29愛の告白(レイラ編)
「ミワ、無事だったのね。心配したのよ。」
宇宙船が、無事に自国に着いた後、艦橋からミワを捜して、やってきたレイラの巨乳に、ミワはギュッと抱きしめられた。
きつく抱きしめられすぎて、一瞬、酸欠で目の前が白くなった。
「その辺にしないと、娘が死ぬよ、レイラ。」
広明が、ミワをレイラの巨乳から、助け出してくれた。
「広明、あなたも、今回はいろいろとありがとう!」
レイラは、今度は、広明に抱き付いた。
広明は嬉しそうな顔で、レイラを抱き留める。
「おい、俺に、お礼はないのか?」
大が広明に抱き付いているレイラを見て、文句を言った。
「ないわ。父親なら当たり前でしょ。」
レイラは、冷たく言い放った。
「全く、いつまで立っても、大人げないな、二人は。」
突然、始まった言い合いに、唖然としていたミワに変わり、広明が二人の仲裁に入った。
「二人とも、いい加減に・・・。」
広明の言葉は、駈け込んできた、ノリンによって遮られた。
ノリンは、ミワに抱き付くと、いきなり身体中を触り始めた。
「ミワ、大丈夫? 怪我はない?」
「はい、お陰様で大丈夫です。ケガはありません。」
「よかったぁー。」
ノリンはミワをぎゅっと抱きしめて、安堵した。
その後に、義父のジェームズに声をかけられた。
「本当にけがはないのか、ミワ?」
「はい、大丈夫です。義父さん。」
「そうか、よかった。」
ジェームズがそう言った時に、ノリンのカードが鳴った。
「いけない。もう、戻らないと。」
ノリンは、ミワを離すと、まだ何か言いたそうなジェームズを引きずって、どこかに戻って行った。
「ミワ、行こう、送るよ。」
ジャックがいつの間にか、ミワの後ろに来て、彼女の腰を抱く。
「おい、何言ってるんだ。ミワは俺が送る。」
ジャックを阻止しようと、大がジャックの手を払う。
「あなたこそ、何を言っているの? ミワは私の娘よ。大は関係ないでしょ。」
「ああ、なんだと。ミワは俺の娘でもあるんだ。関係あるだろ。」
ミワは突然始まったケンカに、オロオロした。
そこに広明が、そっと後ろに来て、二人に囁いた。
「ジャックに送ってもらって、ミワ。二人の事は、僕に任せて。」
広明がジャックにウィンクする。
ジャックは、頷くとミワを連れて、部屋を出て行った。
「二人とも、いい加減にしたら、どうだい。」
広明が二人に、声をかけた。
「「広明は、黙って(ろ)て。」」
二人が同時に叫び、ミワがいないのに気がついた。
「「ミワは?」」
「さっき、ジャックに送ってもらって、帰っていったよ。」
「そう、なら良かったわ。」
レイラが安心したように、微笑んだ。
「ああ、良いわけないだろ。まだ、ミワは大学生だぞ。」
大は、反対に面白くなさそうに、呟く。
「あら、もう大学生なのよ。二人とも大人なんだから、何も問題ないわ。」
「ああ、ミワはまだ仕事もしてないじゃないか。子供でも出来たら、どうするんだ。」
「大丈夫よ。その時は、私がミワを養うわ。もっともジャックは、大財閥の御曹司なんだから、そんな心配はないけど。」
「くそっ。」
急に怒り出した大は、広明に目線で部屋から出て行ってくれるように頼んだ。
広明は、頷くと、レイラに声をかけて、部屋を後にした。
「ちょっと、なんで広明を部屋から出したの?」
「邪魔だからだよ。」
大がぶっきらぼうに話す。
「邪魔? なんの?」
レイラは、心底不思議そうに、大を見つめた。
彼は大きく咳払いすると、彼女の腰に手を添え、自分に引き寄せて、強く抱きしめる。
「大・・・?」
あまりの事態に、レイラの思考が止まった。
大はレイラの唖然とした様子を無視して、そのまま耳元で囁いた。
「レイラ、お前を愛している。」
「えっ、なんですって!」
大は、レイラの顎に手をあてると、そのまま上向かせて、もう一度、愛の言葉を囁いて、深く口づけた。
「う・・・あっ・・・。」
レイラは、最初唖然として、思わず言葉を紡ごうと口を開いた。
それをいいことに、大が彼女の口腔に舌を入れて、まさぐってきた。
「や・・・やめ・・・。」
大は、ディープキスをしながら、巨乳に手を這わせる。
レイラは、渾身の力を振り絞って、大の胸を叩いた。
大が、やっとレイラを離してくれた。
彼女は、大粒の涙を流して、大を問い詰めた。
「なんで、私にそんなひどいことを言うの? あなたが好きなのは、広明だって、言ったじゃない。」
大は、レイラの涙を唇で舐めとりながら、理由を説明した。
「その・・・、この間、広明を抱こうとして、抱けなかったんだ。」
「はっ?」
あまりの告白に、レイラは、一瞬、何を言われたか、わからなかった。
「大が広明と、セックスしようとして、出来なかった?」
思わず、考えていることが、声にでていた。
大が真っ赤になりながら、肯定した。
「まっ、そういうことだ。どうやら広明には、以前からそうなると、わかってた、見たいなんだが・・・。」
「なっ・・・なんで、セックス出来ないからって、広明を愛してないと、いいきれるの。」
「それはだな。レイラを抱きたいと思うほど、強い気持ちがないからだよ。」
「はっ???」
レイラは、ポカンと大を見つめた。
「ナニ寝言を言ってるの、大?」
「いいさ、今は信じられなくても、俺は本気だから。必ず、ジェームズからお前を奪い返してやるよ。」
レイラは偉そうにしゃべる、大の頬を平手打ちした。
バッシーン
「何、言ってるのよ、いまさら。私は誰のものでも、ないですからね!」
レイラはそう言うと、彼に背を向けると、その部屋から歩み去った。
数週間後、ジェームズと別れて、バーで大と大喧嘩するレイラの記事と、ミワの結婚式でデープキスをする元々夫婦の写真が、情報サイトを駆け巡った。
”現役 大女優、レイラ!将軍と別れ、元夫とも大喧嘩。本命は・・・?”




