134話 世界地図
「で、一条、格好良く決めたのは良いけどどうやって魔王国に行くの?そもそも魔王国が何処にあるか知ってるの?」
魔王国って何処にあるんですか?
誰か教えて下さい。
「そういう所が一条君だよね」
みんながジト目で見てくる。
ここは格好良く出発するのが、主人公なはずなんだけど……
『教えてくれませんか?』
「だって私は他国の人間だし」
ぐうの音も出ません。
フブキ様は満足げに微笑んだ後に、大袈裟にため息をつく。
「貴女、世界地図を持ってきて頂戴」
メイドラゴンの一人に地図を取ってくるように指示を出す。
『フブキ様?』
「教えるだけよ。手伝いはしないわ」
『ありがとうございます』
「おかーさま、ありがとー」
メイドラゴンさんが持ってきた地図をテーブルの上に広げる。
この世界の世界地図、初めて見た。
今居る竜の谷が地図の中央に描かれており、その竜の谷の東に、人族の住む国がある。
そして竜の谷の北と西に位置するのが、魔王国だ。
魔魔魔魔亜
魔魔竜竜人
魔魔竜人人
国土は魔王国が一番大きい。
魔王国の首都は、魔王城がある場所。竜の谷に近接している所らしい。
「大体の位置関係はわかったかしら?」
『はい』
「貴方達だけで行けないのも?」
『いえ、行けます。無免許運転になりますが……』
何で行こうか?
マウンテンバイクは無理だな。
車か、ここは定番のキャンピングカーか。
「そう、あなた方達も空を飛べる方法があったのね。
竜の谷は貴方達のミネゴルド王国と違って、自然が豊富だから地上はあんまり整備されていないのよね」
……
『……あの、フブキ様。送ってくれませんか』
「送りません」
詰みました。