設定資料公開:「汐ノ目機関が把握する未元の能力に関するレポート」
本資料は汐ノ目機関が発足時(1990年)より確認、推測する超出力能力(以降は通称に倣い『未元の能力』と呼称)の管理及び研究状況をまとめたものである。
1.『未元の能力』の定義
『未元の能力』とは今日に至るまでに確認された能力の内、第四世代粒子観測装置「Iscan」において出力項目を測定不能と断じられた能力を意味する。
通常判別されない能力は第五種として登録されるが、当能力では作用箇所の項目にて精神領域との同調が見られた為暫定的に第一種とする。
2.『未元の能力』の調査
①出力測定:Iscanでの測定時、出力数値が表示領域以上となった場合➁が許可される。
➁出力実験:対象となる能力の系統に合わせた出力実験を行い何らかの測定値を得る。
<実例① 【絶対虚空】>
⇒保有者:天堂天音による四方2mの鉄塊を用いた破壊実験を実施。
⇒直径0.5mの穿孔を確認。同時に空間の歪みが観測されたことから空間系統と暫定した。
<実例② 【絶対刹那】>
⇒保有者:有片真也による四方2mの鉄塊を用いた破壊実験を実施。
⇒初撃にて直径0.6mの陥没を確認。その後、被験者の希望により実験を続行。
⇒10秒後に鉄塊の溶融を確認。破片の空間固定及びソニックウェーブが観測されたことから時間系統と暫定した。
③管理認定:②にて得られた想定出力及び能力特性より管理方法を検討、決定する。対象が学生である場合汐ノ目機関に属する施設への入学を推薦し、ある程度の優越権を付与する。優越権の内容としては学費の免除ないし減額、資金援助、その他本人の希望に可能な限り沿うものとする。
尚未元の能力者は原則として五元将(旧四元将)の候補から除外し、既に認定されている場合はこれを取り消す。ただし優越権は既存の内容を優先する。
3.『未元の能力』の管理状況
001【絶対虚空】 系統:空間 保有者:天堂天音
⇒現在は汐ノ目学園並びに異能対策委員会に所属。天堂花捜査官に管理権限を付与中。
⇒追記:脅威ランク8位に認定する。対処法については別紙を参照とする。
002【絶対数値】 系統:因果 保有者:西川燐那
⇒既に汐ノ目学園を卒業済。引き続き捜査官による監視を実施する。
003【絶対刹那】 系統:時間 保有者:有片真也
⇒現在は汐ノ目学園並びに異能対策委員会に所属。天堂花捜査官に管理権限を付与中。
⇒追記:異能対策委員会会長に認定する。これを以て当組織の管理権限を付与する。
⇒追記:脅威ランク7位に認定する。対処法については別紙を参照とする。
004【絶対負極】 系統:電磁気 保有者:鳳蝶夜奈
⇒現在は汐ノ目学園並びに異能対策委員会補佐自警団に所属。■■■■に管理権限を付与中。
⇒追記:異能対策委員会補佐自警団団長に認定する。これを以て当組織の管理権限を付与する。
005【絶対正極】 系統:電磁気 保有者:鳳蝶日奈
⇒同上。
⇒追記:異能対策委員会補佐自警団副団長に認定する。これを以て当組織の管理権限を付与する。
006【未定】 系統:変動(推定) 保有者:不明
⇒記録データ1999‐7‐カテゴリ5より、【code:Angolmois】の最接近時Itafの迎撃に身元不明の人物の参加が確認されている。映像記録からはこの人物の攻撃が起因し対象の破壊が成されたとも見れるが定かでない。しかし、能力の規模から想定される攻撃能力は核兵装以上であり、Iscanの許容値を確実に超過すると考えられる。
⇒今日に至るまで当人物に関する記録は無い。
006【■■■■】 系統:■■ 保有者:■■■■
⇒現在はWDMO(世界災害対策機構)に所属。同組織に管理権限を付与中。
⇒秘密保持並びに業務遂行の為一部情報はWDMOの秘匿権限に基づき非開示とする。
007【未定】 系統:不明 保有者:不明
⇒ユーラシア大陸西部■■■■、■■■■地区にて目撃情報有り。山岳地帯にて■■を■■とのこと。現在WDMOが同国に対し情報開示請求を行っている。(編集済)
⇒追記:請求棄却される。
⇒追記:現在SunSouls代表取締役有片政宗氏を代表とした調査隊を派遣中。続報を待たれし。
4.証言記録 記載:新渡戸貞仁
私がこの能力に対し最初に抱いた感情は畏怖であった。絶壁が如き鉄の塊に空いた穴、あれを目の当たりにして愕然とした研究者は私だけではないはずだ。それはあの少女が我々に敵意を向けてくるといった原始的な恐怖は元より、科学者という生物は不明瞭さを嫌う、そんな理由もある。何せIscan開発以来最初のエラーだ。もしこの能力を兵器に利用出来たら、そんな私の淡い期待をあの時の99.999が否定してくれたのだ。故に私は断言する。『未元』とは人類の脅威に他ならないと。藍川氏曰く…(中略)
私は資金が許す限り今後も研究を続ける所存だ。他の学者連中は続々と挫折している様だが、少なくともああなるつもりは毛頭無い。このままでは財閥、特に三浦辺りに能力開発事業は占有されてしまうことだろう。それはあってはならないことだ。確かに彼ら企業の開発力は目覚ましいものがある。本業である我々も舌を巻く程だ。しかし忘れてはならない。相手は完全なる未知であること。そして我々人類は未だ反物質すら御すに至っていないということ(どこぞの追放者ならやりかねないが)。人が目先の利益のみを優先させた時破滅は必ずやって来るのだから…(後略)
5.証言記録 記載:天堂 花
え? 「未元」についてどう思うか、ですか? 申し訳ないですがただの公務員には何とも……はい? …………お言葉ですが、貴方が何と言おうとあの子は私の愛娘…兵器の様に扱われる筋合などありませんので…! ……失礼、用事を思い出しましたので私はこれで……。
6.証言記録 記載:藍川紫皇
すまないが、取材は後にしてくれるかね? 今し方会議が……うん? 件の能力者について? ……そうだな、私は専門外故あまり深くは言及出来ないが…強いて言えば、「何の問題も無い」。機関の科学者たちは皆優秀だ。如何に相手が未知数だろうと所詮は人の子…我々と大した差は無いのだよ。いつの日か、人類は全ての神秘を殺し世界を解き明かすことだろう。ならばこれは通過点に過ぎない。過度に特別扱いをする必要も無いとは思うがね……。
本日も御一読ありがとうございました! 来週は本編に戻る予定です。