85話 ガチャン。
ぐっすり寝ている見張りから鍵を拝借して牢屋を開ける。
「ししょー。シャルがお助けにきましたー」
起きない。
おい、相楽さん、幼女にそんな顔をさせるんじゃない。
「相楽、起きるのじゃ」
起きない。
こうなったらやってやりなさい。
俺は二人に指示を出す。
フライングボディアタックだ。
悶えている。
ざまぁって奴だな。
ん?
あと5分?
君は日曜日のお父さんか。
「一条君、遅いよ。
すっっごい暇だったんだからね」
俺は凄い忙しかったんですけど。
「じゃあ、早く帰ろうか。
こんな所に居たらまた面倒に巻き込まれるしね」
「シャルまだ、ゆーしゃをぶっ飛ばしてない」
「じゃあ、こいつぶっ飛ばして良いよ」
天野を見ながら言う。
「いや、死ぬって。勘弁してくださいよ。
相楽様」
そういえば、この二人の関係性ってなんなの?
「冗談に決まってるじゃない」
「なの~」
「ふん。冗談も通じんとはのう」
天野、俺達は友達になれそうだな。
ガチャン。
ん?
振り返ると、牢屋の扉が……
「よく、のこのこと現れたな一条」
飯島。
相楽さんを拐った勇者だ。
「おい、一条。お前のせいで俺まで無能扱いされたんだぞ」
知らんがな。
「むう、おまえー。ししょーを拐ったわるものー」
「すぐに逃げる臆病者なのじゃ」
二人とも、この状況で煽るんじゃない。
「それにしても自分達で牢屋に入りに来るとは、
ここは勇者ホイホイと名付けるか」
阿保みたいに笑ってる。
勇者ホイホイ。
なんて間抜けなネーミングだ。
……今になって恥ずかしくなってきたな。
あの時の稲葉さん達の表情はこういう意味だったのか。
「ちょっと待ってろ。みんなにお前らの間抜けな姿みせてやるからな。
天野も裏切りやがって」
そう言って、飯島は出ていった。
「本当に何してるの、一条君」
「なんて間抜けなのじゃ」
「いちじょーのあほー」
「一条、なんだ、その、ドンマイ」
いや、おかしいだろ。
それより、ドンマイって天野お前は味方だと思っていたのに。
私はスピカ。
囚われの女王です。
一条様が助けに来てくださりました。
私の王子様なのでしょうか。
あれ?
私は後回しなのですか?
全然大丈夫です。
相楽様の方が付き合いが長いですものね。
友情も大切です。
その代わり、忘れずに私も助けて下さいね。
ガチャン。
嫌な音が。
一条様達も牢屋に閉じ込められてしまいました。
何をしているのですか!
アホー!バカー!
おっと淑女なのに口が滑ってしまいましたわ。オホホホ。
皆様、ピンチなのに何故そんなに余裕なのですか?
何のんびりと美味しそうな物を食べているのですか?
ピザ?
私も下さい。
レビューを貰っちゃいました( ☆∀☆)
前回の露骨なポイント頂戴はむしろ嫌われると思っていましたが、皆様優しく、改めてランキング載りました。
感謝、感謝です。
これからも駄作ながら全力で頑張りますので、
宜しくお願いします。
「真面目過ぎない?」
「かたぶつ~」
「一条だから仕方ないのじゃ」




