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第91話:ダブルショットガン

 十六夜(いざよい)が記憶実体魔法で生成した比叡山の最強護符(角大師)のレプリカ護符には、本来の護符の加護よりもさらに”時間制御”の零波が埋め込まれていた。俺もレプリカ護符を記憶実体魔法で生成できるが追加属性を付与することはできない。


 従って、このダブルショットガンの弾倉に込めた一枚しかない、ここで魔弾を放ったら、二度目の魔弾は無い。幻影(ファントム)は沈黙し平服しているが、銃口は迷宮の支配者の幻影(ファントム)に向けられてままだった。


 俺は銃口を下した。


 扉を開けるには、魔弾で打ち抜いて部屋で眠っている幻覺(ファルゥー)を目覚めさせるしかないと幻影(ファントム)は言った。


 扉を完全破壊することは簡単だ。紅のドラゴンに変幻して神炎皇のブレスを放てばいい、しかしそれでは部屋全体が消滅しもともこもなくなってしまう。蜂妖精女王の十三夜(つきみ)のサイズぐらいに変幻できればちょうどよい火炎の出力だが、ここでは思念波の密度が多くだめだ。


 魔弾を発射、扉を打ち抜く。


 魔弾は、中央を貫通し部屋中央で爆裂した。ダブルショットガンの弾倉に内壁にセットした護符は燃えきり銃口からは紫の煙が立ちこめた。煙は魔弾の弾道に引きづられている。


 扉がわずかに開き、漏れた光の向こうからまたあのリズムの打音が聞こえてきた。部屋の中央に幻影(ファントム)と瓜二つの迷宮の支配者がいた。妹分の人工知能幻覺(ファルゥー)である。


 ドリルの高速回転音が部屋からだけでなく後ろからもする。


「レイジ!」


 以前、上鳥羽集落のネフライト系鉱山で凶悪巨大蜂の攻防でやったように仮想実態魔法でダイヤモンド製の防御壁を前方、後方に無意識に生成した。 紫の煙がダイヤモンド製の防御壁内に立ち込めていた。


 ドリルはダイヤモンド製の防御壁に突き刺さり更に回転を増している。


 幻覺(ファルゥー)の覚醒に伴って、兄の幻影(ファントム)も再覚醒したようだ。もう片方のドリルが同じタイミングで前後から放たれる。ダイヤモンド製の防御壁すら破壊しようとする威力である。


「葵、幻影(ファントム)幻覺(ファルゥー)の共通の無条件緊急停止のコマンドキーワードは?」


 このドリルの物質は紅のドラゴンの鱗のクレナザイトと同じだ、やつら誰に操られている。


「マスター、私には公開されていないです」


「まさか、俺の統合AIアルフ・ライラが暴走したのではないだろうな。あいつはなぜか人格が芽生えようとしていたからな。1万年も経てばどうなってるのか」


「統合AIアルフ・ライラの無条件緊急停止のコマンドキーワードが代用できるのでは?」葵が防御壁の紫の煙を手で避けながら言った。


「だめだ、ここにAIアルフ・ライラは居ない、あいつ無しではコマンドを伝達できない」


「ダメ、押しまけてしまうわ」レアフルがひびが入った両面の防御壁に割って入り、虹色の硬質の翅で支えた。


 背に納めていたダブルショットガンが床に落ち、弾倉から比叡山の最強護符(角大師)の燃えた灰が更に周囲に紫の煙となり拡散した。


「マスター、コネクト完了しました。ご命令を」


ここには存在しないはずの統合AIアルフ・ライラの思念波だ。この感覚に覚えがある。意識だけ時空が開けたのだ。それで十分だった。


「シャットダウンコマンド発行、

 {

対象、幻影(ファントム)幻覺(ファルゥー),

オプション指定、immediate,

サブオプション指定、sane,

認証キー、比叡山の最強護符(角大師)の文様

 }

 exit」


「コマンド受領、シャットダウンプロセス実行」


 シャットダウンシーケンスが実行される。幻影(ファントム)幻覺(ファルゥー)の兄妹が床に崩れ落ちた。

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