35 「異世界トリップ」 「勇者」「騎士」「歴史を残す者」
大学が始まってしまったので、暇な時間を見つけて投稿します。
来週からは曜日によって、大きく時間が変わってしまうと思います。
読んでくださっている方には申し訳ありませんが、ご了承ください。
ですが、ストックが切れるまでは絶対に毎日投稿します。
頑張りますのでどうか、温かく見守ってくださるとうれしいです。
読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。
では、本編をどうぞ。
『どうして、私と一緒に居てくれるの?』
僕はいつものように頭の中に入ってきたその言葉に微笑みながら、声で答えを返した。
「君が僕を、最初に泣かせてくれたから」
この世界の名は、ドラオム。
僕が居た地球とは違う、異世界。
僕が強制的に召喚されてしまった世界の名だった。
『・・・・? 泣いてなかったの? 今まで』
「うん、そうだよ。僕はこっちに来て、一度も泣いてなかった。泣く暇もなかった。
そうだね・・・・・僕が異世界人だっていう話はしたよね?」
『うん』
素直に頷く彼女へと、僕は彼女を抱きかかえて膝へと乗せた。かつて、元の世界で妹や弟にそうしていたように。
「じゃぁ、こっちに来てからの僕の話をしようか・・・・フフッ」
『? 何か可笑しかった?』
「いや・・・僕たちはお互いを何も知らないで、一週間を過ごしたんだなぁって思ってさ」
僕の言葉に少しだけ目を開いて、彼女はゆっくりと頷いた。
『私とこうして一緒に居てくれる人なんて、今までいなかった』
僕は陰りを帯びた彼女の目を、頭を撫でることで掻き消した。
『凪・・・・優しい』
僕の心臓あたりに触れて、その音を聞く彼女を抱きながら僕は口を開いた。
「じゃぁ、聞いて。僕の話を」
×
あの日、僕はいつものように過ごしていた。
朝の五時に目をさまし、運動用のジャージに着替えて愛犬と共に早朝の走り込みをしてた。それから軽く汗を流して、母の作ってくれた朝食を両親と弟妹達と食べて、家族と何気ないおしゃべりをしてから学校へ通った。
それが最後の会話になるとも知らずに、僕たち家族は夕飯の話や昨日の出来事を話して、別れてしまった。
あぁ、そうそう『僕』なんて一人称を使っていて、剣道部に所属して胴着を着ているせいか僕はたびたび男に間違われることがあったんだ。
胸の成長云々~とか言われたこともあるけど、正直友達を見ていると胸があることで利点があるとは思えかった。
肩は凝るし、垂れる恐れもある。本当にただの脂肪の塊でしかないのが僕の本音だよ。
スカートはどうも好きにはなれなくて、普段着も今と変わらないシンプルな服装だけだった。
通っていた学園も特殊で私服で通っていいことになっていた。
あぁ、普通の学校はね、全員同じ服装で通うっていう決まりがあったんだ。
その理由は学園の理事長が『男女平等を掲げるのならば、女子はスカート、男子はズボンとネクタイなんて決まりきった物は不要。身だしなみを最低限に整えた私服でもなんら問題はない』という言葉により、制服はなくなり私服となった。
才能を尊ぶその学園では授業は決められた物はなくて、自分で選択するもので、空いた時間は部活の自主練をすることも許されていた。
学園にはもう一つ特徴的なクラスが存在していたんだ。
ハイクラスと呼ばれるそのクラスは異世界から流れ着いた者たちのためのクラスだと、噂で聞いたことがあったっけ。
だけど、僕の友達であり、理事長の孫娘でもある瀧川 葵が所属しているからそれはないだろうと思っていたんだけど、ね。
こうして本当に異世界があることを知ってしまうと、噂もあながち本当じゃなかったんじゃないかなぁって思ってる。
それに僕の友達だった葵って子はね、誰だってその大きな器に入れてくれる。ありのままの個人を大切にし、理解し、傍に立ってくれる。そんな素敵な子だったよ。
すっかり話が逸れてしまったね。
僕はいつものように登校していると、突然どこかに落ちた。
曲がり角を右に曲がったら学校に着いていたのに、着く寸前で足元がなくなった。最初はマンホール・・・水路に落ちたのかとも思ったんだけど、さすがに魔法陣が敷かれた本に出てくるような魔術師たちに囲まれているなんてありえないからね。
何故か言葉は通じるし、場所は確か・・・クラームの王城だったのかな?
