1/2
暗躍する美女
カーテンから漏れる薄明かりの中、彼女は一枚の書類を手にしながら不気味に笑う。
「遂に、わたくしの野望が叶う時が来たようね」
彼女は、常盤鐘成高校理事長の娘。常盤朱鐘。
容姿端麗、学業優秀、スポーツ万能、芸達者。彼女を褒め称える言葉は後を絶たず。
誰が呼んだか、ミス・パーフェクト。
それが、彼女であった。
「編入時期、家族構成。そして、特技! 完璧だわ、なんとしても、この人材を抑えなくては」
完全無欠のお嬢様の高笑いが響く。
こうして、この物語は開幕を迎えたのだった。