表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/146

133話 他国だから

 俺達は深夜の作戦会議を行った後、こっそりと抜け出した。


「駄目よ」


 無理だった。

 簡単に捕まった。流石フブキ様。


「はぁ~。一条、貴方が付いていながら何しているの」

『……すみません』


 やっぱり、俺が怒られた。


「おねがい、おかーさま。シャルはどうしてもマリーちゃんをおたすけしたいの」

「シャルがグランマリアを心配するのは良くわかるわ。でもね、今の魔王国はとっても危険なのよ」

「だいじょーぶ。いちじょーといっしょだから」

「一条なら盾にもならずに死んじゃうわよ」

「……だいじょーぶだもん?」


 何が大丈夫なのか教えて欲しい。

 悔しいが、133話たった今でも戦闘能力ゼロだよ。チクショウ。


「一条、本当に今は魔王国は危険なの。今回の魔王国訪問は、魔王ガルガンを殺した犯人を特定するだけであの人(竜王)もそれ以上はしない筈よ」


『犯人を捕獲したりはしないのですか?』


「しないわね。ミネゴルド王国の一件で勘違いしてるかもしれないけれど、私達は他国の者よ」


 他国の問題は!その国々のルールがあるから介入しづらい。

 ミネゴルド王国は勇者召喚の苦情を入れたら、そのままミネゴルド王国に攻撃されただけだし、最終的にはスピカ王女に任せているからな。


 しかし、それだとなおさらグランマリア様が心配だ。

 竜王様は保護してくれるのだろうか?


「その離反の犯人の思想次第で、世界がまた危険になるわね」

『世界がまた危険……』

「魔神教の貴族なら、魔神の復活を望んでるはずよ」


 嫌な胸騒ぎが止まらない。


「おかーさま、マリーちゃんをたすけて」


 シャルティア様が泣きながら、フブキ様にグランマリア様の救出を頼んでいる。しかし、その願いは叶えれそうにない。



『フブキ様、他国の問題ですので俺達は関係ないですよね?』

「ええ、明日送ってあげるから、今夜はもう寝なさい」


 俺は覚悟を決めた。


『いえ、送迎は結構です。俺は魔王国に行きます』

「一条、貴方話を聞いていたの?」

『聞いてました。()は竜王国と他国の人間なので、竜王国に迷惑はかけませんので安心してください』


 フブキ様が何か言おうとする前に、「俺はじゃなくて、俺達だけどね」

 頼もしい仲間達だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