106話 世界樹の元へ。
結局答えは出なかった。
あの後、ミネゴルド王を筆頭に竜族に捕らえられた。
結界の勇者が、ドワーフ達のドローン攻撃により、死亡。
結界が解け竜族が魔法を使える様になったのと、勇者達の戦意が失われた為に呆気なかった。
ミネゴルド王は死刑が確定した様だが、すぐには執行しない。
俺達が元の世界に戻る時の為に、召還魔法を行う代わりに命を助けると、取引きを持ちかけると、こっそり竜王様に教えて貰った。
生き残った勇者達も幽閉された。
幽閉といってもそれなりの自由が与えられるらしいが、どうなるのかはわからない。
俺と相楽さん、稲葉さん、向井さん、岩清水さんの五人に対してはこれまで通りの自由が約束された。
相楽さんの竜王様に対しての無礼は無かった事にしてくれた。
あっ、あと天野も。
竜族の国、竜の谷に攻め込んだ軍は呆気なく敗北した。
捨て駒だったのだろう。
アームジャック王子だけはいつの間にか姿を消し、逃亡した様だ。
少し気持ち悪さが残ったが解決して良かった。
ミネゴルド王国は今後正式にスピカ女王が復帰することに。
スピカ女王は、自分の力の無さ、今回の騒動の責任で辞任をするつもりだったが、竜王様にお前しかいないと説得という名の命令を受けた。
しかしスピカ女王よ、こんな時に俺を新しい王に推薦するって冗談は止めてくださいよ。
ここまで面白くない冗談は聞いた事がありませんよ。
えっ?本気?
竜王様ファインプレーです。
今回の事で竜王様も責任を感じたのか、当面はここに待機するようだ。
幸いに王都や城下町に被害が無かったので、国民の生活は大丈夫だ。
ただ国家を運営する人材が圧倒的に足りていない。
スピカ女王の側近は今回の事件で、ほとんどミネゴルド王に処刑されてしまったからな。
まずは人材の育成かららしい。
スピカ女王頑張って下さい。
―そして数日たった今、相楽さんから相談を受けた。
「ねぇ、みんな。一度、世界樹に行って見ない?」
唐突の提案だった。
「正確には、世界樹を守るエルフ族に会いに行かない?
彼らなら元の世界に帰れる方法を知ってると思うんだ」
「そうかも……そうだよ!」
「どうしてそう言いきれるの?」
「だってエルフ族が創造神から貰った力は【知識】だよ。
人族のミネゴルド王が召喚、召還の魔法を知っているなら、
エルフ族も知っているはずだよ」
「確かに、いや絶対にそうだよ。
いや、待ってミネゴルド王もエルフ族に教えて貰ったんじゃ?」
確かに可能性は高いな。
「でも、大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。私達もエルフ族と一緒で、多分大罪に侵されてないはず。
だから他の種族達みたいにはされないよ。……多分」
なんだかいけそうな気がしてきた。
それ以外に案も浮かばないし、
行ってみよう世界樹に。
「で?世界樹って何処にあるの?」
「「「「……知らない」」」」
前途多難過ぎる新しい目的が決まった。
おかげさまで一章が完結しました。
目標通り約10万字に出来ました。
やはり頭の中の設定を文字に起こすのは難しく、
読者様に最後の数話は伝わったか心配です(((^_^;)
書きためを最後一日数話投稿しましたので、
時間がある時にでも読んで頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
ブックマーク、ポイント評価まだの方は是非宜しくお願いします。
では(*´∀`)
第二章でも、宜しくお願い致します。
閑話を少し投稿します。