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ダイヤル式の電話をファックスに取り替えたら凄いことに…..。

作者: 小松八千代

何年も前のことだが、この頃いたメイドの電話好きは普通じゃなかった。油断すると電話に飛びついている。

それでわざわざダイヤル式の電話機を買ってきて錠前をかけたら泣き出す始末。暗証番号を設定する方法もあるらしいが、相手の番号に一桁加えるだけなのですぐにわかってしまうのではないかと思った。

それほど電話を掛けたいのか、いやはや呆れてしまう。こっちは無駄な電話代が来るのでたまったものではない。

そのうち携帯電話が普及して、メイドも高い携帯を月賦で買って持つようになると、固定電話に飛びつかなくなった。

携帯はいつもポケットに入れて持ち歩いている。そんなだから、トイレの便器の中に落とし込んだこともある。 

その電話好きのメイドも辞めていって、電話機に錠前をかける必要はなくなった。

ダイヤル式の電話機はぐるぐる回すのが面倒くさくて、急いでいるときなどやたら時間がかかっているようでまどろこしい。取り換えたいけど買いに行くのも面倒だし、そうだ、昔使っていたファックスがあった。とりあえずあれを付けておこう。

洋服ダンスの上から埃をかぶったファックスの箱を下ろした。たぶん15年ぐらい前のもの。

パソコンを使うようになって、図体の大きいファクスは邪魔になるだけなので取り外してしまっておいたのだ。

発泡スチロールでがっちり箱の中に納まっていて、まだ買ったばかりの状態だ。

何も考えず少々重たいファックスを抱えて電話台の上に載せた。すぐ横にあるコンセントに差し込んだ瞬間、バチバチッとファックスから火花が散った。反射的に差し込みを引き抜く。

モワァッと煙が1メートル近く舞い上がってファックスが見えなくなった。驚きのあまり呆然自失して突っ立っていたが、「あっ!」ビデオと急に思い出してアイパッドを掴んだ。

「これは凄いわぁ!!」と何度も口走りながら録画を続ける。

そして「グラシエラァ!グラシエラァ!」と下にいるメイドを呼んだが聞こえないのか来ない。とにかく誰かに見せたい!こんなになったんだと。煙が消えるまで1分何秒だった。感心してる場合じゃない。すぐ横には電話帳など積み上げてある。火事になったらどうするんや。

火事になってないのでそんなことは考えない。それで、また録画した動画を繰り返し見て

「これは凄いっ!!」

あのファックス110Vだったと思い出したのは何日かしてから。それも、修理屋に

「110ボルトだったんじゃないの?なおらないこともないよ」って言われてからだ。

そういえば、トランス付けてたわ。パラグアイは220ボルト。

ということで、火花のところは再現してユーチューブにアップロードした。


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