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山岳部所属高校生呪術師、本日やたらとキャラの濃いクラスメイト達と異世界に召喚されましたwww

作者: 月猫ネムリ

頭を空っぽにしてお読みください

 「よくぞ我らが呼び声に応えてくれましたな勇者さま!どうか我々を魔王の手から救いたまえ!!」


 異世界召喚一日目は、そんなテンプレな台詞を吐く王様の大声で始まった。



 ◆◆◆



 ———異世界一日目。日記でもつけようかと思ったが、そもそも筆記用具を持っていなかった。

 一応お城の中なのだから筆記用具も借りれたかもしれないが、今後の事を考えるとあまり借りを作るような真似は避けるべきだろう。

 取り敢えず王様のテンプレ発言の後は紆余曲折あったが、鈴本先生と一倉颯太をはじめとするイケメン五人組(現役アイドルたち)の尽力で、取り敢えず俺たち2年8組には一週間の時間が与えられる事になった。

 その期間でこの世界の事を良く知りたいという論理だが、実情は王様の説明の裏付けや元の世界に帰る手段、もしくはその手掛かりを探す為だ。勿論この短い時間で見つけられる筈も無いが、その時は王様に従い魔王討伐に参加すればいい。

 普通の高校生には無理難題以外の何物でもないが、このクラスメートたちならまず問題ないだろう。

 そんな俺の予想は、一週間後裏切られる事になる。それもとんでもなくぶっ飛んだ方向で。



 ◆◆◆



「え~~。それでその……勇者さま?我らの願いに応えてくださる決心は固まったのですか?」


 腰が引けた様子で訪ねてくるカマキリ似の宰相に、なぜかクラス全員の代表みたいになっている一倉が肯定を示す。

 それに安堵して胸をなでおろした宰相は、本当なら俺たちがこっち(異世界)に来た時点でやる筈だったという、『クラス鑑定』の用意を始めた。

 これはクラスメイトから聞いた話なのだが、この世界の人々には全員に『騎士』や『料理人』、『王様』のように、その人の得意分野や職業を示す『クラス』が生まれると同時に与えられるらしい。

 ではこの世界から見て異世界出身の俺たちに『クラス』があるのか?と疑問に思うが、宰相曰く召喚の際にこの世界に適応させる『魔術』が俺たちを召喚した神様によって与えられるので問題ないらしい。

 で、その肝心の『クラス鑑定』だが……


「なんと、『大賢者(アークワイズマン)』とは!異世界から喚ばれた勇者さまは皆伝説級の『クラス』を保有していたそうだが………干崎様にはこれ程大きな才能が眠っていたのですな!!」


「ぼ、ボクに…そんな、才能、が………?」


「えぇ、干崎様の御力なら、あの忌まわしい魔王たちもひとたまりもありますまい!」


 トップバッターをきった干崎純一は、その如何にも陰キャらしいニキビ面に喜色を浮かべ、ニチャアと笑っていた。

 校内でも指折りの嫌われ者だからなアイツ。何なら学校一の厄介者とすら言われているヤツが異世界に行ったら超レベルのチートをもらえて偉い人に本気で褒められているんだ。そりゃあ嬉しくもなるだろう。

 そのままドヤァ、とした顔で俺たちを振り返る干崎だが、残念ながらそんな衝撃(チート)に打ち負ける様な柔いキャラは、このクラスにはいなかった。


「あの、一倉様?二条様?三原様?四季様?五島様?この『幻獣戦士(赤)』とか『幻獣戦士(黄色)』とはなんなのですか?心当たりは……あの、何故に皆さま拳を打ち付け合っているのですか?皆さま?皆さま??」


