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第4話:十三夜の探索 その1 (里山へ)

 今回、何かあった時の為に信士は会社に残して来た。GPSで我々を補足監視するためである。


 更に、未来世で獲得した最上級グレード翡翠を利用した時空無線機の試作品を持参した。


 この時空無線機は、二個とも今世にあるためまだ通話に成功していないのである。


 この最上級グレード翡翠には、今世ではありえない量の石英を含んでおり、石英の高濃度ケイ素を振動子にして周囲の各種金属原子を励起させると、電波と共に思念波を乗せて発信できているだろうということを見出していたが、受信ができないので実証出来ないでいた。


--


 葵は、ブラウスとデニムの週末スタイルでダークグリーンのレザーポシェットを下げていた。春先にはピッタリだな。


「はい、ヘルメット。いやヘルメットはやめておこう、その恰好に怪しすぎる」


 葵には、ポケットサイズの単眼望遠鏡と京大野帳の手帳を渡した。いかにも野鳥調査に来てます雰囲気だ。


「マスター、なに見つめて微笑んでいるんです?」


「いやぴったりじゃないか、教授と助手のペア調査ってことで。あ、それとこの『天青色のガラス玉』…、いや神宝の中心コアを葵のポシェットに入れておいてくれ」


「承知致しました。これでお膳立てはそろいましたね」


「そうだな、小学生の頃のあの時と同じだけど、今回は違う。時空無線機も持って来たし。信士の方で追跡できるだろう」


「信士、今から里山に分け入るから、GPSで追跡を頼む。それとAI機構アルフ・ライラの機能は時空無線機のリアルタイム解析にリソースを全部割り当てておいてくれ。クラウドサービスは緊急メンテナンス中ということでアナウンスを流してくれ」


「了解です」


「では、ここから入るぞ」


 春先とはいえ、草木は生い茂っていた。昔となんら変わらなかったが様子が違っていた。


 木々には、立ち入り禁止・KEEP OUTの黄色のテープがずっと先まで張り巡らされていた。


 途中、木が倒れて獣道を塞いでいる。まずはあの小さな祠をめざすことになるかな。


「マスター、立ち入り禁止ってテープがありますけど」


「大丈夫だ、木々の間を永遠と張ってあるけど、この獣道を塞ぐようには張ってない。通っても良いってことだよ」


「なんて、自己都合な解釈だこと」


カサ、ザザ


「あんた達、人の土地で何なされている?」


「この一帯開発されてしまって、後はここだけなので、生態調査で来ています」


「あ、先生でいらっしゃいまっすか。失礼しました。春先の筍を採っていく不届きものがいますので、こうやって立ち入り禁止テープを張ってるところなんですよ」


「ここの地主さんですか? 周りはもう大規模な公園になってますが、ここもいずれは無くなるのですか?」


「この土地は先祖からずっと受け継いでおります。ここは誰にも渡さないでいるつもりで一人がんばっております」


「そうですよね。ここは昔からこの地域では鎮守の杜でしたからね。この先に調べものがありますので通ってもよろしいでしょうか? 本当は事前にご連絡すべきところなんですが」


「ええ、構いませんよ。生態調査なら結果も世間に発表して下さい。ここを守りたいので」


「わかりました」


「あ、それとひとつご忠告なんですが、この先の竹林のところで変な低い音がしており眩暈がしますので気を付けて下さい」


「多分それは低周波ですね。重機の振動音かもしれませんね。いつ頃から聞こえています?」


「工事が休みの日でも聞こえるので重機の音ではないです。三年前ぐらいからずっと聞こえています」


三年前か。未来世から帰還した頃だ。都会だと重低音の低周波は思わぬところからやってきて、体調も崩すがここは里山で重機の工事の休みでも聞えてくるということは、どこから発信されているのだろうか?


ピー。


「統括マネージャ! こちらの時空無線機が反応しています。GPS位置情報と時空無線機のリアルタイム解析位置のリンク情報をそちらの3Dグラスにオーバーライド表示します」


「了解。リンクしてくれ。なるほど、あの竹林のトンネルの出口付近だ」


俺の持ってる時空無線機もLEDメータがLEVEL1から2をふらついていた。


こんなことは、開発後はじめてのことだ。


「マスター、あの竹林の中は真っ暗で先が見えないんですけど」


「大丈夫、走って抜ければなんともないさ」


「あれ? 前にもこんなシーンあったよな?」


「葵、走り抜けるぞ!」


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