王様たちは色々ともてなしてくれて、僕を『勇者』なんて言ってきたから、そうじゃないって説明しても聞いてくれなかった。
だから、ちょっと逃げてきちゃったんだよね。服とか、お金とか、刀一本いただいて。
フフッ、意外かい? 僕がそんな泥棒みたいなことをしてあの場所から逃げ出したことが。
僕自身、そう思ってる。
でもね、あの時この世界で守るべきものはとりあえず自分だけだったから。
あそこに僕以外の誰か・・・妹や弟、友達の誰か一人でもいたらきっとそんなことはしなかったんじゃないかな?
それからも僕は、のんびり過ごすことはできなかった。
王城からの追手から逃げつつ、ハンターみたいなことをして食や生活するためのお金を稼いで、大変だったなぁ。型としての剣道は使えないから、ほとんど実家の剣術を使っていたし。
時間の流れなんてわからないから感覚的なものだけど、三年くらいかな? そんな生活を送ったよ。
人を殺したり、魔獣を討伐したり、生きるために多くの命を奪ってきた。
ある洞窟を散策していたらこの刀・・・・スワルドに会えた。これ、日本刀・・・僕の国の刀によく似てる。それにとても不思議なことにね、反りも、刃紋も、すごく僕の家の家宝だった刀に似てるんだ。
ハンターでも友人になって人はいたけど、所詮はお金で動く人たちだからね。
友人だと思ったハンターに毒を盛られて追手たちに囲まれたときは、さすがの僕も死を覚悟したかな。
女であることを明かしていたら、僕はどうなっていたのかと思うと・・・・嫌になるね。
まぁ、その怪我を元に君の所に辿り着いたのは・・・・神さまの悪戯かな。
×
「そうして怪我をして動けなくなって、景色のいい川辺で最期を迎えようとしてたら、君に拾われた」
チョンッと鼻に触れながら、彼女を見た。
『怪我、大丈夫?』
「平気だよ、少しも痛くない。この世界に来て僕は少しだけおかしくなってるから、傷の治りも早いんだ」
包帯のまかれた体のあちこちには、追手の魔法や剣によってできてしまった火傷や裂傷がある。
死んでもおかしくはない重症だったはずだというのに、後遺症も一切残ることなくほぼ塞がりつつある。
ただ、右目の傷だけは残ってしまうらしい。
『・・・・私が怖くない? 』
「君が心を読むから?
それとも声を出せないから?
激しい感情を持つだけで魔力が暴走して、誰かを傷つける可能性があるから?
どうして、それだけで君を怖がる必要があるのかな。
心を読むことは、そんなこと望んでなんかいない君が一番辛いのに?
声を出せないことも、こうして限られた者としか話せないことも悲しいのは君なのに?
誰かが傷つくことで流れ込む感情すら、君を傷つけるのに?
