16話 これが俺の祝福だ
色々不味い事になった。
現在目の前には、俺達の事を無能扱いの王国関係者。
そして、クラスメイトの勇者。
そして竜族の姫と護衛達。
うん。敵ばかりじゃねーか!
俺が何したって言うんだよ!
考えろ。
どうしたら状況が良くなる。
思い付いた選択肢は二つ。
俺達が無能では無いのを証明して、王国に戻る事。
可能性は……無くはないがなんだか選択したく無いな。
その他は。
竜族を助けて恩を売って、竜族につく事。
この選択はどうだろうか?
上手くいくかは不明だな。
どちらが正解だろう。
正直どっちにもつきたくないな…
それにしても魔法って凄いな。
それを受けている竜族も頑丈だな。
それにしても、王国は何考えているんだ?
戦争でも始めるのか?
早めにこの街を出ておけば良かったな。
今さら言っても仕方ないか。
さっきからドゴンと音が鳴っているが、
シャルティア様は?
突進を繰り返しているけど、避けられている。
まあ、真っ直ぐ突っ込んでいるだけだから避けられるだろう、あれなら俺でも避けられるからな。
それにしても、楢崎の奴、全く戦闘に参加していないな。
【結界師】もしかして戦闘能力は無いんじゃねぇ?
【ネットショッピング(ゴールド会員)】
【オタク】
【結界師】
はっはっは!
勇者とは程遠い戦闘力だな。
どうして、【結界師】が勇者認定されて、【ネットショッピング】と【オタク】が無能扱いなんだ?
何か腹が立ってきたな。
楢崎の奴倒したら、結界解けるんじゃないか?
そしたら竜族の人が魔法使える様になって形成逆転?
あれ?この状況って俺が鍵握ってるよな。
どうしよう?
「おい、無能!もう邪魔だからどっか行けよ」
あれ?逃がしてくれるの?
まあ、最初から俺達なんてどうでも良かったもんな。
…
…
パッン!!!
「痛っってぇぇ!!!」
俺は楢崎の奴に、銃のスタンガンを使った。
海外のポリスが使っている奴だ。
日本で買おうとすると、税関で止められるが異世界なら、問題無かった。
なおこれは前もって買っておいた奴だ。
本物の拳銃はやはり、殺傷能力が高過ぎて、魔物にしか使えない。
まだ心の準備が出来ていない。
一応、対人用を用意しておいて良かった。
「誰が無能だ!」
「一条、お前何でそんな物持っているんだよ」
痺れて、動けなくなりながら言ってくる。
完全に怯えている。
「これが俺の祝福だよ」
「はっ?無能だろ!」
「ほらよ」
俺は楢崎にポテチの袋を投げる。
「ポテチ?」
「【ネットショッピング(ゴールド会員)】これが俺の祝福だ!」