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第62話:地下迷宮へ再び その5 攻防と時空位相

 プラチナ甲虫スカラベが放った衝撃波で、床下に隠していた小型ハンディー強磁場発生器と翡翠ナノ粒子アンプル入りのボックスが露わになっていた。


 俺が葵に駆け寄って保護している間に、十三夜(つきみ)が小型ハンディー強磁場発生器の電源スイッチをオンにした。


 一瞬、部屋全体に薄紅色の爆発の閃光が走り、ミスト状態の翡翠ナノ粒子群が強磁場の磁力線に沿って幾重もの大きな弧の線が描かれた。


「キキッ! 騙したな!」スカラベは衝撃波を小型ハンディー強磁場発生器に放ちながら言った。


 衝撃波は十三夜(つきみ)が投げ出したボックスによって僅か進行方向がずれて小型ハンディー強磁場発生器への直撃を免れていた。


 ボックスは破壊され中の翡翠ナノ粒子アンプルから漏れ出た翡翠ナノ粒子がさらに部屋中に充満していった。


「信士、いまだ撃て」おれは最後の翡翠ナノ粒子アンプルの魔弾をダブルショットガンを放った。

ほぼ同時に信士のリボルバーから最後の魔弾が撃ち放たれた。この部屋での思念波のエネルギー変換は最高に達していた。かつて未来世で普通に思念波を利用できるレベルまでに達していた。


 可視化された強磁場の磁力線を捻じ曲げながら二筋の魔弾がスカラベに向かっていく。


 二つの魔弾は、スカラベの腹に着弾し爆裂した。




「統括マネージャ! 大丈夫ですか」爆裂音は二回した……


 早神令時、唐條葵、十三夜(つきみ)が居た場所は薄紅色のもやで三人を視認できず、思わず信士が後方より叫んだのであった。


 しかも、敵のスカラベさえも視認できない。


「どうゆことだ! 消えてしまっている。まさか時空位相が発生してしまったのか?

AIアルフ・ライラ、状況はどうなっている?」


「マスターの存在は確認できません。葵も十三夜(つきみ)も確認できません。消滅しました」


「そんな…… 死んでしまったのか…… でもスカラベもいない」


「マスターから消滅寸前に”フィボナッチ数列の第XXの未来へと”とメッセージが入電してました」


「入電? 第何番目の未来世なのかわかるか?」


「どういうわけか、アナログ音声のラジオ波です」


「聞かせてくれ」


”フィボナッチ数列の第2X”、二十までは聞き取れたが一桁目がノイズにかき消されていた。


「AIアルフ・ライラ、ノイズを除去してマスターの過去の音声から一桁目を割り出してくれ。第21ならまだ望みがあるのだが」


「1か2か8です」


「ノイズを除去した音声をもう一度きかせてくれ」


”フィボナッチ数列の第21”


「第21だ!」


「さすが、ホモ・サピエンス、信士ですね。私だとこの3つは同じに認識されます」


「まだまだだな、AIアルフ・ライラ」


 第21ならフィボナッチ数列二十一番目の一万九四六年、そう十六夜(いざよい)が存在する場所だ!


 行けたのだろうか?


 その時代なら早神令時は無敵のはず。


 地下7階サーバ室はスプリンクラーが発動し、翡翠ナノ粒子は水に吸収され排水されていた。


 小型ハンディー強磁場発生器はバッテリーを使い果たしただの金属の塊になっていた。


 ようやく、地下7階サーバ室に入室許可された保守員がドアを開けたところであった。




「AIアルフ・ライラ、フィボナッチ数列の第21の未来へと行けるようだ。葵、十三夜(つきみ)も一緒だ、スカラベもそこに逃げこんだようだ」

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