 額に汗をかいて未知のクラスについて訊きだそうと焦るイケメン五人組担当の騎士とそれを無視して只管ハイタッチを繰り返す一倉達。


「—————鈴倉様。『超越巨人』って何なのですか?人間ですよね?別に人並外れて巨体と言う訳でもありませんよね?」


 身長180センチちょっとの教師を見上げ困惑する騎士にダンディな笑みを返すパイレーツでカリビアンな服の教師。


「ん」


「いや「ん」ではなく彩芽さま……。あの扶桑さまからも説得していただけませんか?イヤ寧ろ説明していただけませんかこの『魔法少女』というクラスについて!?」


「あぅあぅあぅ」


「———鈴里……言ったらシバく」


「あぅあぅあぅあぅあぅ」


「扶桑さま!」


「鈴里?」


 比較的若いイケメンの騎士と無表情で威圧する親友の板挟みになり混乱の極みにある図書委員。

 ———というか彩芽は助けてやれよ、親友なんだろお前ら?


「あの、凸壱さま?クラスが出ないのは」


「由利亜は僕のパートナーだからね、君みたいな下心しかない存在に自分を明かす事などないのさ」


「! 流さま………」


「由利亜………」


「あの戸来さま?凸壱さま?今はクラス鑑定の最中なのですが———」


「黙れ原子レベルまで分解するぞ歩く肉袋如きが由利亜との時間を邪魔するな」


 職務を全うしようとする騎士をそもそも無視していちゃつくバカップル。

 うん、干崎なんか目じゃないな。

 ……うん?俺の場合はどうだったかって?

 この世界にもよくあるクラス(呪術師)だったから何事も無く終わったよ?

 取り敢えず俺を鼻で笑ってくれたあの騎士は『三日間腹痛が止まらなくなる』呪術を掛けてやろう。



 ◆◆◆


 ともあれ、クラス鑑定が終わった俺たちは、続けてこの国の国教から、それぞれにピッタリな装備品を下賜された。

 干崎には金糸で刺繍が入れられている如何にも高価そうなローブと色とりどりの宝石が埋め込まれた杖が。

 一倉達には耐久性と手入れのしやすさを重視した革鎧と揃いの鉄靴に剣と円盾が。

 鈴倉先生には伸縮自在の絶対に破れない服が。

 扶桑と彩芽の凸凹コンビには魔力をストックする腕輪や指輪が。

 戸来は凸壱の希望もあって最先端の工具一式を。

 その他のクラスメートたちも変化する武器やバイクに似たナニカなど個性豊かな装備品を与えられていく中、俺に与えられた装備は———


「レスラーパンツに目出し帽……それに木鎚………?」


 呪術師に与える装備じゃないな、という事だけはよく分かった。

 気のせいか俺に装備を渡してきた神殿の騎士様のお顔が引き攣っていたのだが、もしかして国教の本拠地(城の後ろの山)に登った時に顔を見られたのだろうか?

 それとも俺の身体のせい?

 いくらゴツイからって『クラス』を無視して渡すなよとか思いながら、こうして俺たちの魔王討伐の旅の準備が整ったのだった。



 ◆◆◆



 旅は順調に進んだ。

 それはもう、案内人(という名の監視役)の騎士達の口が終始開きっぱなしになる程に順調だった。

 まぁもしかしたらクラスメイト達の戦い方が想像の斜め上すぎたのが原因だったのかもしれないが。

 一例を紹介すると、例えば『幻獣戦士』というクラスになっていた一倉達の場合。


「いくぞ、みんな!!」


「「「「おう!」」」」


「?あの、一倉さま?二条さま?三原さま?四季さま?五島さま?一体何をなさろうと—―——」


「「「「「幻奏転身!」」」」」


 その瞬間の案内人たちの顔は、例えようもない面白い事になっていた。

 まぁ無理もないとは思う。

 誰だって、土煙を上げて迫る怪物の群れに年端もいかない(この世界の住人はどうやら俺たちより全体的に発育が良いらしい。かくいう俺も結構ガタイはいい方と自覚しているがそれでもこの世界では三つ年下の子供と大体同じ身長だ)子供がたった五人で立ち向かい、あまつさえなにやら香ばしいポーズをとっていたら取り敢えず止めようとするだろう普通。

 しかもだ。

 心配した相手がいきなりファンタジックな効果音と色彩に包まれてなんか色とデザインに少々違いがあるだけのコスプレを身に付けて、技名を叫びながらキックやパンチやどこからか取り出した特徴的な武器で迫る怪物を恐ろしいスピードで殲滅していったんだから昏倒しても無理はない。

 ん?俺たちが驚いてないのは何故かって?

