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第51話:リージョン2への潜入 その4 魔弾とプラチナ調甲虫スカラベ

 まず、魔弾の代わりになる4本の翡翠ナノ粒子アンプルの回収することにした。


 相手が黄金甲虫スカラベを継ぐものであれば、魔弾1個づつでは到底葬り去ることはできない。


 未来世では信士の6連装リボルバー、俺のダブルバレルショットガンで撃ち落としたが、それでもまだ絶命しなかったぐらいタフだった。


十三夜(つきみ)、左奥のアンプル1本を回収して俺に」


「ワカッタ」十三夜(つきみ)は、後ろの蛍を見やりながら言った。


 十三夜(つきみ)の後方に、3匹の蛍が周回している。蛍というか実体は蛍胞子である。


 未来世で幾億と居た蛍胞子であるがこの3匹だけ十三夜(つきみ)についてきたのである。


「信士、我々は最奥のアンプル3本を回収する。全てお前が使え」


「アプローチ!」


 200m先の最奥の目標地点に走り出す、右上壁からパラパラと水晶の欠片が落下し、側壁の裂け目が広がっていく。


 円柱空洞の中央に差し掛かったところ、割れたアンプルから放出された翡翠ナノ粒子が更にキラキラと宙に舞った。


 裂け目から水晶の欠片を伴いながら衝撃波がくるのが見えた。


「信士、先に行ってアンプルを確保しろ! 全て装填しておけ」


 所持していたダブルショットガンの1発しか装填していない、翡翠ナノ粒子アンプルを衝撃波の方向に撃った。


 翡翠ナノ粒子アンプルは魔弾と同じ効果があった。魔弾は青白い光の軌跡を引きながら膨張し衝撃波を相殺して側壁の裂け目に着弾した。


「レイジ、これ」すでに十三夜(つきみ)は最奥に辿りついていた。


 アンプルを受け取り、再充填した。あいかわらず最後の1発である。


 側壁の裂け目は完全に崩壊し、体長10mあろうか、黄金甲虫スカラベが姿を現していた。


 硬い上翅の一部は、欠けていた。黄金ではなくてプラチナ色をしている。


「久しぶりだな、いや初めましてかな。第二十一代令位守護者の早神令時」


「異形の思念波では詳細な意思疎通できなかったはず。これほど明確に理解できるとは」


「この、翡翠ナノ粒子のミストの中では思念波が十分伝わる。ほれ、この機械もこのとおりさ」


 破壊された小型ハンディー強磁場発生器が目の前に投げ出された。


「目的はなんだ」俺はプラチナ調の甲虫スカラベに思念波をぶつけた。


「それよりも、貴様の目的はどうなんだ」プラチナ調甲虫スカラベが笑ったように見えた。


 プラチナ調の上翅には、水晶から屈折された青い光が美し反射していた。


 思念波は便利なもので、補助情報を圧縮して一気に相手に送り込めるし、受け取ることもできる。



 プラチナ調甲虫スカラベは親の仇を討つことであり、未来世で人類、十夜族を撲滅させ昆虫族を安定的に発展させるには、時空の連環を絶った俺が邪魔なのである。


 俺としては、未来世から逃走した目の前のスカラベを倒し、最終的に十六夜(いざよい)を今世に救い出さすことである。


 ひとつ、気になることがある、遺伝情報が一部ゼノ核酸で置き換わっており、人族の一部、十夜族、昆虫族ともなぜか共通項となっている。しかもゼノ核酸は自然には発生しない人為的なものに起源がある。



「レイジ、あぶない」


 プラチナ調甲虫スカラベからの二撃目の衝撃波であった。衝撃波は上翅を擦り合わせて発生させている。親の黄金甲虫スカラベの仕草と同じである。ただ、片側の上翅が欠けているため、やっかいなことに威力は弱まるが、衝撃波が輻輳して最大場の軌道が読めないことであった。


 信士がとっさに、魔弾をプラチナ調甲虫スカラベに向けて撃った。射撃の腕前は信士の方が各段に上である。


 衝撃波の波は、翡翠ナノ粒子ミストで波紋のように広がりこちらに迫ってくるのがわかる。


 信士が放った魔弾も同様に青白い光の軌跡を引き、軌道上の波紋を霧散させた。この間は瞬きする一瞬のできごとである。


 魔弾はプラチナ調甲虫スカラベの頭部に着弾したが、スカラベを押し返しただけで相手はなんともないようだった。


「ふふ、効かないな。そのような代物では。先に残りの2箇所の設置場所を破壊させてもらうよ。相手にするのはその後だ」 スカラベは上翅を開き、円柱上部へ飛翔した。


 取り逃がした瞬間である。しかも相手は今の我々の力量を測ったのである。


 対策をとらなければならないことは明らかであった。無駄であったわけでもない、我々もデータを採ることができた。


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