第44話:MRI検査結果とゼノ核酸反応
結果が出たようだ、研究室には九条慎太郎の他に九条美香まで来ていた。
九条慎太郎は結果に興味あるだろうが、鉱物結晶学の専門の美香は関係ないと思われたが、何故か同席していた。
まず、最初に俺の結果が報告された。
血液検査結果:A型RH+,GOT,GPT,腫瘍マーカ……
特に問題ない。健康診断じゃあるまいし。検査欄の一番下に聞きなれない検査項目があった。
ゼノ核酸検出、数値0.2 XNA。
MRI検査結果:視床下部にゼノ核酸反応あり。反応率0.45 XNA。
「ゼノ核酸が俺の体内にあるのか。でもMRI検査で、ゼノ核酸の存在部位なんて特定できないはずだ」
「最上級グレードの翡翠をナノ粒子にして、造影剤に入れて貰ったのよ。無害だから大丈夫よ。
最初に私自身で試したから。私の反応率は0.00 XNAだったわ。
翡翠ナノ粒子の化合物SrAl2が、MRIの磁気に励起されて、XNA部分に集積されるのよ」と美香がウインクして言った。
「実験台かよ。まあでも視床下部が磁気で励起された翡翠ナノ粒子で活性化されたようだな、おかげで意識だけは未来世の1万964年後に行けた。十六夜とも思念波でリンクできた」
十三夜に至っては更に驚愕のデータを示していた。
血液検査結果:ゼノ核酸検出、数値0.2 XNA。
MRI検査結果:視床下部にゼノ核酸反応あり。反応率50.32 XNA。
脊髄にゼノ核酸反応あり。反応率40.32 XNA
ゼノ核酸反応率が俺よりも100倍を示していた。これで十三夜は意識だけではなくて実体も転移できたのか。やはり十夜族はホモサピエンスとは別の生命系統樹から発生したようだ。
俺もゼノ核酸反応率が100倍になれば実体も転移できるのだと思うが、このままでは無理なようだ。
あの時みたいに巨大なエネルギーを纏わなければ、覚醒できないだろう。
第4世代の仮ボスの飛蝗の結果も判明した。
頭頂眼松果体にゼノ核酸反応あり。反応率 20.32 XNA。
こいつも、昆虫系の別の生命系統樹か。
十六夜が言った現世に逃げた甲虫スカラベの子孫は、ここで排除しておかないと別の時空の連環が発生することになる。
三年前同じく時空位相した設楽信士、唐條葵もMRI検査結果を後で受けた。
設楽信士:視床下部にゼノ核酸反応あり。反応率0.25 XNA。
唐條葵:視床下部にゼノ核酸反応あり。反応率10.25 XNA。
唐條葵は、未来世で千夜一夜が憑依したが理由があったようだ。
反応率が十三夜までないが、それでも俺の20倍はある。
十三夜は、実体を伴う時空転移の往復で体調がよくない、過負荷がかかったようだ、むやみには何度もMRI装置による強制時空転移は使えない。
俺は、意識のみ時空転移なのか体調は良い。むしろ若返ったような感覚すらある。
ここで、一度今後の方針を立て直さないといけないようだ。
十六夜を現世に救出するには、MRI装置と翡翠ナノ粒子、それに動力源を1万964年後に送り届ける必要がある。そして装置を稼働させるのだ。
でも、どうやって。
例の地下七階のコンクリートで補強された強固なサーバ室は、1万964年後も地下迷宮となってはいるが存在する。その地下七階の倉庫に保管を依頼するか。
もしくは、水度集落跡地の地下だ!
どちらが、保管環境が良いか……
そもそも装置自体は1万年も劣化せず持つだろうか?





