どーも、決別です
前回のあらすじ
主人公 ストーカー被害に遭う
どーも、ストーカー被害に遭ったオッサンです。
まさか俺とユリさんまで狙われているなんて考えてもいなかったよ。姫さまの仲間かもしれないからって暗部を送るか?普通?ご飯を食べ終わり、姫さまたちに外の出来事を伝える。
「そのようなことが...ケン様、ユリ様、本当に申し訳ありません。一方的な支援ばかりで、協力関係にあるにも関わらず私たちは役に立っておりません。必ず、この御恩は返します」
「確かに。利害の関係であって支援してばかりな気がする。そろそろ恩を少し返してもらおうか。今から質問することに考えられる要因などを頭を使って答えてくれ」
7人全員が神妙な顔つきで頷く。
「なぜ、騎士団の団長が俺とユリさんに暗部を送り込んだ?あまりにも情報が的確すぎる」
俺とユリさんが姫さまたちと接点があることを知っている、もしくは誰かに聞いて確認をするために暗部を送り込んだ。それとも偶然か...
「騎士団の団長は、帝王の懐刀でもあり絶大な権力を持ち合わせています。現在、聖剣を持っているのは騎士団の団長であるアレスという男です。狡猾で残忍で有名ですが、聖剣を持つに相応しい力を持っているのも事実。私たちを帝国から追放する際に、帝王に助言していました。私というより、アルテの真理の目を警戒したのかもしれません」
姫さまの後に続いてアルテさんが発言する。
「アレスという人物は、深慮し行動する。私が生きていることに少しでも可能性があれば潰しにきます」
この中に内通者...裏切り行為をしている奴がいると思っているんだが。アルテさんのことが脅威であれば、追放した際に始末すれば簡単に解決できるはずだ。まだ、腑に落ちない。はぁ、疑いだしたらキリがないな。
「そもそも、アレスは何故執拗に警戒しているんだ?」
「おそらく、人種に関わらずレベルがあるということを隠していたからではないか?レベルが上がれば、自分の立場が脅かされる可能性がある」
カーラさんの言うことは一理ある。今回の魔人の件は、ドラゴンゾンビを倒すことによって得られるであろう経験値だと俺とユリさんは予想している。帝王が知っていたのではなく、アレスという男がレベルの概念を知っていた可能性がここに来て出てきたな。
「僕もカーラの意見に賛同。ケンさんに教えてもらうまでレベルがあることなんて知らなかった。鍛錬すれば自ずと力が増すとばかり思っていたからね」
ハルさんがカーラさんの意見に賛同したことにより、他の者も同じく賛同し始める。
「それで?結局自分たち、もしくは姫さまが狙われる理由はなんだ?」
「それは...私たちが邪魔であったとしか思いつきません」
「そこを掘り下げて考えろよ。邪魔ってなに?これ以上、とばっちりを受けたくない。暗部が俺たちに殺されたことを知ったら、次は騎士団が出張ってくる。分からないで終わらすな。考えろ。それが出来ないなら、俺とユリさんは、お前たちとの関係を白紙にする」
「待ってください!お願いです。一緒懸命考えますから...」
「ケンさん、先程の食糧を渡して研究室にあった物を持って彼女たちから離れましょう?」
懇願する姫さまの言葉を遮って、発言するユリさん。拒絶したかのように冷たく、冷淡な声で宣言する。
「私とケンさんが囮になりましょう。姫さまたちは、その隙に誰と戦うかは存じ上げませんが戦闘すれば良い。貴女たちの覚悟をしていることは、私もケンさんも分かっているわ。でもね、大事な局面で動けない人は要らないの。それに、貴女たちが何と戦うのか明確になっていない中でいつまでもだらだら行動していたら、ケンさんの足枷にしかならない。だから、もうお別れよ」
ストレートに伝えるユリさん...実は隠し部屋にあった必要な武器、研究資料、薬品を持ち出している。もう、隠し部屋に興味もなければ姫さまたちにも興味がない。ここ数日、ストレスが溜まっていたのは何となく察してはいたが。まさか、ここまで姫さまたちと決別するとは思わなかったよ。
『水の精霊様、契約の水をお恵みください』
契約の水?初めてみる精霊魔法。何の儀式なんだろうか。
「私たちはお互いに誰にも言わない、話さない。決して情報を漏らさない。これを誓い、精霊様の契約の水を両者とも飲むこと」
「ユリ様!お待ち下さい!何卒、何卒...」
「貴女たちは、私たちの望む要求に答えられないと判断したわ。それに、ケンさんに頼りすぎじゃないかしら?帝国を憎む、憎意は認めるわ。でも手段を私たちに委ねすぎだわ。あまりケンさんを困らせたくないの」
「私たちだけでは、帝国を相手に出来ません...必ず生涯を通してご恩をお返しいたします!何卒、ご慈悲を」
土下座する姫さまとアルテさん。ユリさんの話が突然すぎて理解できていないカーラさんたち。
「貴女たちの恩を返すというのは、他の人も知っているような情報を話すだけなの?とても建設的な話が出来ていないわ。武器と食糧、そして隠し部屋は貴女たちに渡す。もうこれ以上支援は出来ない。安心して?聖剣をもつ騎士団団長は、私たちが殺すから」
姫さまたちの近くに、契約の水が入った木のコップを置き早く飲むように催促するユリさん。
ユリさんがここまでしているんだ、俺も...
「それじゃあ、俺から飲むよ。うっ...にがい。俺からは、白金貨10枚と君たちのステータスの情報を見せるよ」
姫さまに白金貨10枚渡し、各それぞれLV45の画面を見せる。スマホを見た姫さまたちは決心したのか、契約の水を飲み干す。
「契約を破れば、契約の水が毒に変わり死に至ります。くれぐれもご注意を」
ユリさんも水を飲み干し、俺たちは隠し部屋の引き戸を開け孤児院の廃棄の瓦礫から山から隠密スキルを使用して外に出る。
まだ、雨が降っているな...ユリさんの突然の行動に驚いたけど、スッキリしている自分がいる。
それにしても、ユリさんは何を考えているのやら。
次回 開戦の狼煙




