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プロローグ

100式情報統合システムver1.02起動―――――


ユーザー確認。第378機甲騎士団所属、宮本悟少尉。システム構築完了まで、およそ30秒。


システム構築完了。当機管轄下の機体確認。各機への展開指示を行ってください。


システムの起動を確認すると、この機体の主である悟は、無線チャンネルを開いた。


「……堺少尉、そっちの状況は?」


『……敵部隊を捕捉した。……数は10。タイプ5が6、タイプ6が4。……いつもの定期便だよ。海上を横浜方面に進行中。』


耳に付けた無線機からは、小さな声で問いかけに対しての応答があった。


「分かった。……今からは狙撃隊の弾着観測に専念してくれ。第一射の時に合図する。」


『……了解。……あと、少尉っていちいち言わないで。呼び捨てでいいから。』


「あー……ごめん。次からはそうするよ。」


『……よろしい。……交信終わり。』


プツリ、という音と共に交信を終えると、彼は正面と左右のモニターを確認した。


彼が見回した先には、崩れはて、かつての町としての機能を失ってしまった横浜と、その瓦礫を踏みつけて立っている巨大なロボットがあった。

それを見ながら、彼は改めて、自分がかつていた元の世界とは異なる世界へと来てしまったのだと認識していた。


……と、その時、レーダーの警戒網の中に敵の部隊が入ったのか、レーダーマップに警告音を響かせながら十の赤い点が表示された。


恐らく先程の先行偵察隊が捉えた部隊であろう、赤い点は物凄い速度でこちらへ接近してきていた。


「―――――ッ!00から各機へ、レーダーコンタクト!お客さんがいらっしゃったぞ。……全機、戦闘体制をとれ!」


『『『『『了解!』』』』』


「04、カウント10で敵の前衛の機体を撃ってくれ。」


『わ、分かりました!』


「それ以外の者は近接戦闘の用意をしろ!接敵後は各自の判断で動いてよし。」


『『『『了解!』』』』


そう言い放つと彼は、静かなコクピットの中でカウントダウンを始めた。


カウントを刻むごとに、水平線の彼方から黒いオーラを発っさんばかりの、黒い大型二足歩行兵器が水上を疾走しながら近づいてきた。


「……4……3……2……1…………0」


そして、カウントがゼロになった瞬間である。


耳をつんざかんばかりの高音を発しながら、白い光の線が水平線の彼方へと飛んでいった。


その白い光の線は、彼の斜め横に立っていた二足歩行兵器のレールガンから発射されたものであった。


『……着弾確認。誤差なく命中し、敵は跡形もなく吹き飛んだ。……びゅーてぃふぉー。』


「……分かった。……00より各機へ、敵前衛の撃破を確認。他の者も射程圏内に入ったら撃っていいぞ。」


『『『『了解。』』』』


「04は砲身の冷却と弾倉の交換が完了し次第、支援攻撃を行ってくれ。」


『はっ……はひぃ……』


無線機からはキョドったような少女の声が聞こえてきた。


そして、彼は、一度落ち着くかのように息を吐くと、今度は大きく吸い込んだ。


そして―――――


「さあ……行くぞ―――――!」


大声で、そう言い放ったのだった―――――

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