102話 いつか必ず訪れる終焉の日。
―長い年月が経った。
世界樹から生まれ、創造神の元から離れた七つの種族は、創造神の願いの通りに、この世界を繁栄させていった。
しかし、とてつもない長い年月の末に、
徐々に創造神の思いとは違う感情が生まれる。
人族は『傲慢』
魔族は『嫉妬』
竜族は『憤怒』
妖精族は『強欲』
神獣族は『欲求』
魔物族は『暴食』
獣人は『怠惰』
人族は一番繁栄した事で『傲慢』が生まれた。
魔族は一番に選ばれた神人族に『嫉妬』が生まれた。
竜族は一番になれなかった事に『憤怒』が生まれた。
妖精族は一番に知識を持ち、更にと『強欲』が生まれた。
神獣族は一番にこの序列の破壊を望み、一番への『欲求』が生まれた。
魔物族は一番勇敢で全て飲み込みたく、『暴食』が生まれた
獣人族は一番平和に過ごし、『怠惰』が生まれた。
―更にとてつもない時が流れる。
「凄いね、一条君」
「……本当だね」
この世界の誕生について、エルフの男が話してくれた。
ミネゴルド王と竜王様の反応を見ると、
エルフの話に大きな違いは無いようだ。
「この世界の誕生については理解したか?
それでは続けよう」
エルフが続ける。
七つの種族がはっきりと自分の種族を繁栄させた後、
この七つの種族で争いが起きる。
今の世界の言い方で言えば戦争だ。
戦争は長い年月、いやこれまでの歳月と比べると一瞬だった。
創造神に与えられた力の差だろう。
勝者は
『術』を与えられた魔族。
『力』を与えられた竜族。
『破壊』を与えられた神獣族。
そして、この三つの種族が世界を支配するかに思われた。
敗者の四つの種族。
魔物族は魔族の元に、つまりは配下となった訳だ。
そして、残りの人族と妖精族、獣人族は手を組んだ。
しかし、この三つの種族が手を組もうが勝てない。
そこで三つの種族は、『神人族』の元に向かった。
神人族は人族と妖精族、獣人族を受け入れた。
その後、竜神、魔神、神獣フェンリルと長きに渡る戦いが始まる。
「エルフ族はどうしたのですか?」
「エルフ族は戦いには参戦しなかった。
ただただ、創造神の願い通り世界樹を守り、世界の成り行きを見守った」
「それで……戦いはどうなったのですか?」
長い長い年月の末に戦いが終わった。
その戦いの結果は魔神ウラノス、竜神アースガルド、神獣フェンリルが戦いに勝利した。
恐らく、ロキが死んだと同時だったろう、創造神が世界に戻る。
創造神は自分の子供の死を悲しんだ。
その後、創造神はこの世界を最初からやり直そうとする。
その為に魔神ウラノス、竜神アースガルド、神獣フェンリルを殺そうとするが。
創造神をも凌駕する『憤怒』『欲求』『嫉妬』の力。
創造神は破れた。
悲しみを抱えたままでは『憤怒』『欲求』『嫉妬』には勝てなかったのだ。
創造神は自分を世界樹に。
そして神人族ロキの子孫の神人族も世界樹の中に。
世界樹は生命の源。
この世界樹が無くなれば生命は滅びる。
竜神、魔神、フェンリルもこの世界樹には手を出せない。
創造神はいつかくるその日まで眠りについた。
創造神との戦いは壮絶を極めた。
そして竜神アースガルド、魔神ウラノス、神獣フェンリルは、限界を極めた。
己を長く、長く封印しなければいけない程に。
そして創造神が、世界樹に宿る前に言った予言が、
代々それぞれの長に受け継がれて行く。
「いつか必ず終焉の日が訪れるだろう」
【最後の一言】を。
あれ、ジャンルはコメディーだったはず???
どうしてこうなった???
話の設定を説明の為に必要とはいえ、大変だった(>_<)
いつもの倍の執筆時間……(((^_^;)
この話がシリアスシーンのマックスだと……
すぐに元に戻ります。
「すぐに戻ってくるのじゃ」
「もどってくる~」
「……そうなの」