僕は大丈夫、君の傍に居るよ」
『私のせいで、凪の右目はもう見えないのに?』
「・・・・仕方ない、僕が君の立場とかを全く知らなかったんだからね。まさか、もうクラームで僕の代わりが召喚されているなんて思わないよ」
彼女の名はレル・ラ・メリアス。この世界の魔王の愛娘。
もっとも、『魔王』なんて呼ばれているあの人も僕から見ればただの娘への対応がわからない不器用な父親だ。
『魔王』であることと『父親』であること、それをうまく両立できないだけの一人の男。
人間の言いがかりから迫害される魔族を守ろうとする偉大な為政者にも、苦手なことがある。僕はそんなところを好ましく思っている。
それに彼女が僕を気に入っているだけで、僕という異物をここに住まわせてくれているだけで十分だ。
立場もしらずに軽く散歩に連れて行っただけで、勇者に狙われるなんて思わなかったけれど。今の怪我はその時勇者たちとの攻防で出来たものであり、彼女を庇ったときに右目を斬られた。
結局、魔王であるレル・ラ・ルドアの直属部隊の参戦によって、もともと僕との戦いで満身創痍であった勇者たちは逃げて行った。
『凪、自分を異物なんて思わないで』
僕の服の裾を握って、願うように彼女は僕に伝えてくる。僕はそれに対してゆっくりと首を振った。
「いや、僕は異物だよ。多分、どれほどこの世界に居ても、それは変わらない」
僕はゆっくりと彼女から手を離して立ち上がる。
この世界に来て、城を飛び出して、私服は荷物になるから燃やした。
鞄も目立つから刀で切り裂いて、海へと流した。
靴はうまく切れなかったから、穴を掘って地中深くに埋めてしまった。
写真を持ち歩く習慣も、アクセサリーをつける趣味も、腕時計や眼鏡も付けることのなかった僕はその三つを処分したら、地球で生きていた時の物的証拠なんてなくなってしまった。
「あぁ・・・・僕は一度、死んでしまったのかもしれないね」
この世界に、あの世界の僕を知る人間はいない。それは何て寂しいことなんだろう。
『僕』という存在はこの世界のどこにも記されることはない。ただ、『異世界からの放浪者』というだけだ。
『凪・・・・・』
不意に背中から抱きしめられる。
と、言っても身長的には全然足りないから、腰にしがみつく程度限度なのだけど。
『私はあの日、あなたと出会えたことが嬉しかった。
私を恐れない、心を偽ることもない、ただ全てを受け入れて・・・・私すらも受け入れてくれた凪が好き。
あなたが来てくれたから、あなたが居てくれたから、私は今、寂しくない。
前みたいに、夢にうなされて起きることもない。
前みたいに、人形みたいにそこに在るだけじゃなくなった
知らない景色も見れて、危なかったけれどあなたは私を守ってくれた』
「・・・メリー」
おもわず振り返って彼女を見つめてしまった。私がこれまでの一週間で交わした言葉以上に話す彼女に、驚かされていた。
『凪がまだ辛いなら、話して。
もっともっと、凪のこと教えて。
凪の世界のこと、家族のこと、学園のこと、友達のこと・・・凪ばっかり私のこと知ってるのは、ずるい』
その一言は、剣道で油断しきって、面を思いっきりぶっ叩かれたような衝撃だった。
「ハハッ」
頭に手を当て、数歩後ろに下がってからその場に座った。
僕はいつから諦めていたんだろう? 話すということを。
対話し、お互いを理解し合うということを。
地球じゃ当たり前にそこに在ったのに、この世界に来て私は勝手に希望を抱かれて、裏切られて、殺して、殺されかけて・・・・・
そうしていくうちに僕は
「いつから・・・・忘れていたんだろう?」
『凪?』
「あー、バカだなぁ。僕は」
ここに来て、彼女に出会って、一週間経って、本当に今更思い出すなんて。
「メリー、僕と出会ってくれてありがとう」
あの日、彼女に出会えてよかった。
「僕に大切なことを思い出させてくれて、ありがとう」
僕は忘れたまま、この世界で本当に何もない存在になるところだった。
ただ殺して、殺されて・・・・何の意味もない、価値もないゴロツキになるところだった。
「僕は君にこの恩を、一生かけて返すよ」
僕は今ここで、また生まれた。
侍は騎士のように忠誠の儀など持たない。
何故ならその行動で示し、常に傍で守ることを美徳したから。
忍びも同様に忠誠の儀を持たない。
侍同様に傍で守り、なおかつ主君が知らぬところでその邪魔な存在となる者を消してきた。
侍は主君の太刀であり、忍びは脇差。そして、軍師は知恵袋、兵たちはその鎧だ。
『凪?』
やっぱり、僕が言ったことをあまり理解していないみたいで、彼女は首をかしげていた。
「君が魔王の娘で在ろうと、誰もが君を疎んでも僕は君を守る刀になる。
僕を君の騎士にしてほしい」
魔王であるルドアの傍に常にあり続けるカルドネアのように、魔王の血筋たる者の魔力の源泉たる血を与えられることで主君と全てを共有することができる。
もっとも、感情だけは繋がっていないらしいが。
歴代の中にはそれを使い潰しにし、自分の負傷を全て背負わせて死んでは入れ替えるのを繰り返した魔王もいたらしいが、そんな愚王は身内によって殺された。
『いいの? 凪。
もしかしたら、人間があなたを世界に帰す方法を持っているのかも知れないのに?
