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第65話:再会、九条サクラ

宇治集落の城門に辿り着く。この城門の先は鳳凰堂へと繋がる石畳である。


城門には九条リンとハズキが待っていた。3年経ってリンは大人になり、ハズキは少年になっていた。


「お待ちしておりました。早神令時様」リンの青水晶色の目が潤んでさらに綺麗な天青色に輝いていた。


「お待ちしておりました。師匠!」たくましい少年になっていたハズキがそこに居た。


「二人とも、元気そうでなりより。剣の腕前は上がったかな? ハズキ」


「はい、流星剣は我が物としてこなせるようになりました!姉に遅れはとりません」


「ハズキはまだまだですわ。令時様」


「そんなことはない! この前も魔物を流星剣で退けたし」


「まあ、私の助けあってのこそだけどね」


いつもの二人の掛け合いだった。姉のリンが一子相伝の『神妖刀火の鳥』を継いでるのだ、弟のハズキはサポート役であるが、今や神妖刀火の鳥に匹敵する『神流星刀流星剣』を使いこなせるようになったらしい。


この二人が居ればこの宇治集落は安泰かと思われたが、北の黒い飛蝗の群体と南からのプラチナ甲虫スカラベの同時強襲は退所できまい。まして十六夜(いざよい)十五夜(かぐや)も大陸に渡ってしまっている。


十六夜(いざよい)十五夜(かぐや)はいつ戻るか聞いているか?」


リンが石版を取り出した。壁紙は紅のドラゴンである。そう遺跡から発掘されて貴重ばタブレットである。


 これで通信しているのだ。通信は電波ではなくて思念波のネットワークである。


 リンがMAPアイコンをタップして言った。「十六夜(いざよい)様、 十五夜(かぐや)様は今この辺りです」


 部族登録されている仲間がMAP上に展開されていた。


 二つの光点は、東シナ海の海上を高速移動しているようで、もうすぐ九州に到達しようとしていた。


 陸上ならわかるが、どうやって海上を高速移動しているのかはわからない。


 俺自身、十三夜(つきみ)も、現在位置に表示されていた。


「そちらのお嬢様も十夜族ゆかりの方でおられますか?」リンが言った


「こちらは、……」と言いかけたところ葵に遮られる。


「唐條葵と申します。早神統括のアシスタントをしております」


「葵様、アシスタントとはどのようなものなのですか」リンは葵を覗き込むようにして言った。


「全ての補佐ですわ」


「それならば凄い技をお持ちなのですね。いづれ教えて欲しいですわ」


「まあ、そのあたりで。葵は十夜族の始祖千夜一夜、アルフ・ライラに憑依されたことがある」


「なんと!」


 リンはすかさず、部族登録した。石版MAP上の光点は一つ増えたようだ。


 その光点の色は紫になっていた。光点の色にも意味があるのだろうがここは聞かないことにしておこう。


 石畳の向こうから、一人の女性がこちらに向かって歩いてきていた。


 九条サクラであることが遠目でもすぐわかる。それほど美しく立派な金色の九尾なのである。


「母上が来られたみたい。鳳凰堂で待ちきれなかったのかな」ハズキが振り返って迎えに行った。


「お久しゅうございます。早神令時殿。そちらのお嬢様は始祖千夜一夜に関わりあるお方ですね」


「唐條葵と申します。早神統括のアシスタントをしております」


「九条サクラです。リン、ハズキの母でございます。三年前に早神令時殿にこの地域を救済して頂き、またこの苦難の時に来訪され心強いです」


「ワタシもイルヨ」


「ああ、蜂妖精女王の十三夜(つきみ)様までおられるとは」


「また、ヨロシクネ」


「俺の現世からプラチナ甲虫スカラベを連れてきてしまった。それと北の方に黒い群体がいるが」


「はい、北の方の黒い群体の飛蝗は厄介で数が多すぎて撃退できないでいるのです。大陸から渡って来たらしいのですが、その調査と根絶に十六夜(いざよい)様、 十五夜(かぐや)様が大陸に行かれました」


「詳細は後で聞くことにして、まずはその北の方の黒い群体の飛蝗を一掃しましょう。リン、ハズキついてきなさい」



 早神令時は紅のドラゴンになり、空へと一気に飛翔した。もちろんその横には蜂妖精女王の十三夜(つきみ)が並走飛翔している。

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