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第85話:合流と別れ

 東シナ海の上空を偏西風に乗りさらに亜音速で飛行した飛翔混成部隊は、小一時間で列島の南端に到着しづたいで北上した。京都の伏見集落へと戻ったのである。


 眼下には、城門に飛蝗の小群体が群がっているのが見えていた。ここを旅立ったときよりも増えている様子ではあったが、城は持ちこたえていた。ぎりぎり間に合ったようである。


 九条サクの『神流星刀』から振り出される青白い帯状の光とリンの繰り出す『神妖刀』火の鳥の赤い炎が入り乱れがあちこちの方向に放たれていた。その都度、飛蝗は消滅するがまだまだ数は多く、城門まで迫ってきていた。


 一時、青白い光と赤い炎がおさまり、小群体の飛蝗の活動も何事もなかったように沈黙した。


 飛翔混成部隊から甲虫女王レアフルが先に城門へ降下した。前翅のつなぎ目の背に収めているロゼの魔石である『天珠願魔石』が深紅の光を放ちレアフルを包み込んでいた。


 すべての飛蝗たちの眼は深紅の光を写し出していた。恐ろし数の深紅の光点であるが、周りは静寂が漂っている。


 小群体の飛蝗たちは、統率者ロゼの『天珠願魔石』によって平服したのである。



「お戻りお待ちしておりました。令時様、この甲虫の魔物は?」目の前に降り立った甲虫スカラベを見ながら九条リンが言った。


「間に合ったか。こいつは使役している前甲虫王スカラベの娘の甲虫女王レアフルだ。改心しているから敵ではない」


「ふん、改心なんて…… まあ、よい。この集落に集合している飛蝗たちはもう無害だ。


 もう自分たちの目的も忘れ去っている」レアフルは早神令時の”使役”されているという言葉に不満の思念波を送った。


「うわー、虹色の翅だ。かっこいいなー。触ってもいいかな?」言うや否やすでにサクはレアフルのつるつるした虹色に輝く翅を頬で触っていた。


「ギギッ」レアフルはサクに向かって疑似思念を送ったがサクには理解できなかった。


「レアフル、サクはまだ子供だから許してやれ」


「ギギッ、……」


「さて、これからだが、もう一度といっても三度目だが山城の地下迷宮の最深部の部屋に行くことにする。


 これが最後のアタックプロジェクトとなるだろう。成功すれば時空の連環は完全に断ち切ることができて、この地球アスカの未来の生命体はアスカそのものが滅ぶまでは連綿として栄えることができる」


「マスター、これでこの世界ともお別れなのですか」


「そうだ、葵。我々は元の世界に戻らなければならなし、十夜族はこの地、この世界に留まらなければならない」


「ワタシはいいよね。レイジの世界に行ったことがあるし」十三夜(つきみ)は令時の頭上を旋回しながら言った。


「それはだめなんだ」


「ドウシテ、いつもいっしょ」


「連れて行くことはできない……」


「ドウシテ、いつもいっしょだったじゃないか」


十三夜(つきみ)、我もどんなにか令時と一緒にいたかといつも思っていたがそれはかなわぬことだ」十六夜(いざよい)が言った。


「そんなの、兄さん、姉さん達が負えばイイ。ワタシは関係ない」


「十夜族はこの地で未来の生命体を保護していく義務がある。太古あの赤い惑星、アレス(火星)の月からこの地に降り立った時からの義務だ」


十六夜(いざよい)十三夜(つきみ)を制止して言った。


「そういうことだ。連れていくことはできない。十三夜(つきみ)、俺のこのネックレスを渡す。俺が小さいときに貰ったものだ」


 俺は、グリーンのイタリアングラスのロザリオを十三夜(つきみ)に渡した。人型に戻った十三夜(つきみ)はロザリオを受け取った。


 これ以上、駄々をこねても無駄と判断したようだ、頬には涙が伝わっていた。


「コレで、もらったネックレスは2本目ダネ……」十三夜(つきみ)は以前に俺が作った翡翠宝石の投影裸眼ネックレスと十字架のついたロザリオ


 を手にしながら言った。


「ここでお別れだ」



 我々3人、俺、信士、葵と『天珠願魔石』を持つ甲虫女王レアフルが山城の地下迷宮へと向かう。


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