 そりゃあ他のクラスメートたちも大なり小なり秘密を抱えているからだろうなそりゃ。

 もし驚く要素があるとすれば、それは国民的アイドルグループが戦隊ヒーローやっている事ぐらいだろう。

 俺だって学業の傍ら呪術師やっているし。今も怪物の群れに向けて当てずっぽうで小指をなにかにぶつけちゃう呪術かけて援護してるし。

 ついでに『大賢者』な干崎は初めて見るモンスターの迫力に腰抜かしてた。


 またある時はこういう事もあった。

 どこかの村で魔王軍が植え付けていったとかいうでっかい樹木みたいなモンスター(後で聞いたらユグドラシルとかいうらしい)を伐採する為に、


「ふぇえええ。あ、あんなおっきいの、私達だけじゃムリなんじゃ………」


「ん、諦めろ鈴里。……むるるん、準備」


「おう任せろ!なんだかファンタジックでビビッドかつサイケデリックな魔法少女にしてやんよぉ!」


 涙目図書委員(扶桑 鈴里)無表情合法ロリ(彩芽 由衣)が魔法少女に変身して合体ビームで焼き切ったのだ。

 いやロリ体系な彩芽はともかく色々と成長しちゃっている扶桑がその服は少々キツくないかとか物理法則に逆らってでも絶対にパンツを見せないスカートの鉄壁具合はどうなっているんだとか驚くところ(ツッコミどころ)は色々あったが、何より驚いたのは


「こんのぉ!いい加減爆ぜ死ねぇ!!」


「鈴里……まだその癖、治ってないんだ…………」


 普段は涙目でオロオロしているばかりの扶桑さんが、スケ番もかくやといった迫力でビームを乱射してたところだろうか?

 かくいう俺も、爺ちゃんが私怨で開発した、『視界内に存在する盆栽の枝を一本だけ落とす』呪術で援護しながらあまりの変わりように呆気に取られていた。

 ついでに『大賢者』干崎はビッタンビッタンと枝を振り下ろしてのたうち回るユグドラシルにビビッて漏らしていた。武士の情けで口をつぐんでいたが、匂いからしてデッカイ方も出しちゃっていたようだ。



◆◆◆



 その後も魔王四天王とか名乗って巨人が降ってきたりガッチガチに防御を固めた鎧の軍隊が湧いてきたりミサイルみたいな太さの矢を連射してくる天使が飛んできたり学校の校舎くらい大きな顎のワニが街ごと呑み込もうとしてきたり、とにかく色々な怪物が襲ってきたが、その度に巨人になった鈴倉先生が殴り合いで沈めたり凸壱が両腕から極太のレーザー乱射して敵全員の核を全く同時に撃ち抜いたり扶桑と彩芽が反射防壁(?)で全ての攻撃を反射したり一倉達が召喚した巨大ロボが振動音波で全身粉微塵にしたりと、頼りになるクラスメートたちが撃破していってくれた。

ついでに俺も『足の裏に小さなトゲが刺さる』呪術や『金物がギシギシ軋む』呪術に『股間がスース―している様に感じる』呪術、『虫歯がいきなり痛くなる』呪術で仲間たちを援護した。

内容がしょぼいって?