人間の敵になったら、凪はたくさん傷つくかもしれないよ?
もう二度と、家族と会えないかもしれないんだよ?』
僕の目を見て、僕以上に辛そうに泣いてくれる彼女へと僕は頷いた。
「帰る方法なんてないんだよ、メリー。あの人たちは持ってない。
僕はそれをあの逃げた晩に聞いてしまってる」
あの日、僕の背を何よりも強く押したのはそんな残酷な現実だったから。
「それに、僕が辛くなったら、話を聞いてくれるんでしょう?」
『・・・・うん!』
二人で立ち上がり、僕は不意に上を見上げた。
「カルドネアさん、聞いていたんでしょう? 儀式場への順路教えてください」
「あら、やっぱり気づいていた?」
普段の紅に黒の紋章が刻まれた鎧ではなく、黒の軽装の似合わないボディライン。実に女性的な体だと思う。
「カルドネアさんっていうのはあてずっぽうでしたけどね。僕がこの世界で出会った中で倒せそうにないのはあなたと、真剣になったルドアさんぐらいですよ」
「それは光栄ね、『烏羽色の凪』」
「・・・・その名称、嫌いなんですけどね。僕」
ハンターをしていく中でつけられた二つ名に顔をしかめつつ、僕は腰へと刀を差して、主であるメリーをそっと抱き上げた。
『じ、自分で歩けるよ。凪・・・・それに怪我だってあるし』
腕の中で抵抗しつつも僕の怪我を気遣ってか、それほど強く抵抗することはない。
「怪我は大丈夫って言ったでしょ? それにメリーは軽いから平気だよ」
視界もこの一週間でだいぶ慣れてきているから平気だろう。
「あらあら、フフ、よかったじゃない。メリアス様。こっちよ、凪」
カルドネアさんとは事情説明等で本当に良くしてもらっているし、僕以上に僕の風聞について知っていた。信頼はまだできていないが、これからしていくことができればいい。それに彼女の騎士となることを決めたのだから、僕は完璧に魔族の側になり勇者とも敵対することになるだろう。それは一向に構わない。
ならば、優先するのはここでの友人を作ることだろう。そう考えると自然と僕の足取りは軽くなっていた。
×
道中カルドネアさんとは軽く友人づくりに関して相談しつつ、早速カルドネアさんと友人になった。メリーを最優先にすることは当然なので、それに関する注意もない。
「ここよ、凪」
重々しい扉の前で立ち止まり、カルドネアさんは扉を開くこともせずに手で僕らを促した。
「この部屋は誓いをするものだけが入ることを許される、儀式専用の部屋なのよ。だから、私は本当に案内だけ。
帰り道はもう覚えたでしょ? それじゃぁねぇー」
僕らにそう言い残すと、本当に飛んで帰って行くカルドネアさんを見送った。
「・・・・カルドネアさんには、しばらく勝てそうにないかなぁ」
つい、苦笑してそんな言葉が漏れた。身体的にも、大人びた精神にも・・・・まだまだ僕は発展途上だ。
『一緒にお父様たちを超えていこう、ね?』
「! うん、そうだね。メリー」
メリーから前向きな言葉をもらって、僕は扉を開いて入っていく。あるのは中央へと続く道以外は薄紫の強い魔力を宿している魔水に満たされていた。
「これは凄いね、魔力に気圧されそうだ」
『・・・・うん』
部屋に溢れる魔力を受けつつ、中央の広くなっている場所へとたどり着く。メリーは僕から降り、中央の突起へと手を差し伸べた。
『魔王の血筋たるレル・ラ・メリアスがここに誓いを結ぶ』
メリーに視線に促され、僕は彼女の前で跪く。体の横に刀を置き、頭を垂れた。
『顔をあげて、凪。
