114話 魔法の先生
フブキ様が俺達に用意してくれた魔法の先生。
見た目は、魔法の先生というよりも格闘技の先生だ。
つまりゴリマッチョ。
「やあ、君達がフブキ様の言っていた人族だね?
話は聞いているよ。私の名前はビルダー。私に任せておけば大丈夫。オールオッケーさ☆」
真っ白な歯を見せ、全力の笑顔で語りかけてくる。
うん、暑苦しい。
女子達は引いている。
俺も引いている。
今いる面子は俺、相楽さん、稲葉さん、岩清水さん、向井さん、そしてシャルティア様だ。
「そぉーねぇ、見た目はあれだけど、優秀なのは間違いないわ」
フブキ様の言葉がなければ信じていないだろう。
「さて、では始めようか。まずはランニングだ」
いちいち、あのむさ苦しい笑顔が辛い。
魔法の訓練でランニングは必要なのか?
「ははは、魔法を使うには、まず体作りからだ☆」
そう言うと、ビルダー先生は先頭にたって走り出した。
「ねえねえ、とっても嫌な予感するの私だけ?」
「私もするんだけど」
俺もするんですけど……
結構なスピードで走るビルダー先生。
どうでもいいけど、笑いながら走るのは止めて欲しい。
おそらく30分ぐらい走った。
すでにヘトヘトだ。
「よーし。次は腕立て伏せ100回だ☆」
あれ~?
俺達は魔法の訓練をしているはずだよな?
「私はもう、魔法使えなくてもいいや」
相楽さんがすでに諦めた。
あんなに魔法を使いたがっていたのに。
「ねぇ、相楽っち。オタクの祝福発動させてよ。
ちょっとはマシになるんじゃない?」
「……無理。こんなのじゃ、一ミリも楽しい事を考えれない」
【オタク】の弱点がこんな所でわかった。
現在元気なのは、ゴリマッチョ先生とシャルティア様だけだ。
「よーし!じゃあ次は腹筋100回だ☆」
終わった時には、すでに全員話すら出来ないぐらい疲れていた。
明日は筋肉痛確定だ。
「君達、良く頑張ったね。明日は筋肉痛になるだろうけど、魔法薬飲んじゃ駄目だよ。そうしないと筋肉は育たないからね☆」
「……わかりました」
「そしてまた明日再度挑戦しましょう。そう……サイド」
そして相楽さんは叫んだ。
サイドチェストー!