爺ちゃんから教わった呪術がこんなものしかないんだから仕方ないだろう。

そもそも怪物以外を相手にするなら俺が一番働いているんだし役割分担と割り切ってくれ。

あと、『大賢者』な筈の干崎は呪文を噛んだり歯がガチガチ言い過ぎてまともに詠唱できていなかった。



◆◆◆



 大体半年かけて、俺たちは魔王討伐目標である魔王の居場所に辿り着いた。

イヤ本当に幸運だったと思う。

RPGとかだと魔王は城で堂々と待っているのが鉄板だが、今回俺たちが倒せと言われている魔王は慎重な性格の様で、常に居場所を変えながら少数の精鋭だけを連れて世界中を巡っているのだ。

その情報を知らなかった俺たちは、旅を始めた当初は案内人の先導に任せて明確な目的地もないまま各地を放浪し続けていた。

だが、一向に進展がない上に、どうも同じ様な場所を行ったり来たりしているだけと気付いた鷲谷が案内人を問い詰めた事で、俺たちは魔王の特性を知る事が出来たのだ。

しかし、知る事は出来ても対応策が無ければ現状を変える事は不可能と判断したクラスメートたちは、対策を練りながら今まで通りに各地の異常を鎮めつつ、その傍らで魔王の目撃証言を集めたり、大きな災禍が起こった場所に急行して魔王の痕跡を探し求める事を決定したのだった。

最終的には凸壱の提案で『超絶技工士(ウルティメイトビルド)』である戸来が自作した監視衛星数基で惑星規模の監視網を築く事で、ようやく魔王の居場所を捕捉する事が出来た。


「今度こそ追い詰めたぞ、魔王!個人的に恨みはないが、俺たちの為に大人しく討伐されてくれ!」


我が身を盾に主君を守ろうとした精鋭たちの屍を前に放たれた、到底戦隊ヒーロー(正義の味方)とは思えない叫びが開戦の合図だった。

『魔』の王と名乗るだけあって、魔王の放つ魔法は種類も威力も効果も恐ろしく多彩だった。

その上、この世界では『魔王』のクラスのみが保有している能力、『殺傷性魔法完全無効』により、この世界では最も優れた兵器である魔法が通じない魔王は正しく無敵の存在だったのだ—―———!


———まぁ、うちのクラスには全然関係ない話だったんだがな!

まず『幻獣戦士』である一倉達の攻撃手段は基本的に殴る蹴ると物理特化、クラスに『魔法』が付いているのに魔力を凝縮しただけの光刃やレーザーが主武器な扶桑と彩芽も『完全無効』の対象外、戦闘用アンドロイドである凸壱も使用する武器は現代兵器やSF兵器のみとこれまた対象外。

『呪術師』である俺も呪術自体は「魔法」に分類されるようなのだが、殺傷性ではないからかさっきから『小指がどこかにぶつかる』呪術や『急に便意を催す』呪術に『動き過ぎて脇腹が突然痛くなる』呪術がバンバンかかりまくっている。

ただ一人、多彩な魔法と膨大な魔力量がウリの『大賢者』こと干崎は魔王に一撃も与えられていないが、コイツはもういつもこうなので放っておく。

そもそも呂律が回らないから練習の時ですら一度もまともに魔法を使えていないし、大変申し訳ないのだが巻き込まれないようにすっこんでいて欲しい、というのがクラス全員の本音だろう。

せめて動きを良くするバフや疲労を軽減する魔法でも飛ばしてくれればいいのに断るし。

 ビビッドカラーの閃光が視界を幻惑し、爆音が三半規管を激しく揺らし続ける激戦を繰り広げながら、俺たちは着々と魔王を追い詰め続けた。


『ゥおォオオオオオオオオッッ!!』


「シュぁアアアアッ!」


「「多重偏在(パラレルロード・)魔光大砲撃(ヘルストライク)!!」」


「ハァァァァァッ!ファイター、成層圏キィーーーーック!」


「「「「「ファイナルセッション、いっけぇ!ストライク・ロアー!!」」」」」



巨大な百足と蛇とタコと幽霊船を足し合わせてクトゥルフ要素を足したような名状し難い存在が、鈴倉先生のス〇シ〇ム光線と魔法少女(扶桑と彩芽)の合体砲撃、鷲谷の超高高度からのキリモミキック、幻獣戦士(一倉たち)の操る巨大ロボの必殺技の前に断末魔と共に消滅していく。

