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18 「闇」 「光」 「神?」 「世界」

お久しぶりです。

今日よりまたストックが尽きるまで毎日投稿しますので、これからもよろしくお願いします。

そして、全話同様にこれも四題が後付けなので沿っているかはわかりません。


読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。

では、本編をどうぞ。

 この世界にはたった一人の神がいた。

 その存在は全知全能、当たり前だった。彼以外その世界には何もなかったのだから。

 ただ暗い世界の中で闇へと笑う。

「お前は私の伴侶だな、闇よ」

―― えぇ、そのとおりね。私はあなたとずっとあったのだから、初めから誰に何を言われるわけもなく、あなたと共に存在する ――

 だから神は、闇と共に光を生みだした。

 妻の対になるだろう存在を、妻をより輝かせてくれるだろう愛しい最初の娘を。

「なぁ、光よ。お前は私と闇の最初の子だ」

―― はい、お父様 ――

「世界を作ろうか、愛しい妻と娘よ。お前たちがいつまでも見守っていたいと思う愛しい世界を、私がお前たちと共に守る愛しい世界を」

 闇にも、光にも名はない。神たる彼にも名など存在しない。

 だから、彼は世界を作ることを決意した。

 感情というあいまいな物すらなかったはずの世界に、闇があり、神がいた。

 そして、彼は何もなかった筈の己に伴侶を得て、そんな伴侶を輝かせるために娘を欲した。

 気づけばそこには、後に人が『感情』と呼ぶものが芽生え、『愛』が生まれた。

 それがこの世界の始まりの奇跡、神を創りし気まぐれな『何か』が与えた無と神という一つの存在。

―― ねぇ、あなた。まずはキラキラ輝く物を作りましょう。私と光が共に在れるような、闇に輝く光の粒をまきましょう ――

―― 名案ですわ、お母様 ――

 闇の言葉に弾むような光の声が響き、神は笑って頷いた。

「それはいい。では、こうかな?」

 神はそっと何かをまくような仕草をして、闇の中に小さくても多くの光をちりばめた。

「これは『星』としよう。さぁ、次は何をしようか? 何かあるかい? 光」

―― 『可能性』と言う光を星に! 多くの『生き物』を、小さな『命』を作りましょう!! お父様とお母様と私が楽しめるように、それが行く様をどんなに嫌になっても見ていたいです ――

「お前は賢い子だ、私にはよくわからないことを知っているのだね。

 では、『生き物』を作るのは任せよう。好きにやってごらん、光」

―― はい! お父様 ――

「闇よ、何か欲しいものはあるかい?」

――そうね、この闇の中にあなたと私、それに光の姿が欲しいわね。あなたが作るつもりの人間のような姿がいいわ。それと星と同じ淡い輝きを放つ、あなたと私たちが暮らせる場所が欲しい――

 闇の言葉に神は微笑み、己の姿を人のそれへと変えた。

 黒のタキシードに白いシャツを着こなした黒髪の青年が立っていた。そして、闇へとそっと抱き込むように右手を回すと白い肌に、肩のあたりが露出するすっきりとしたドレスを纏った黒髪黒目の女性が現れる。彼は光の方へと開いている左手を差し伸べると、金髪碧眼の白いふりふりのドレスを纏った少女が嬉しそうに青年と手を繋いでいた。

「これでどうだろう?」

 妻たる闇へと笑いながら、神たる青年の唇はそっと奪われる。

「完璧よ。あなた」

「それはよかった。綺麗だよ、闇」

 青年もまた、妻の唇を奪った。

「お父様もお母様もずるーい!」

 娘の抗議に、青年は娘を抱き上げて妻との間に入れてそっとキスをした。妻もまた、娘を愛おしそうに抱き上げる。

 神によりここに『父性愛』『母性愛』が生まれ、『親子』となった。

「あとは、これでいいかな?」

 神はそっと服の中から何かを取り出して放り投げた。

 淡く黄に輝く球体のそれは大きく広がり、一つの豪邸を残して荒野となった。

 それと同じように色の異なる球体を投げる。赤、青、茶、緑、紺、白、無数の球はあちこちに飛んで、それぞれの形をとった。

「ここから、世界の全てを見よう。いくつか別のところも用意したし、これで準備は完璧だろう・・・・・多分だが」

 青年は妻と娘を離すことなく、抱きしめ続ける。

 どうやら創世の神たる彼は『愛妻家』であり、『親バカ』のようだ。

「そうね、あとは全てその星々によって成長過程を見せてくれることでしょうし、楽しみだわ」

 青年に寄り添い続ける彼女もまたそっと微笑み、きらめく星々を眺めた。

「父様―、そのうち別の家族も作ってね。婚約者も欲しいなー」

「なっ!!」

 娘の一言で青年たる彼があげたこともないような異音を口から発し、その体を固めた。

「あなた? 何をそんなに固まることがあるのかしら?」

 妻は意地の悪い笑みを浮かべながら、青年の顔を長く白い美しい指でなぞる。

「・・・・家族は良いが、婚約者はいくらなんでも早すぎる! 私は許さんぞ!!」

「あらあら、独占欲が強いお父様ね・・・・いいじゃない、あの子の伴侶は私たちの息子にもなるのよ?」

「だ、だがだな・・・・」

 なおも納得いかないように言葉を続けようとする夫の口を、そっと指を立てて黙らせる。

「あの子が本当に望む相手なら、いつまでも家族となりたいじゃない。そうでしょう?・・・・・それに今すぐに現れて、この子を取られるわけじゃないのよ?」

「うむ・・・わかっているんだが」

「まったく、もう」

 妻はそっと娘に耳打ちして、娘は青年へと向き直りにっこり笑った。『天使』などまだ存在しないこの世界では、二人にとって全ての中で一番可愛いのは自分たちの娘だと本気で思っている―――――そして、それがどの星にも永久に共通する最初の決まりとなる。


―――――『創世の神と伴侶たる闇の聖母、その二人の御子たる光の女神。その美しさたるや、この世界の言葉で記すこと叶わず・・・・(以下略)』―――――(ある星の教典より抜粋)


―――――『いたずらに女神と己の身、あるいは己の伴侶を比べればその物の身は一瞬で一つの闇を残していずこかへと消え去り、再び帰って来た時には熱心な光の女神の信徒となって戻ってくる。それは創世の神からの洗礼と呼ばれ・・・・・(以下略)―――――(ある星の学説より抜粋)


「お父様、だーい好き。大丈夫だよぉ、お父様は私の特別枠だから絶対動かないよ」

「!!!!」

 最愛の娘からの嬉しい言葉に身を震わせて感動し、青年は娘をすごい速さで妻ごと抱きしめる。

「あぁ、私もだよ。光、闇・・・・・私は誰よりもお前たちを愛している。永久に共に在ろう。家族が増えようと、この世界がどんな姿になっていっても共にな」


 神が作りしこの世界、それよりも遠いどこかで神たる彼を作った『何か』は笑う。これからが楽しみで仕方がないとでも言うように口元で笑い、その目は子どもの様にキラキラと輝かしていた。


長すぎる前の作品に比べれば短く、内容も薄く感じられるかもしれません。

創世の神の話・・・・のつもりですね。

孤独という言葉もないときに、彼が望んだものは私は答えは家族でした。

明日投稿するのはこの続編となります。

お楽しみくださいませ。


感想、誤字脱字報告、お考えになった四題お待ちしています。

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