24話 時空間士の勇者。
おかげ様で800ポイント突破しました。
「あのね、あのね。おかーさま、ししょーのおかげで、ミモザも勝てなかったわるいやつをシャルがたおしたんだよ。どーん!って」
うん。
間違いなく全員意味がわからないだろうな。
「そ、そうなの?シャルティアは凄いねー…」
竜王様が完全に棒読みになっている。
そう言ってから護衛の方を見る。
「シャルティアが勇者を倒したのか?」
「いえ、シャルティア様が倒したのは、魔導師だと、思われます。勇者を倒したのはそこの勇者です」
「何?この弱男は勇者だったのか?さっき言っていた、師匠とはこの勇者だったのか?」
「おとーさま、ちがうよー、そっちはいちじょーだよ。」
王様達も俺に気付いた様だ。
「貴様ら、まだうろちょろしていたのか!」
離れたつもりだったのに、戻ってきたのです。
「無能の癖に私の邪魔をしようっていうのか?
身の程をわきまえるが良い」
かなり激昂している。
完全に逆ギレですよね?
「おい!お前たちこいつらを捕まえろ」
王様が護衛の騎士や、勇者に命令している。
いや…無理だって。
竜だよ。
ここに来るとき、尻尾でペチンって一撃だったよ。
うん。
やっぱり誰も動かないね。
「どいつもこいつも!このミネゴルド王自ら殺してやるわ!」
おっかない事を言っている。
本当にしないよね?
みんな身構えている。
ミネゴルド王が、何かぶつぶつ言っている。
何だ?
魔法の暗唱か!
どんどんミネゴルド王が光っている。
戦闘民族がパワーアップする時みたいだ。
「不味い!」
竜王が焦っている、
魔法に無知な俺でもわかる。
あれは不味い。
本当に殺されるのか?
急に強い恐怖が。
「竜光弾!」
ちゅどんという音と共に、強い光が。
目が見えない。
竜王が何か魔法を使った様子だ。
暫くすると、視界が戻ってくる。
失明したかと思った。
「やってしまった……」
先程ミネゴルド王の立っていた場所には、片腕を失ったミネゴルド王が。
暫くすると、俺以外の勇者達の視界も戻って来た様だ。
「きゃー!!!」
女子の勇者の悲鳴が。
「ぐああ!何故わたしがこんな…くそ!こうなったら。
おい!【時空間士】の勇者よ。早くしろ!」
【時空間士】と呼ばれた勇者は震えている。
それはそうだ。
俺だって震えている。
「早くしろ!」
竜王を筆頭に竜族が警戒する。
「星の導く場所へ。転移」
すると、ミネゴルド王、その側近、勇者達の体に光が身にまとい。
そのまま姿を消した。




