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67話 油断

 釜元が顔面を押さえて地面に転がっている。


 悶え苦しんでいる。


 顔は涙と鼻水と涎でぐちゃぐちゃだ。


 超強力防犯スプレー(異世界仕様)怖すぎる。


 飯島の奴もびびってやがる。




『超強力防犯スプレー。

 これさえあれば、鬼でも竜のストーカーが現れても大丈夫』


 勇者にも効いたな。


 釜元め、俺をボコボコにして油断したな。


 あー、体痛ぇ。


 絶対に骨折れてるわ。


 ポーション、ポーションっと。


 稲葉特製ポーション。


 たった100mlの量で完全復活。


 骨折まで治るとは流石勇者の祝福。


 腕とか千切れたら生えてくるのか?


 怖えーから試せないし。


 釜元の奴がなんか言ってやがる。


 え?なんて?


 …なんて言っているかわからん。


「オレにもよごじやがれ」


 あっ、ポーション欲しいのね。


 あれにも効くのか?


 うん。多分効くな。


 勿論やらん。


 ヤバい、寄って来やがった。


 これも喰らえ。


『超高電圧スタンガン拳銃型(異世界仕様)

 拳銃型のスタンガン。(電圧調整可能)最大電圧なら、鬼でも竜でも動けなくなるでしょう。最大電圧で人間に撃たないで下さい。黒焦げになります』


 うん、真っ黒になったな。


 プスプスいってるよ。


 焦げ臭いな。


 生きてるか?


 ギリ大丈夫そうだな。


 仕上げはこれでっと。


『超強力接着剤(異世界仕様)

 その名の通り超強力な接着剤。くっつくと1000年経っても離れないので、剥がすときは、当社の神水をご利用下さい』


 これを、釜元にっと…地面とくっついたな。


 よし。捕まえた。


 よっしゃー!


 この俺がバトルマスターとかいうチートっぽい奴を倒した。


 卑怯だぞ?


 おい、飯島。人質をとりながら言う台詞ではないぞ。


 というか、飯島の祝福ってなんだ?


「おい。一条!【影の勇者】の俺を舐めてないか?」


 とっても親切な勇者でした。


 影の勇者?


 どういう祝福だ?



「おい!貴様。私の最愛の娘に何をしている」


 大きな影が。


 上空を見上げると、そこには怒り狂う竜王アース様の姿が。


 ヤバい。


 死んだ。


 絶対に巻き込まれて死ぬ。


 竜王様、冷静に…無理ですよね。


 俺が死を覚悟していると、飯島と人間形態のシャルティア様が、飯島の足元の影に沈んでいく。


 飯島の奴、逃げる気だ。


 俺も連れていってくれ。


 冗談だ。


 必死に駆け寄るが、間に合わない。


 くそ!


 逃げられる。



 ……相楽さん!?


 手に何か持っている。


 俺より速い。


【オタク】の能力が発動している様子だ。


 シャルティア様の体が影に沈みきる前に、すくい上げる。


 ナイス!


 助かったと思ったら、飯島の奴が相楽さんを引き釣りこんだ。


 そして、二人の姿は完全に影の中に消えた。



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