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第81話:統率者ロゼアへ向けた魔弾

 湖面中央は湖面すれすれで湖底が揺らいで見えていた。レアフルと黒い雲の統率者はお互い対峙したまま動けないでいた。


 両者の間には衝撃波がぶつかりあって消滅した静寂な空間があり、その下の湖面は鏡のようであった。


 その鏡の湖面には漆黒の者が近づいているのが写し出されていた。


「ギギ、人の姿の令時が来たか。仕方がないかこの状況では。統率者ロゼア、お前はもう終わりだな亅


「私の名を…… 甲虫王の子レアフルよ亅


「我の名も知れていたか。お前の名を父から聞いた記憶がある、いずれ群体を統率する飛蝗の女王が出るであろうと亅


「十夜族のあのハチや私と同じ属であるお前がなぜ人族と協力する? お前の父は偉大だったが、人族に討ち取られたはず亅


「人族を抹殺してもその後がたちいかない亅レアフルは近づく令時に今の会話を疑似思念波で送った。


「なぜだ、いにしえからの悲願ではないか。その後がどうなるというのだ」統率者ロゼアは近づく漆黒の影の方を見やった。


「お前も知っているだろう、太古、昆虫族に知恵を与えたあの『反時空の神宝』を。


 十夜族がもたらした神宝はあれだけではない、相殺できる『時空の神宝』も存在する」


「知っているとも。第二十一代令位守護者の早神令時はその二つを手に入れフィボナッチ数列年に発生する時空連環を停止消滅させようとした。

停止により進化は止まり、われら昆虫族をその後、死滅させようとしたのだ」


「そのとおりだ、我もそう思っておったが、その相殺は象徴にすぎない。現に時空連環は停止してはいない。

時空連環は停止させた時に真にその後のアスカ(地球)の地で生きていくためには……」


「もうよい、レアフル、同属だが仕方がない。お前をまず抹殺する」


「どうやって?」


 膠着していた死闘は、統率者ロゼアの方が少しずつ押しているようだった、全滅を逃れた一部の飛蝗が後方に集まりだし、統率者ロゼアの衝撃波と同期して衝撃波を繰り出すようになっていた。


 お互いの衝撃波で消滅した静寂な空間は次第にレアフルへと近づいている。



「急げ、十六夜(いざよい)、レアフルが押し返されている。あのままだともたない」


十五夜(かぐや)のようにはいかん、今が最速だ」十六夜(いざよい)はそれでももっと早く翔るようにした。


 漆黒の狼の背は停止しているかのように安定していた。高速移動により湖面をホバリング飛翔しているのである。


 俺はダブルショットガンをロゼアと呼ばれる統率者に慎重に狙いを付けた。頭蓋の中枢の頭頂眼に向けてである。


「もう少し」俺は十六夜(いざよい)の黒髪の首に手を添えて、魔弾を放出した。



 令時が放った魔弾の数は過去も含めてそう多くはない。その中で一撃必殺で敵を仕留めたこともないが、今回は過去に放ったものとは様相がことなっていた。


 翡翠ナノ粒子を加味され、さらに思念波を上乗せたこの世界の魔弾は、およそ思念波などない世界である現世で放ったものとは異なり、その軌道はまったくでたらめであるにもかかわらず、確実にロゼアの頭蓋を目標点としていた。


 まるで、どこに飛んでいくのか分からないモンシロチョウが実は、ある一点の葉っぱを目指しているかのようであった。


 紫の光と雷鳴を轟かせ、ランダムな軌跡を描きながら、十六夜(いざよい)の疾風速度を上乗せして、目標物へ飛んでいく。


「間に合ってくれ」俺はレアフルにあと少しだけ持ちこたえるように思念波を送った。



「ロゼアよ、お前はもう終わりだ」


「何を、後ずさりしているのはお前の方だろ」


 レアフルは、紫の光跡がロゼアの頭蓋をつらぬいたのを見て、同時に衝撃波を押し返した。


「おのれ、レアフル。なぜに人族と……」


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