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第3話:蜂妖精女王、十三夜の行方


「これがあの、時空の神宝の中心コアですか。初めてみます」


「そうだな、葵は時空の神宝の欠片は見たことがなかったな。あの未来世の時は完全体の時空の神宝だったからな」


「はい、あの時は反時空の神宝と反応して神宝は対消滅したはずです」


「あれは未来のことだし、まあ完全体ではないが中心コアはこの時代に存在するということだ」


「そうですね。ところでこの鉢に入っている品はなんでしょう」


「今から、調べるところだ。信士を呼んでくれるか」


 インドネシア製の年代物の木製の鉢の中に、紫のシルクにくるまれた中心コアが入っていたが、


その他に気になる和紙に書かれた記録書が勲章箱の二重底の下から出てきた。


 和紙には、どこかの地図と記号がしるしてあった。


「この印は十夜族の十三夜(つきみ)の額にあった文様と同じだ。信士どう思う?」


「この文様はありえないですよ。日本にこんな文様はないはず」


「これで、この地図は十三夜と関連していることは明白だな。でもどうして、じいさんが、こんなものを持ってたのか?」


 じいさんは、海軍で船の整備兵だった。東南アジアの各地の軍港の話とか現地の様子とかよく聞かされたが、この地図の話なんて一度も聞いたことがない。


「葵、この地図もAI分析でどこの場所か特定してくれ。紫のシルクの布の表面画像のAI解析は出たか?」


「マスター、それなんですが、まだ出ないんですよ。もう48時間連続でクラウド上で並列AI解析してるのに、もうポンコツなんだから!」


「おいおい、そういうなよ。当社の一押しの稼ぎ頭のクラウドサービスなんだから。


 昔はな、プログラムのコンパイルに数時間かかり、1日にコンパイルする回数も気にしなければいけないという時代もあったんだから、今の有様なんて想像もできなかったよ」


「でた、マスターの昔々のお話!」


ピコン!


「あ、ちょうどナイスなタイミングでLINEに解析結果通知が届きましたわ」


「結果を回してくれ」


 通常、AI解析結果はなぜその結論に達したかを人間が理解するには複雑すぎてわからない。


 俺の作ったAI解析は途中の分岐判断に使用したパラメータ、出力画像を残すようにしている。


 後で違った分岐を選択するためである。こういうところはまだまだ自動化できないでいた。


「48時間連続で回してこの結果か。ポンコツだな!」


「製作者のマスターが、それを言ってはいけませんわ」


「この画像結果からして第五ノードの分岐で迷っているようですね」


「さすが、信士! 第五ノードのパラメータを調整して、さらに文様の画像も同時にほり込んで再度、並列AI解析を行ってくれ」


「あら、マスター自信、もう答えが分かってるのでしょ。教えて下さいよ」


「いや、確信が得られないので。結果が出るのを待つとする」


ピコン!ピコン!


「はや、5分としない内に結果が来ました。地図の解析も終わったようです。さすがアルフ・ライラ」


 俺は、製作、構築したAI機構をアルフ・ライラ(千夜一夜)と命名していた。


 思ったとおりだった。ネット上にはない文様の画像をキーに与えたらすぐに迷わず解析できたようだ、


「さっきはポンコツって言ってけどまあいいや。で結果だけど」


「この絵は妖精の十三夜ちゃんだわ!」


 一瞬、室内に何かが流れたような気がした。地図の解析結果は実家の里山の奥を示していた。


「これだけの材料がそろえば、もう行き先は実家の里山の最深部だな。急がないと」


「どうして急がないとだめなんでか?」


「あそこ一帯は開発途中で公園になっているんだよ、残すところは里山の最深部だけなんだ。いまでも工事しておりいつなくなるかわからない」


「明日にでも、皆で探索にいくぞ。怪しまれないように工事スタイルで行くからな」


「でた、マスターの精神実体魔法スキル!」


「あはは、このスキルだけは今世でも有効だな」


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