11話 しゅわしゅわ
「おいしぃ~!このしゅわしゅわとってもおいしい」
「本当ね、シャルちゃん」
微笑ましい親子の会話だ。
二人でメロンソーダを飲んでいる。
勿論、俺が【ネットショッピング】で購入した物だ。
シャルちゃんこと、シャルティア姫。
人間姿では四、五歳って所だろうか。
お母様の竜姫フブキ様はとても美しく、穏やかそうな印象だ。
「ほう、そんなに美味しいのか?」
「うん。とってもおいしいよ。おとーさま」
優しげな笑顔だ。
「おい!そこの人間」
おい、そこの人間呼んでるぞ!
あっ、俺ですか?
「何でしょう?」
「貴様が、肉を旨くする調味料を作ったらしいな。このしゅわしゅわも貴様が用意したのか?」
「はい。喜んで頂けて何よりです」
俺が作った訳では無いが、小さい事は竜王にとってどうでもいいことだろうから、何も言わないでおく。
「竜王様たちにはこちらをご用意してます」
俺は酒を用意した。相楽さんのアドバイスを受けて。
日本酒、ブランデー、ウイスキー、ワイン。
どれが好みかわからないので、取り敢えず数で勝負してみた。
結果は勝った。
もう、大好評だ。
これで焼け野はらは、回避出来た様だ。
ただ、出費が大きい。
ギルド長、報酬くれるだろうな?心配だ。
ん?マイケルさん?この酒、俺にも販売させろって?
バッチリ売って下さいよ。
はい。シャルティア様、お呼びですか?
しゅわしゅわのおかわりが欲しい?
何か面白い事は無いか?
これぐらいの年頃の女の子なら、魔女っ娘マリーリーンちゃんのDVDをっと…
DVDプレーヤー買っても観れるかな?
ラノベとかでは、電気事情とかどうだっけな?
…わからん。
バッテリー買ったり。ソーラーパネルとか色々後で調べるか。
取り敢えずは、絵本で良いかな。
絵本いらない?
他には…
お人形は?
いらない?
ちょっと、待って下さいね。
待てない?
仕方ない、
「こちらを食べてお待ち下さい」
とっておきに用意していた、ショートケーキを出す。
すんすんと、匂いを嗅いで一口。
大変お気に召した様だ。
その隙に【ネットショッピング】で子供のおもちゃを散策しよう。
助けて、トイザ○ス様!
結局、自転車に似た物を買った。
ペダルがついていなくて、足で地面に蹴って進む乗り物だ。
どうだろう?と思ったが、かなり喜んだ。
お転婆みたいだ。
この世界には自転車が無いのかな?
もう、暗くなっているのに遊びまくっている。
竜姫様の呼びかけを無視して。
そんなに喜んでくれている所を見たら正解だったな。
凄い殺気を感じる。
竜姫様だ。
シャルティア様、そろそろお風呂に入って寝ましょうね。
それじゃないと、俺の命がありません。