123話 ビルダー先生にプロテインを。
「ボーイ☆君があの肉のタレを作っていたなんて、知らなかったよ☆
なんでもっと早く言ってくれなかったんだい?」
俺が思っていたよりも、竜の谷では人気だった様だ。
勿論俺ではなくタレだが。
『ビルダー先生も焼き肉のタレが気に入ったのですか?』
「勿論だよ。たんぱく質は筋肉の恋人だよ☆」
この人は筋肉バカだった。
『ビルダー先生。プロテインって知ってますか?』
「プロテイン?なんだい?聞いたことがないな☆」
こちらの世界では、プロテインは存在しない様だ。
『プロテインとは筋肉をつける飲み物です』
確かそうだったよな?
俺は飲んだことないや。
「筋肉をつける!?」
ガバッと勢い良く立ち上がったビルダー先生。
俺の両肩をガシッと掴み、本当かと聞きながら揺さぶってくる。
両肩に致命的なダメージが……
『本当ですよ。運動後30分以内が確かゴールデンタイムと言われてて、良かった気が……します』
「30分以内……ボーイ☆!もう27分20秒も経っているじゃないか!
早く、早くプロテインとやらを寄越しなさい」
目が怖い。
俺は急いでプロテインを購入する。
そういえば、久しぶりにネットショッピング(祝福)を使っている所を記載したが、普段から使っているよ。
隣でシャルティア様が誰に言ってるの?と聞いてくるが、相楽さんが読者様によ、と説明してくれる。
まあ、そういう事だ。
ビルダー先生にプロテインを渡してあげる。牛乳と一緒に。
作り方を教えると、ビルダー先生は牛乳一本全てを使い果たした。
そんなに飲めるのか?
ちなみに、ビルダー先生も俺達と接する時はずっと、人間形態で接してくれている。
腰に手を当て、作ったプロテインを一気に飲み干す。
その姿を見たシャルティア様も欲しがったので、新しく購入し、作ってあげる。
プロテインを飲んだシャルティア様は微妙な顔をしている。
美味しくはないけど、不味くもないらしい。
シャルはしゅわしゅわが良いと言い、メロンソーダを所望した。
ビルダー先生は、というと、小刻みに震えている。
どうしたのかと思っていると、満面の笑みで、
「ボーイ☆心から感謝しよう。私の筋肉が感動で震えている☆」
そういうと、ふん!と力をいれたと思えば、着ていたジャージがビリビリにぶっ飛んだ。
どんだけ~。