138話 セールスマンとの商談。
「魔王国に行く方法があるって本当なの?」
「ほっほっほ。ございますよ」
「教えて!」
「では、白金金貨100枚で契約完了で宜しいですね」
「ええ、良いわ」
『宜しく無いです!』
勝手に一億の契約を結ばれる所だった。
『相楽さん、白金金貨100枚ってわかってる?一億だよ。一億』
「はっ?白金金貨100枚だったら100万円じゃないの?」
相楽さんは基本俺から商品を購入するので、この世界の硬貨にまだ慣れていなかったみたいだ。
「ちょっと、おじさん。一億ってふっかけ過ぎでしょ!」
「ほっほっほ。そんな事はごさいませんよ。もちろん無理にとは言いません。必要ないのでしたら私はこれで失礼します」
セールスマンが腰を上げる。一億円は払えないが魔王国の行き方は知りたい。みんなどうしたら良いかわからずセールスマンの動きを見ているだけだ。
「セールスマンさんは何故セールスマンを名乗っているのですか?その情報はおいくらですか?」
稲葉さんがセールスマンにみんなが聞きたかった事を聞く。
セールスマンはもう一度腰をおろし、椅子の上に座り直す。
「ほっほっほ。私がセールスマンを名乗る理由ですか。ほっほっほ。そうですね。白金金貨100枚でお教えしましょう」
がめつい。どの情報も一億なのか?
みんな目を丸くしている。
その表情をセールスマンが楽しそうに見ている。
「力強くで聞くって方法もあるけど、どう思う?」
相楽さんが俺達に問いかける。確かに無理矢理聞く方法もあるが、辞めた方が良い。そう思える雰囲気をこのセールスマンからは感じる。
「ほっほっほ。お嬢さんそれはお勧めしませんよ」
相楽さんもそれを感じたのか、それ以上は何も言わない。
「一条、私達の財産ってどれくらいある?」
稲葉さんがこっそりと小声で聞いてくる。
『細かい金額はわからない。でも色々かき集めたら一億って所だと思う』
「……ちょうど払える額って事なんだ……」
何者なんだ?あのセールスマンは。