ここからは決まった言葉なんてない・・・・自分の言葉で、フェデルタを結ぶ。それが風習、みたい』
彼女は少しだけ戸惑うように僕の肩へと手を置いた。
『私は自分が独りぼっちだと思ってた。
私を宿したから母様は死んで、この力があるから私は誰にも触れることはできないと思ってた。
でも、本当はこの力を、私を恐れないで接して欲しかっただけだった。
そうしてくれた凪だから、私はあなたに私だけの騎士になってほしい』
切実な言葉だと思った。
生まれたことに、自分の親を殺してしまった自分が嫌だと思うことは己への否定。
でも、力も自分と切り離すことができないことに彼女は自分で気づいていた。
大人は『子どもは何も知らない』と言うが、子どもは子どもなりに自分のことを理解しいている。
いや、むしろ理論に縛られていない分だけ、子どもの方がそれをよく理解していると言ってもいい。
「こんな僕でよければ、喜んで」
だから僕は、そんな彼女の思いに報いたい。
彼女の心の支えにはなれなくても、弱音を吐ける場所でありたい。
彼女を守る刀でありたい。
僕は彼女に一生ではとても返しきれそうにない恩をもらったのだから。
『ありがとう』
彼女はどこからか取り出したナイフで手の甲を傷つけ、僕へと差し出した。僕はその手を取り、傷へと唇を落とした。
それはまるでかつて地球で本に見た、騎士の忠誠の口づけのように。
×
『凪? 何しているの?』
たった十年で美しく成長した現魔王陛下へと、僕は顔を上げた。
その腹は膨らみ、その隣には伴侶であるカルセアナの勇者が立っていた。
「いや、平和になったから少し本を書いているんだよ。
メリー、妊婦があまり動いちゃ駄目だろう? 呼んでくれれば僕からそっちに行くんだから。
ビロー殿も止めてくださらないと困りますね、メリーに甘くしすぎては駄目ですよ?」
僕は答えつつも二人をたしなめると、二人もばつが悪そうに冷や汗を流している。
「いや、少しくらい平気だと思ってね。
それに珍しく君の休日なんだから、呼ぶのは悪いと思って」
『そ、それにね、少しくらい運動しないと体に良くないらしいじゃない?』
二人で協力して言い訳を重ねる平和の象徴たるカップルにため息をつき、僕はペンを置いた。
「まったく・・・・仲がいいのはいいですが、ほどほどにするよう!
あまりそう言ったことをしていると、ルドア様がカルドネアさんを城中走り回すことだってあり得るんですから・・・遅かったようですが」
僕は魔力を感じ、苦笑した。
まったく、あの孫馬鹿・元魔王様は・・・・今、書いている本の後半残念なことしか書き記すことが出来なさそうで困る。
「みぃつっけた☆
さぁさぁ、帰りましょうね。ビロー様はお仕事、メリアス様はルドア様の元に連行しますよー。
それじゃぁ、お邪魔したわね。凪・・・・・・今夜一杯付き合って」
「お疲れ様」
最後の一言だけひどく疲れたように言って、三人とも部屋を出て行った。
世界の平和を感じながら、僕はこの世界で今も生きている。
おそらく帰ることはもうないだろう世界を考えれば悲しくもなるが、僕はこの世界に来たばかりの頃よりも確かに生きていて、この世界を好きになっている。
喜んで、怒って、悲しんで、楽しんで、あの頃と同じように『生きて』いる今を、僕は満足しているのだから。
いかがだったでしょうか?
・・・勇者と書いているのに、勇者の視点を書いた試しがありませんね。
今度、挑戦してみようかとは思いますが・・・・書けるといいなぁ。
感想、誤字脱字報告、お考えになった四題お待ちしています。




