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第73話:合流、麒麟暴風のキトラ

 四つの生命体の飛翔混成部隊は十五夜(かぐや)を先頭に高高度を偏西風に逆らいながら大陸へと向かっていた。

 大陸の東端に到着するまで、二度、海上を東へ渡って行く飛蝗の黒い小群体が見えた。


 後続になるほど各個体は強大でこれが群体を形成するとさらにやっかいなことになる。大陸の本体を殲滅しないかぎり、山城は安泰ではないのである。


「あのシルエットは東方明珠塔(とうほうめいしゅ)じゃないか。上海のシンボルタワーだ。サイズは凄く巨大で、思念波の集積力は京都タワーの非ではないな」


 俺は現世で、上海を経由して、九条爺とサバクトビバッタ群体の調査に赴いてそこで手に入れた情報を基に、今、ここに、この1万年後の世界でも飛蝗の群体と対峙しようとしている。


 以前と違うのは、現世のサバクトビバッタは体長はせいぜい十数cmである。疑似思念波を使えたのはその中でも統率者とその次世代の個体の二体のみであるが、ここでは状況が全く違う。


 体長は十数メートルで、各個体すべてに疑似思念波を使う。これが何千万の群体を形成しているのだ。


 もはや、神炎皇のブレスで薙ぎ払うことはできないレベルである。


 なぜに、ここまで統率がとれた群体になっているのかは謎である。



 十五夜(かぐや)は速度を落とし、東方明珠塔(とうほうめいしゅ)の先端から旋回し、

地上へと降り立った。プラチナ甲虫スカラベと十三夜(つきみ)と俺が続いた。


 高速飛翔から旋回して、速度を落とすにはちょうど良い思念波の集積力である。引力のようにこの塔が働くからである。しかも地上三千メートルはある。さすが大陸の産物であるスケールが違った。


 ここに居た種族は今はどうしているのか?


 東方明珠塔(とうほうめいしゅ)の元には黄龍が待機していた。


 黄龍と紅竜(紅のドラゴン)が初めてここで向かい合う。かつて太古の歴史から両者が接触したことは未だなかったはずだ。


「君が黄龍か。十六夜(いざよい)から聞いている。 まさか成都の黄龍古寺で山すそで見た龍ではなかろう」あれから1万年も経っていると思案しながら目の前の黄龍を観た。


「君が第二十一代令位守護者にして早神令時の紅竜だな。初めましてではないな。そうあの時、私は君を認識していたよ」黄龍は俺の思念波を読み取って答えた。


「そうだ、早神令時という。あの時の黄龍なのか……1万歳いや遥かにそれ以上だな。君に名はあるなら教えて欲しい」


「君も1万歳ちょっとだな。我の名は『麒麟暴風のキトラ』!」


「キトラか。良い名だな。よろしく頼む」黄龍から歓迎の思念波が俺の体を駆け抜けていった。


「キトラちゃん、ヨロシクネ。私はツキミだよ。レイジの御付きにて十六夜(いざよい)の妹ダヨ」キトラの頭を回りながら言った。


「ああ、君は十夜族なんだね。よろしく頼む。そこのでかいスカラベは異種だな」キトラはプラチナ甲虫スカラベを観察しながら言った。


「ギギ、我は敵ではない。そこのちっちゃい蜂妖精女王の十三夜(つきみ)に命を握られている。この戦いに無理やり……、いや昆虫界の覇権を取り戻す為に同行しているのだ」


「そうか、お前に名はあるのか?」


「そういえば、名を聞いたことなかったな」俺はこの父の黄金の甲虫スカラベを思い浮かべながら言った。


「我の名は『虚のレフアル』だ」


 通り名は読み取れなかった。昆虫の思念波は疑似思念波であり我々とは少し趣が違う。


 ”虚”というのは感覚でしか分からなかったが、レフアルは確かに認識できた。


 このプラチナ甲虫スカラベはレフアルという名なのだ。名を知ってしまうとなにかしら身近な存在になってしまう。


「レフアル、ヨロシク」十三夜(つきみ)は完全にこの甲虫スカラベを下に見ている。無理もない


命の手綱を握っているのだ。


「さあ、これから大陸の内部へと移動することになる。やつらの統率者を抹殺へと」



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