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60話 ミラール・ミネゴルド

 我はミラール・ミネゴルド。


 ミネゴルド王国の王だ。


 忌々しい竜王アースのせいで苦渋を舐めさせられたが、我は帰って来た。我が王国に。


 この数ヶ月、【時空間士の勇者】の造り出した空間の中で過ごしていた。


 全くもって同じミネゴルド王国で。


 姿形は同じだが、ただの虚無な空間。


 我々しか存在しない世界。


 そんなの世界何の価値がある?


 王とは誰かの上に立つから王で有ろう?


 我のために下僕は存在するのだろう?


 汚き魔族。

 野蛮な蜥蜴達。



 そして、出来損ないの亜人ども。


 其奴らを支配するために、帰って来たのだ。


 この数ヶ月、勇者の餓鬼共も真面目に訓練しよったからな。


 今なら、魔王ゴンドラも、竜王アースも勇者が葬れるだろう。



 蜥蜴の野蛮さも少しは役にたったな。


 失った腕も、【聖女の勇者】の魔法で治させたし。


 竜王アースを殺す時は、四肢をそぎおとしから始末してやろうか。


 二人とも娘がおったな。


 その娘を目の前で、殺すか。


 どうやってこの恨みを張らそうか。


 年甲斐もなく血が騒ぎよる。



 そして、嬉しい事に王国に素晴らしい物が溢れておる。


 勇者の国の物か?


 勇者共も喜んでいるようじゃ。



 ほうほう立派な作物もあるじゃないか。


 これらは全て、このミラール・ミネゴルドの物だ。


 逆らう者は全て処刑せよ。



「それで?スピカよ。これらの物はどうしたのじゃ?」


 見事な品物だ。

 もっと、いや、全て余の物になるべきだろう。

 スピカよ。何処で手に入れた?



「お父様……いえ、ミラール・ミネゴルドよ。

 こんな事をして許されると思っているのですか?」


 手錠をはめられ、余が座る玉座の前にひれ伏せられる、我が娘、スピカ。


「こんな事とは?ああ、女王直属とか抜かしておったお前の部下達を処分した事か?」


 まさか、スピカが女王を名乗っているなんて驚いた物だ。


 聞くところによると、竜王の妻フブキが色々手を回したらしいな。


 その蜥蜴も処分が必要だな。



「スピカよ。いくら娘とはいえ、女王なんてお前が冗談を言うから、あの者達は処分したのだぞ。お前のせいなんだぞ?」


「ミラール・ミネゴルド!貴方はこの国を捨てた。国民を見捨てたのです!

 国民がどれほど苦労したと、思っているのですか!

 貴方に王を名乗る資格なんてない!」


「まだ反省が足りないようじゃな。おい!地下牢に閉じ込めておけ。

 スピカよ。お前がこれを何処で手に入れたか喋るまで、国民を毎日呼び出して聞こうかな?まずは路地裏に住んでいた餓鬼達を呼び出すか」


「なんて汚い」


「おい!数人連れて来い。大量に居るから、抵抗するなら処分しても良い」


 やっと娘が折れた。

 スピカよ。そういう所を見ると、やはりお前には王は役不足。

 やはり、このミラール・ミネゴルドが王に相応しいのじゃ。

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