62話 天然の四人。
ドワーフの里に来て5日過ぎた。
流石にソプラノードのコンビニの在庫も不味いだろう。
まあ、無くなれば営業ストップすれば良いだけだけど、元の世界と違って365日商売するなんて当たり前じゃないからな。
そう考えば、元の世界の方が異常だったな。
ドワーフの里での生活は結構楽しい。
稲葉さんも楽しんでいる。
なんと、ちゃっかり金貨や、銀貨も加工出来る様になった。
こっちの世界の硬貨は王都でドワーフが、作っている事がわかった。
硬貨以外でも、ドワーフが作っている物が多く、欠かせない存在だった。
でも、あんまり王都では会わなかったな。
「と、いうことで帰ります」
「…駄目」
意外とラランに懐かれた。
シャルティア様や、グランマリア様とは少し違う。
親戚の子供に懐かれた感覚だな。
ドローンも一時間ぐらいで自由自在に扱える様になった。
ドワーフは、作るのも凄いが扱うのもうまい。
懐かれて、悪い気はしないが、仕方ない。
「帰るって言っても無理じゃろ?チョークの作り方知らんじゃろ」
ククルトンの爺さんめ、笑ってやがる。
ふっ、甘いな。
ドローンと酒と引き換えに、材料だけは何か聞いた。
あとは、うちのチート錬金術師の出番。
はい。出来上がり。
ククルトンの爺さんが驚いてやがる。
「なんじゃ、それは?」
「【合成】勇者の祝福です」
「ドワーフはそのチョークが作れれば一人前とされておるのに、一瞬で…」
やはりチート能力だよな。
錬金術…格好いい。
「…むぅ、ラランだって作れるし」
ラランも、作れるのか。
凄いぞ。
「じゃあ、世話になったな」
「まあ、いつでも来い」
「…明日も来てね」
明日は早すぎるだろ。
ドワーフ気さくな良い奴らだったな。
近い内にまた来るか。
……で?
チョークはあるけど、どうやって帰るの?
なんか書いてたよな?
ククルトン達を見ると、気まずそうだ。
俺達も気まずい。
ここには天然しか居ないのか?
結局、妖精サークルを教わる為に1日滞在が伸びた。
書いて貰っても良かったが、次来るときの為だ。




