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第38話:北京で足止め、思念波と気脈

第4世代の仮ボスの飛蝗の所有権は認められたが、我々は日本への帰国はすぐには許されなかった。


中国科学院の細胞学研究室に招待されたのであった。


李神美(リ・シェンメイ)は今、その研究室で細胞学と気功学を研究していると自己紹介を受けた。


今回の第3世代のボス黒紫の飛蝗の気脈について相互に知見を得たいとのことだ。


「では、九条殿たちは研究室に行くとして、我々は用はないのでここで引き上げるということで」


「いえ、来て頂きたいのは早神令時先生の方、あなたです」とチャーミングな目をしている李神美(リ・シェンメイ)が微笑みながら言った。


「ということで、早神殿、我々が先に日本に帰国することになるかな」



結局、北京に残るのは十三夜(つきみ)はどうしても一緒にいるということで、俺と二人で研究室に向かうことになった。


唐條葵に「第4世代の仮ボスの飛蝗」を託し九条たちと一緒に先に帰国することになった。


「葵、日本入国時の植物防疫法対処は、九条殿の指示に従うこと」


「早神殿、その辺りはまかせてくれ。李神美(リ・シェンメイ)は気功学も研究しており疑似思念波の解明に何かヒントを得られるかもしれない」


「ああ、それでは」


空港空港到着ロビーの出口前には、白塗りのリムジンが止まっていた。


「まさか、あれに乗るのではないだろうな? 新婚旅行じゃあるまいし」


「レイジ、あの車はキャラバンに比べて背が低いし、胴体が長いな。機能性がよくない」


「そうだな、機能性だけを考えると無意味だな。でも中は豪華なはずだ」


「ソウナノカ、早く乗ってみたい」


十三夜(つきみ)は、未来世でも今世でも乗り物は大好きであった。


特に、未来世で十五夜(かぐや)が引いていた、平安朝風の牛車に乗るのにお気に入りだった。


牛車といえども、牛ドラゴンの十五夜(かぐや)が引くのである、疾風の如く早い。


「では、早神先生、あのリムジンにお乗り下さい。十三夜(つきみ)さんもご一緒に」


「なんか、恥ずかしいな。北京ではあんまり見かけないと思いますが」


「あら、北京は初めてでいらっしゃるのでは?」


「そうでした。初めてです。勝手な思い込みですね」


十三夜(つきみ)が一足先に、リムジンの後部ドアから乗り込んだ。


俺は、その後に続く。牛車に乗るとき時と同じだ、車内の優雅さも似たような雰囲気を感じる。


いまごろ、十五夜(かぐや)もどうしているだろうか。姉の十六夜(いざよい)と未来世で元気にしているだろうか?



李神美(リ・シェンメイ)は思念波を気脈のようなものと考えているらしい。


もし、気脈が存在しているなら地球上に溢れているはずで、我々の開発した原始思念波では、あらゆる方向から受信でいるはずだが、実際はそうではない。


「レイジ、また何か考え事をシテイルノカ。いいアイデアは思いついたか?」


十三夜(つきみ)の言葉でふいに我に戻った。


軍用空港の北京西郊空港から南に下ったところに、中国科学院大学がある。


機密事項が多い大学研究所だ見学だけでも容易ではないはずなのに、招聘された。


何が目的なのだろうか?


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