29話 3ヶ月後
あれから、あっという間に3ヶ月が過ぎた。
結論からいうと、俺は役割は果たせた。
少なくても、景気は回復した。
スピカ女王達も頑張り、なんとか王都は立ち直った。
俺が市場に出した商品だが、ほぼ全ての商品がヒットした。
元々、中世ヨーロッパに近い文明レベルだったからな。
そりゃ、数百年先の商品類は、
画期的で便利だったのだろう。
しかも、それなりの値段で販売した。
貴族相手だから、まあ、良いよね。
儲けが必要だったし。
特に美容品は高く売れた。
いつの時代の女性も美への意識は高いようだ。
執念すら感じる。
そして、森の一角に作った畑も【農業】の勇者のおかげで様になった。
岩清水さんが活躍しまくった。
最初はノーフォーク農業を、
と考えていたが、素人には絶対無理でした。
農業の本を買い漁って読んでみたが、全然わかりませんでした。
これは、専門家じゃないと無理だな。
よく脱サラして田舎に住みたいと言っている人がいるが、難しそうだ。
俺は止めておこう。
まあ、そんな事よりも岩清水さんのチートな祝福に助けられたが。
どんな能力かというと、
どんな農業器具も使いこなし、どんな農作物も育てられる。
しかも、育成スピードが速く、品質も最高。
―どんなチート能力だ。
俺達はアホな王様に感謝したよ。
残りの二人の勇者の能力も凄かった。
一人は【料理】の勇者、向井さん。
この祝福も最高だった。
どんな食材も調理でき、どんな料理も作れる。
味も最高級。
何故こんな能力を持つ勇者を、見捨てたのか理解に苦しむ。
もう一人が【合成】の勇者。
最初は良くわからなかったが、
その内、どんな物でも素材があれば、
合成出来るとわかった。
錬金術って奴じゃん。
試しに、市販の風邪薬と、
こっちで売っているポーションを合成したところ、
風邪に効く、特化形のポーションが出来た。
もっと何でも応用出来そうだ。
個人的には、この能力が欲しかった。
錬金術師。
羨ましい。
勇者の祝福が強力という事が、
一番わかった3ヶ月だった気がする。
次は俺達が居なくなっても、継続出来る様にすることにだな。
それも大丈夫な気がしている。
みんな生き生きしだした。
どの世界でも職人は凄いね。
既に技術を取り込もうと、
試行錯誤している。
一番活気が出たのが、職人達だとは。
さて、もう少し頑張りますか。




