恐怖
「……ここは?」
目が覚めるとそこにはボロボロになった家々が並んでいた。
自分の住んでいた町に似ているような気がする。
ここが何処なのか確認するために色々と歩き回った。
少しすると学校だと思われる場所に着く。
文字が消えてしまっていて学校名が見えない。
校門をくぐるとそこには誰かが立っていた。
こっちを見て笑っているように見えるが逆光のせいでここからではよく見えない。
近づいてみようと一歩踏み出す。
目覚ましの音で目が覚める。
「なんだ、夢か……」
どうやら夢を見ていたらしい。どんな夢だったか朧気にしか思い出せない。
わかるのは笑っている誰かがそこにいたことだけだ。他は何一つして覚えていない。
何故かそれが気持ち悪くて仕方がなかった。
僕は必死に思い出そうとするが、やはり思い出すことは出来ない。
登校中も気になって仕方が無い。
この感覚は何なのだろうか。
教室に着くと軽く挨拶を交わす。それからは退屈な授業を延々と受け続けるだけで特に何もしない。
退屈な授業のせいかいつにも増して眠い。
僕はついに眠気に負けて寝てしまった。
徐々に視界が広くなって行く。完全目を開けるとそこには活気のある町の風景だった。
確か僕は授業を受けていたはずなのに……。
どうしてここにいるのか全くわからない。
それにここは何処なのかわからない。
とにかく学校に戻るべきだろう。場所がわからないはずなのに、何故かこっちに学校がある気がしていた。
しばらく歩くと学校に着いた。何故迷うこと無くここまで来れたのか僕にはわからない。
今こんなところで考えたって仕方が無い。教室に戻ろうと校門をくぐる。
すると目の前が急に真っ白になった。
「おーい、夢幻起きろ。昼食だぞ」
目が覚めるとそこは学校だった。
いつもの様に机に突っ伏して寝ていたようだ。
「あぁ、すまない。いつも起してもらって悪いな」
「慣れちまったよ」
「そうか」
僕はさっきの夢について考えていた。
今回ははっきりと覚えているのだ。何故朝の夢はほとんど覚えていないのか。
僕は不思議で仕方無かった。
考えすぎだろうか。そうなのかもしれない。しかし、僕には得体の知れない気持ち悪さがあった。
いつもと変わらないはずなのに何故こんなにも不気味なのか。僕にはわからなかった。
「なぁ、夢幻。どうした?悩み事でもあんのか?」
龍也の声で頭を切り換えた。ここであれこれ考えていても仕方が無いと。
「いや、別に……」
「なんだよ。素っ気ないなー」
「いつもだろ」
「それもそうか」と言って笑う龍也。
一瞬龍也の笑顔が歪んだ様に見えた。
今のは何だったのだろうか。きっと、見間違いだろう。
午後の授業もいつもと変わらず寝てしまったが夢を見た様には感じなかった。
つまり、夢を見ていたことさえ記憶に無いのだ。
校門を出るといつもと変わらない風景が広がる。
真ん中にある道路を挟んで向かいあった状態で何件も並んでいる家々。
登下校でいつも見ている風景だ。
何も変わらないはずの風景なのに突然頭の中で何かがフラッシュバックする。
ボロボロになった家が脳内に広がる。
少し見えたところで頭が痛くなり瞑っていた目を開けるとさっきとかわらないいつもの風景に戻っていた。
何が起きているのかわからない恐怖が僕の身を包む。
そしてここにいては危険だと僕の心が叫ぶ。
一心不乱に走って家に帰ろうが何も起こるはずは無いのに……。
家に着くと息切れが酷く汗をかいていた。
シャワーを浴びてすっきりするも心は落ち着かなかった。
この状態が続くのが嫌になり僕は布団に入り無理矢理にで寝ることにしたのだ。
はい、恋夢です!
気晴らしに書いたんですけどやっぱり投稿しようってことで投稿しました。
内容としてはかなり短めになっております。
息抜きで書いた作品ですのでちょっとずつ投稿していこうかなって思ってます。
それでは、また次の作品でお会いしましょー!