しいだろうし、とても張り切っていたから安心して』
「それなら良いんだけど。リンさんが見ている現世の様子を俺にも見せて」
『はいはい、今回は特別よ?』
「ありがとうございます!」
※ユリ視点
ケンさんにあの帝王が憑依する!?阻止しないといけない!でも、荒れ狂う魔力が邪魔で近づけない。
「クウァハハハハ。これでワシはこの世界を支配出来る!!」
帝王ことタダノ・ヒトシが叫ぶ。私はその声を聞き、絶望のあまり声を上げてしまう。
「いやああああああああああ!」
許さない、許さない、許さない。タダノ・ヒトシ!殺す!!
私はケツメイを抜き魔力付与を施し、荒れ狂う魔力を断ち切るように振るう。何度も振っているが全く意味をなしていない。
「ユリ様!!何か様子がおかしいです!」
「おかしいって何よ!」
「帝王が...とにかく帝王を見てください!」
大きな声で姫に言われ、帝王の方を見る。吐血している?
「くはっ...な、なぜだ!なぜ憑依できんのだ!!くっ、ガハッ。はぁ、はぁ、はぁ、な、なぜ...」
荒れ狂う魔力がドス黒い魔力に変わり、吹き荒れる。私たちはその魔力によって後方へ身体が飛ばされる。
「次は何!?何が起きているの!?」
『何千年振りだろうか。現世に降り立つのは...豪剣使い、ケンの肉体は中々具合が良いな。フッ、フッ。おお、しっかり動くな」
ケンさんとは別の声が、ケンさんから発せられる。いきなり剣を振り出すし、理解が追いつかない。
「貴方は、誰!!?」
『お、ケンの女か?』
この人いい人だわ!間違いない、一目で私とケンさんの関係を見抜いたのだから!
「ええ、そうよ!ケンさんの女よ!」
『ふむ、そうか。我は、神龍と呼ばれていると言った方が理解が早いかの?』
「神龍...、貴方が、あの...いえ、その目は神龍眼ね。ケンさんの右目は普通だったわ。それが神龍眼になっている」
『ほう。この目を見て動じないとは。ケンの女...確かケンがユリと言っていたな。我の妻が気にいるのは分かる』
「お、おまえーー!!神龍だとッ!!なぜワシの邪魔をした!!」
吐血しながら、喚いている帝王。ふぅー、帝王を見ているとこっちが冷静になれるわ。もしかして、ケンさんは...
『ケンから聞いていたが、お主が元凶の人間か?醜い魂をしておる。性根が腐っているのだろうな。同じ人間とは思えん。我の手で浄火してやろう』
「やめろぉ!ワシはまだやり残したことがあるのだ!ここで死ぬわけにいかない!!」
帝王が懐から取り出したのは、ケンさんが切り札に持っていたのと同じもの。いいえ、違うわ。ケンさんのより装飾が良い。
カチッ、パァァァンッ
あ、危ない!!神龍に声をかけ...えっ?あり得ない。何で手を突き出して弾丸を握っているの?
『こんなくだらないモノで我を倒せると思ったのか?人間。我を愚弄しているのか?』
うっ、顔を背けるほどのドス黒い魔力が辺りを満たす。
「みんな、魔力障壁を張りなさい!!この魔力は危険よ!」
『断魂の神炎《アストラプスィテプシュケ・アイアコススピサ》』
「ああああああぁぁぁあうああ、やめえろおおお!あ、あ、アツイ...いた、いたいいいい」
帝王の身体に漆黒の炎で包まれ、身体を焼いていく。悲痛な叫びが帝王から沢山聞こえる。帝王の声だけではない。
『この炎は、お主が今まで犯してきた禁忌を苦しみに変え魂まで燃やしつく。余程のことをしなければここまで燃えないのだがな。人間は、相変わらず業が深い』
「神龍、そろそろそのドス黒い魔力を止めてくれないかしら。私たちには毒なのよ、これ」
『すまない、少し加減を間違ってしまったな。これで、この件は仕舞いのようだ』
神龍が、魔力を消すと辺りの地面が黒く焼けている。煙が立ち込める中、帝王だけがまだ燃えている。
『なんだ?ケンか?うるさいのぉー。少し遊んだだけだ!お主がどうしようも出来ないと泣きついてきたから、仕方なく動いてやったというのに。まだまだ、我に立ち向かうのは早いようだな若造。フハハハハハッ!』
ケンさん!ケンさんと話しているの!?
私はケツメイを神龍に向かって突く。
キィィイン
『お主、な、何をしとるか!?ケンを殺す気か!?』
「早くケンさんに変わりなさい、殺すわよ神龍!」
『嫁そっくりで、我ビビる...わ、分かったから、突くのをやめろ!変わるから!ほれ』
※ケン視点
「うわっ!な、何するんだよ、ユリさん!もう入れ替わったって!」
ユリさんの突きをゴウケツで防ぐこと数回、ようやく落ち着いたのか、剣を納める。
「うわー、まだ燃えてるよ。そういえばアレスは?」
「先の戦闘で壁にしていたら死にましたよ。当然の報いですね。それよりケンさん!説明してもらえますよね?」
「ああ、もちろん。その前に帝王の部屋に行きたい。姫さま案内してくれる?」
「は、はい。急展開しすぎてまだ混乱していますが、この戦争は終わったのですか?」
「うん。これで終わりだ。最後にみんなでアレをいうか?」
せーのー! ざまぁ!!!
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