122話 竜誕祭での役割
もうすぐ竜誕祭だ。
竜の谷では準備が進んでいる。
「それで竜誕祭って何をするんですか?」
「シャルもしらなーい」
10年に一度だから、シャルティア様も初めての参加だ。
「そうね、武道大会が一番盛り上がるわね」
竜族はやっぱり戦闘民族なんだろうか?
「シャルも出る~」
シャルティア様もやる気満々だ。
「シャルちゃん、頑張ってね」
「あい!いちじょーも出る~?」
『出ないよ』
「なんで~?シャルと一緒にでよーよ」
出るわけない。
瞬殺ですわ。秒ですわ。
息をヒューっとされただけで負けますわ。
『年齢制限とかは無いのですか?』
「無いわね。ちなみに10年前の優勝者は夫よ」
「ほぇー。おとーさま、すごーい!」
流石竜王様。
「それでね、貴方達に出店をやって欲しいと要望が出てるのよ」
『出店ですか?』
「ええ、貴方も知っている通り、焼き肉のタレが物凄く人気出たでしょ。
それを作ったのが貴方って知り渡っているのよ」
『それで俺が美味しいものを作る人間と認識されているって訳ですね』
「まあ、そういう事ね」
成る程、そういう事ですか。
まあ、武道会に出場するよりはだいぶマシだしな。
『わかりました、その代わりにポルンガ様との面会、宜しくお願いしますね』
「ええ、頼んであげるわ」
一応、竜の谷に来た理由を達成出来そうだ。
みんな忘れているかも知れないが、世界樹への行き方をポルンガ様に聞きに来たのだ。
「えへへ。いちじょー、また美味しいもの食べれる~?」
『はい。頑張ります』
「うむ、がんばりたまえ~」
シャルティア様に完全に期待されてしまった。
『で、どうしよう』
「一条君、任せた」
「右に同じく」
えっ?
手伝ってくれないの?
「そう、じゃあ貴女達は出店ではなくて武道会の方に参加希望なのね」
「「「「えっ!?」」」」
うん。
やっぱりフブキ様最強説は間違いなかった様だ。
みんな喜んで俺の手伝いをしてくれるそうだ。
「うふふ。ここまで協力したのだから期待してるわよ。ね!」
プレッシャーが限界値を突破しました。