———いやぁ、テレビでは演出として楽しめていたけど、リアルにこんなデカイ敵が消滅していくのを見ると勝利の喜びより先に余りのえげつなさに恐怖を覚えるな。

そんな、見方によっては呑気とも思われそうな感想を吐露しながら、俺は、戸来たち後方支援クラスのクラスメートたちが避難する次元倉庫に顔を突っ込んだ。



◆◆◆



 「これで、終わったのか………?」


それぞれ変身を解いた一倉や扶桑、鈴倉先生たちと合流して少し後。

健闘を称え合い興奮も収まってきた辺りで、誰かがそうこぼした。

というか、干崎だった。

干崎以外のその場にいる全員の視線が集中する。

自分を凝視する何対もの視線の放つ圧に腰砕けになりながら、干崎は甲高い声で叫ぶ。


「な、なんだよその目はァ!だってそうだろ!?あの王様の言う通り魔王は倒した!でも、俺たちはまだ元の世界に帰れていない!ラノベだったらこのまま迫害コースからの一発逆転だけど、ここは現実なんだ!現実なんだよ!!なのに、なのに—―———」


目を見開き声を荒げ、呼吸も覚束ない様子の干崎に、俺たちは—―———




「いやあるぞ、帰る手段」


「出発する前に説明もされていたし、なんなら現物もみせてもらったの忘れたのか?」


「いや干崎はいなかったぞあの時。ほら、俺たちは仲間内で情報共有していて全員で見に行ったけど、ひざきはほら、その………」


「ん。私、覚えてる。干崎、あの時魔法使おうと練習してた」


「確かに自由参加とは言われていたけど、帰還できるかどうかの重大さを理解していたら普通は参加しないか?王様もわざわざ掲示板まで作って目立つ場所に掲示していたんだから、知らない筈は無いだろうに」


憐れみの目でフルボッコした。

そもそもの話。

友人と旅行に行くときだって、移動手段やスケジュールは予め決めるものなのだ。

況や異世界なら、尚更帰る手段は知っておかないとまずい。

ラノベにある様に、「魔王を倒したら帰れます」「魔王が帰還の魔法を知っています」なんて曖昧な情報では話にならない。

だから、クラス判定の後にクラス全員でこの世界から元の世界に帰還する為の明確な手段の開示を求めたのだ。

また、万が一その帰還手段が使えなくなった時の備えも全員で意見を出し合い三つほど用意している。

干崎が知らないのは、単純にその全てに参加していなかっただけの事。

誘おうにも、教室でもこの世界でも孤独(ボッチ)を決め込んで近寄るなオーラを醸し出していた干崎に積極的に関わろうとするほど余力のある者も居なかった。

結局、帰る時は一緒なのだから放っておいても問題ない、と結論は出ていたのだが。

どうやら、俺たちは判断を間違っていたようだ。


 周囲を見渡し、結果的に自分がハブられていた事に気付いた干崎の顔色は、羞恥の紅から憤怒の赤に変わっていた。


「…もういい、『死んじまえ—————』」


「『浣腸の呪術』」


ので、俺は念のために発動を待機していた祖父直伝の最強呪術を発動した。

干崎がどうなったかは———まぁ想像にお任せしよう。

ただ、また陰キャ度が上がるのではないかとも思うが、こっちの命を奪おうとしたんだからこの位の仕返しで済んで寧ろよかったと思ってほしい。


 ともあれ、こうして誰一人として欠ける事無く魔王を討伐する事に成功した俺たちは、無事に元の世界に帰る事が出来た。

副産物として、クラス全員がお互いの秘密を知ることになってしまったが、異世界で手を取り合って戦った仲と言う事で、お互いに有事の際は助け合う事で全員の意見も一致し、クラスの結束は深く強くなった。

なお、干崎は陰キャ度を増したものの前よりは迷惑な存在ではなくなった為に、学校側は喜んでいる節がある。可哀そう、と思わない事もないが、俺には関係のない事なので放っている。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

「自分ならここはこう直す!」「このあたり分かりにくい!」等などご意見ご不満がありましたら教えてください。

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