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第61話:地下迷宮へ再び その4 駆け引き

 プラチナ甲虫スカラベが床下のフリーアクセスを押し破って、部屋の上部の隅に陣取っていた。


 床には、何枚もの重量のあるスチールパネルが散乱していた。追尾させていたドローンはその下敷きになってクラッシュしていた。


 葵がスカラベに向けて放ったであろう翡翠ナノ粒子アンプルは粉々になっていた。内容物の翡翠ナノ粒子はミスト状態になり、スカラベの黒い影と眼が赤く明滅していた。


「葵!こっちに来るんだ!」


 葵は倒れ込んでいた。50口径の対物ライフルから発射した思念波を増幅する翡翠ナノ粒子アンプルの反動が多大だったようである。蜂妖精女王の十三夜(つきみ)は葵のフードを引っ張っているが、

いかんせん体長20cmの今の彼女ではどうにもならない。


「……」二人ともこちら見つめていた。


「キキッ、ひどいなぁ、その女、何の挨拶もなくいきなり、あの魔弾を撃つなんて」スカラベが思念波で話しかけてきた。


「信士、待て撃つな」


「はい」信士はすでに狙いを付けていた。ただ彼の翡翠ナノ粒子アンプル魔弾は残りは俺と同じく1発のみである。単発では前回は倒せなかった。おれのダブルショットガンを同時の攻撃でないと倒せない。


「キキッ、また会ったな第二十一代令位守護者の早神令時。俺の方が少し早かった」


「まだ、未来の贈り物は健在のようだ。俺も間に合ったというところか。引き下がれスカラベよ」


「何故? 立場的に引き下がるのはお前の方だと思うが」スカラベが葵の方に目をやった。目はあいかわらず赤く明滅している。


 緊急事態発生を知らせる赤色LED灯の明滅がそうさせていた。


 電源ラインが切断されたらしくこの部屋は予備電源で動いているようだ。そのうち保守員が駆け付けるだろうが、たとえ緊急事態でも入室には時間がかかるはずだ。


 蜂妖精女王の十三夜(つきみ)は葵を守ろうとスカラベに睨み返している。


 昆虫の疑似思念波の思考を理解できるのは、この世界では十三夜(つきみ)と俺の二人だけである。


 あいかわらず、十三夜(つきみ)はスカラベにガンを飛ばしている。というか攻撃の思念波を飛ばしている。


 十三夜(つきみ)がいた未来世ではその攻撃の思念波でほぼ昆虫族は制圧できたが、甲虫系の者はだめであった。外骨格の鎧が思念波を攪乱するようなのである。


「キキッ、引いてもらおうか。未来の贈り物の機器さえ破壊できれば、今回も見逃してやるよ。隠し場所を教えよ!」スカラベは硬質の翅を振動させて葵の周囲に衝撃波を撃って威嚇しながら言った。


 俺は、考えていた。今回を逃したらもう後はない。魔弾二発だけではやつは倒せない。さらに威力を上げなければ、それにはここにある未来の贈り物の機器である小型ハンディー強磁場発生器を稼働させるしかない。


「わかった。葵は解放していただきたい」


「キキッ、それとそのちびの蜂を黙らせろ。さっきからウザくてしょうがない」


十三夜(つきみ)……」十三夜(つきみ)に俺はやつには理解できない思念波で合図を送った。


「ワカッタ……」


「これでいいか」


「そうだな、隠し場所は? まあ分からなくても良いがな」


「場所は、葵に聞かなければ俺にはわからん。設置は葵が行ったからな」


「キキッ、場所を聞き出せ。連れていけ。その他のことは何もするな。変な真似をすればこの部屋全体を破壊だ」


 信士を護衛にし、葵と十三夜(つきみ)を保護した。隠し場所は報告を受けていたので知っていたが、改めて葵に聞いた。


「設置した場所は、スチールパネルが散乱している真下の床下空間だ」


「キキッ、嘘ではないようだな」スカラベは、めくれ上がったスチールパネルに衝撃波を撃ちながら言った。


 散乱したスチールパネルは衝撃波で湾曲し押し払われ床下の機器がむき出しになっていた。


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